誰だもが知らずの語り屋

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9/20/2025, 1:09:38 PM

『既読がつかないメッセージ』

風が冷たい夜だった。
画面の中、青い吹き出しがひとつ、ぽつんと浮かんでいる。

「元気にしてる?」
送信済み。
でも、既読はつかない。

彼女が最後に返信をくれたのは、春の終わりだった。
桜が散る頃、ふたりは言葉を交わすことをやめた。
理由はなかった。いや、理由を言葉にするのが怖かった。

それでも、秋が近づくと、風の匂いが彼女を思い出させる。
落ち葉が舞うたびに、あの日の沈黙が胸に降り積もる。

「元気にしてる?」
その言葉には、
「まだ君を思ってる」も、
「もう一度話したい」も、
「あの沈黙をほどきたい」も、全部詰まっていた。

でも、彼女の画面には届いていないのかもしれない。
あるいは、届いていても、開く勇気がないのかもしれない。

既読がつかないメッセージは、
未完の詩のように、
風の中で揺れている。

そして彼は、今日もその吹き出しを見つめながら、
「いつか、既読がつく日が来るだろうか」と、
静かに願っている。


。゚( ゚இωஇ゚)゚。なんかスランプ気味ですぅ!。°(°`ω´ °)°。






















9/19/2025, 12:56:47 PM

( ˙꒳˙ )
今日もご覧頂きありがとうございます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)
今日は知人とカラオケでシャンティを歌ってましたね( ◜ω◝ )
これでもσ(*´꒳`* )ワタシ、シャンティを歌うと似てるんですよ(*>ᴗ<*)
って事で皆さんお仕事お疲れ様です(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)
土日に仕事がある方は(๑ •̀ω•́)۶ファイトデス!
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紅の落葉、斬る風

序章:峠にて

夕暮れの峠道。
赤く染まった楓が、風に煽られて舞い散る。
地面はすでに紅葉で埋め尽くされ、まるで血の海のようだった。

その中心に立つ二人の剣士。
一人は黒羽織に金の刺繍、もう一人は白装束に紅の帯。
どちらも、秋の終わりを背負っていた。

「……この峠、覚えてるか?」
「忘れるわけがない。あの日、お前が俺を斬った場所だ」

「斬ったのは、迷いだ。お前の剣はまだ鈍っていた」
「なら今、確かめろ。俺の秋は、もう迷わない」

風が鳴る。
紅葉が渦を巻く。
そして、誓いの刃が交差する。

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回想:楓の誓い

あの峠が、まだ静かだった頃。
楓の葉は緑に輝き、風は穏やかに吹いていた。
道場の庭で、二人の少年が剣を交えていた。

「兄さん、もう一度!」
「お前の構え、甘い。風を読むんだ、葉の流れを見ろ」

兄弟子・黒羽は、弟弟子・白露に剣の理を教えていた。
白露は、兄の背を追い続けていた。
その背は高く、遠く、そして——美しかった。

「いつか、兄さんを超える」
「ならば、俺を斬ってみろ。楓が紅に染まる頃、お前の剣を見せろ」

それが、二人の誓いだった。
楓の木の下で交わした、剣士としての約束。

だが、時は流れ、道場は崩れ、師は斃れた。
黒羽は、守るために剣を振るい、
白露は、斬るために剣を磨いた。

「兄さんは、変わった」
「お前が変わらなかっただけだ」

そして、紅葉の峠。
誓いの地で、二人は再び向かい合う。

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決戦:紅葉尽きるまで

一歩。
踏み出した瞬間、落葉が跳ねる。
その音に紛れて、白露が疾風のように駆ける。

黒羽は、紅葉を踏みしめながら構えを低く。
風が鳴る。
剣が唸る。
そして——

刃が交差した瞬間、紅葉が爆ぜた。
まるで火花のように、赤い葉が空に散る。

白露の一太刀は、風を裂きながら黒羽の肩を掠める。
黒羽は、地を蹴って後退しながら、紅葉を巻き上げるように反撃の一閃。
その軌道は、まるで秋の月を斬るかのように美しかった。

「速くなったな……だが、まだ浅い」
「なら、深く斬るまで止まらない!」

白露が跳ねる。
空中で一回転しながら、紅の帯が風に舞う。
その軌道は、流星のように峠を裂く。

黒羽は、地を蹴り、紅葉を巻き上げるように迎撃。
剣がぶつかり、風が爆ぜる。

「お前の剣……悲しみを帯びている」
「それがお前に届くなら、それでいい。俺は、斬るために生きてきた」

「ならば——俺は、守るために斬る」
「……紅葉が尽きるまで、決着はつけさせてもらう」

風が止む。
紅葉が静かに舞い降りる。
そして、二人は再び、刃を交える。

その一太刀が、秋の終焉を告げるかのように——。

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9/18/2025, 1:47:11 PM

コンバンハー(´∀`∩って言っても話すネタがないのでオヤスミデス(つω-`)‪𓈒𓂂
もしも世界が終わるなら

― 廃墟都市東京、逃げるでもなく、探すでもなく ―

東京が崩れた日、空は燃えるような紫だった。
誰もが「終わった」と思った。けれど、彼だけは違った。

名前は遥(はるか)。
彼は旅に出た。
目的はただひとつ――「終わる前に、あの人に会う」。

かつて約束した言葉がある。
「世界が終わるなら、最後に君と笑いたい」
それは冗談だった。けれど、今となっては唯一の真実だった。

廃墟の東京を、遥は走る。
地下鉄のトンネルを抜け、崩れた交差点を越え、
誰もいない図書館で、彼は手紙を見つける。
それは、彼女が残したものだった。

> “私は新宿にいる。最後の灯りが消える前に、来て。”

遥は笑う。泣きながら、笑う。
彼女は生きている。まだ、世界は終わっていない。

旅は加速する。
途中、彼は様々な人に出会う。
終末を受け入れた者、抗う者、忘れようとする者。
それぞれが、世界の終わりに自分なりの意味を見つけていた。

そして、遥は気づく。
この旅は、彼女に会うためだけじゃない。
「終わる世界に、意味を刻むための旅」だった。

新宿に着いたとき、空はもう色を失っていた。
けれど、彼女はそこにいた。
笑っていた。泣きながら、笑っていた。

ふたりは手を取り合い、
崩れゆく東京の中で、最後の言葉を交わす。

「もしも世界が終わるなら、君と旅ができてよかった。」

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9/17/2025, 12:27:10 PM

🌲「靴紐がほどけた日」

「ねえ、登山ってさ、靴紐が命取りになるって知ってた?」

そう言ったのは、大学の登山サークルにいた先輩だった。
その年、私たちは標高の低い初心者向けの山に登る予定だった。天気も良く、空気も澄んでいて、何も問題はないはずだった。

ただ、登り始めて30分ほど経った頃、後ろを歩いていた友達の足音が突然止まった。
振り返ると、彼女は地面に座り込んで、靴紐を結び直していた。
「またほどけた…さっきちゃんと結んだのに」
そう言いながら、少し苛立った様子だった。

その後も、彼女の靴紐は何度もほどけた。
結び直しても、歩き出すとすぐに緩む。
「なんか変だな…」と笑っていたけど、だんだん顔が青ざめていった。

そして、五合目に差し掛かった頃。
彼女が急に叫んだ。
「引っかかった!助けて!」

靴紐が木の根に絡まり、足が動かせなくなっていた。
私たちが駆け寄る間に、彼女の体はバランスを崩し――
斜面に向かって、頭から落ちていった。

落下は短かった。でも、木の枝に靴紐が引っかかっていた。
彼女の体は、靴紐で首を吊るような形になっていた。
誰も、どうしてそんなことになったのか説明できなかった。

靴紐は、まるで“自分で締めた”ように、枝に巻きついていた。
しかも、結び目は――蝶結びじゃなかった。
“縦結び”だった。
誰も教えていない、彼女が使ったことのない結び方。

それ以来、私は登山の前に必ず靴紐を確認する。
ほどけないように、絶対に。
だって、あの日からずっと――
靴紐を結ぶ音が、夜になると聞こえるんだ。

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今日はなんとなく書いたんで笑

9/16/2025, 2:43:25 PM

🌸『答えは、まだ』—卒業式前日、教室にて

教室には、もう誰もいない。
黒板には「卒業おめでとう」の文字。
窓の外では、風に揺れる桜が、まるで何かを祝福しているようだった。

アカリは、最後の掃除を終えて、ひとり机に座っていた。
そこへ、ユウが静かに入ってくる。

「…アカリ。ちょっと、話してもいい?」

彼の声は、いつもより少しだけ低くて、真剣だった。

「明日、卒業式だね。みんなそれぞれの道に進んでいくけど…俺、どうしても今日、伝えたかったことがある。」

アカリは、彼の目を見つめる。
夕陽が差し込んで、彼の横顔を金色に染めていた。

「俺、君のことがずっと好きだった。
 進路も夢も、まだはっきりしてないけど——
 君の隣にいたいって気持ちだけは、ずっと変わらなかった。」

沈黙。
でもその沈黙は、ふたりの間に優しく流れていた。

アカリは、少しだけ目を伏せて、そして微笑んだ。

「…はい、私でよければ。」

その言葉は、まるで春の風のように柔らかくて、でも確かに心に届いた。

その瞬間——
教室のドアの向こうから、くすくすと笑い声が漏れる。

「きゃー!」「やっと言ったー!」「青春すぎる!」

ユウが振り返ると、ドアの隙間から同級生たちが顔を覗かせていた。
「うわ…見られてたのか…」

アカリは笑う。
「でも、ちょっと嬉しいかも。」

夕陽の中、ふたりの影が並ぶ。
「答えは、まだ」なんて言ってたけど——
今日、ここで出した答えは、きっと一生忘れない。

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🌸『答えは、まだ』—その後のふたり

卒業式の翌日から、ふたりのLINEは止まらなかった。
「おはよう」から「おやすみ」まで、何十回もやり取りを重ねて、
スタンプの使い方にも、ちょっとした癖にも、互いの温度が宿っていった。

春が過ぎ、夏が来て——
ユウは専門学校へ、アカリは地元の大学へ。
進路は違っても、週末には必ず会って、駅前のカフェで近況を語り合った。

ある日、ユウがぽつりと言った。

「アカリの親御さんに、ちゃんと挨拶したいんだ。」

アカリは驚いた顔をしたけれど、すぐに笑ってうなずいた。
「じゃあ、来週の土曜。お母さん、煮物得意だから覚悟してね。」

その日、ユウは緊張しながらもスーツを着て、手土産を抱えてアカリの家へ。
玄関で深く頭を下げて、「娘さんと、真剣にお付き合いしています」と告げた。
アカリの母は少し驚いた様子だったが、煮物をよそいながらこう言った。

「…あの子、あなたの話するとき、すごく嬉しそうなのよ。」

それから数年。
ふたりは互いの夢を支え合いながら、少しずつ未来を形にしていった。
ユウは映像制作の仕事に就き、アカリは保育士として働き始めた。

そして——桜がまた咲く季節。
ユウは、あの教室の跡地近くで、指輪を差し出した。

「“答えは、まだ”って言ってたけど——
 俺は、ずっと君と歩いていきたい。結婚しよう。」

アカリは涙を浮かべながら、笑った。

「…はい、私でよければ。」

結婚式の日。
教室の黒板に書かれていた「卒業おめでとう」は、今度はこう書き換えられていた。

「ご結婚おめでとう」

桜はまた、風に揺れていた。
まるで、ふたりの新しい旅立ちを祝福するように。

——“答えは、まだ”
でも、ふたりが選び続けた答えは、確かにここにあった。

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🌸『答えは、まだ』—そして、春の名前を持つ小さな命へ

結婚から一年後の春。
ふたりの新居には、桜の花びらが舞い込むような優しい空気が流れていた。
そしてその春、アカリは新しい命を授かった。

妊娠がわかった日の夜、ユウは何度も「ありがとう」と言って、アカリのお腹にそっと手を添えた。
「まだ小さいけど、もう君たちが僕の世界の中心だよ。」

季節は巡り、出産の日。
病室の窓から見える桜は、まるであの日の教室の風景を思い出させるようだった。

生まれてきたのは、女の子。
ふたりは迷わず、名前をこう決めた。

「春音(はるね)」
——春に生まれ、ふたりの心を繋いだ音を持つ子。

アカリは、赤ちゃんを抱きながら微笑んだ。
「“答えは、まだ”って言ってたけど…この子が、私たちの答えかもしれないね。」

ユウは涙ぐみながら、そっと春音の小さな手を握った。
「ようこそ、僕たちの物語へ。」

そしてその夜、ふたりは春音の寝顔を見ながら、あの教室で交わした言葉を思い出していた。
「…はい、私でよければ。」

その答えは、いまや三人の未来を照らす灯になっていた。



終わりです(*ˊᵕˋ*)
皆様今日はラブコメ系にさせてもらいました
どうでしょうか?
貴方は彼氏、彼女の事を幸せに出来てますか、?
っていう感じで締めさせて頂きます
それでは*˙︶˙*)ノ"おやすみないです

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