誰だもが知らずの語り屋

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( ˙꒳˙ )
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今日は知人とカラオケでシャンティを歌ってましたね( ◜ω◝ )
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土日に仕事がある方は(๑ •̀ω•́)۶ファイトデス!
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紅の落葉、斬る風

序章:峠にて

夕暮れの峠道。
赤く染まった楓が、風に煽られて舞い散る。
地面はすでに紅葉で埋め尽くされ、まるで血の海のようだった。

その中心に立つ二人の剣士。
一人は黒羽織に金の刺繍、もう一人は白装束に紅の帯。
どちらも、秋の終わりを背負っていた。

「……この峠、覚えてるか?」
「忘れるわけがない。あの日、お前が俺を斬った場所だ」

「斬ったのは、迷いだ。お前の剣はまだ鈍っていた」
「なら今、確かめろ。俺の秋は、もう迷わない」

風が鳴る。
紅葉が渦を巻く。
そして、誓いの刃が交差する。

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回想:楓の誓い

あの峠が、まだ静かだった頃。
楓の葉は緑に輝き、風は穏やかに吹いていた。
道場の庭で、二人の少年が剣を交えていた。

「兄さん、もう一度!」
「お前の構え、甘い。風を読むんだ、葉の流れを見ろ」

兄弟子・黒羽は、弟弟子・白露に剣の理を教えていた。
白露は、兄の背を追い続けていた。
その背は高く、遠く、そして——美しかった。

「いつか、兄さんを超える」
「ならば、俺を斬ってみろ。楓が紅に染まる頃、お前の剣を見せろ」

それが、二人の誓いだった。
楓の木の下で交わした、剣士としての約束。

だが、時は流れ、道場は崩れ、師は斃れた。
黒羽は、守るために剣を振るい、
白露は、斬るために剣を磨いた。

「兄さんは、変わった」
「お前が変わらなかっただけだ」

そして、紅葉の峠。
誓いの地で、二人は再び向かい合う。

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決戦:紅葉尽きるまで

一歩。
踏み出した瞬間、落葉が跳ねる。
その音に紛れて、白露が疾風のように駆ける。

黒羽は、紅葉を踏みしめながら構えを低く。
風が鳴る。
剣が唸る。
そして——

刃が交差した瞬間、紅葉が爆ぜた。
まるで火花のように、赤い葉が空に散る。

白露の一太刀は、風を裂きながら黒羽の肩を掠める。
黒羽は、地を蹴って後退しながら、紅葉を巻き上げるように反撃の一閃。
その軌道は、まるで秋の月を斬るかのように美しかった。

「速くなったな……だが、まだ浅い」
「なら、深く斬るまで止まらない!」

白露が跳ねる。
空中で一回転しながら、紅の帯が風に舞う。
その軌道は、流星のように峠を裂く。

黒羽は、地を蹴り、紅葉を巻き上げるように迎撃。
剣がぶつかり、風が爆ぜる。

「お前の剣……悲しみを帯びている」
「それがお前に届くなら、それでいい。俺は、斬るために生きてきた」

「ならば——俺は、守るために斬る」
「……紅葉が尽きるまで、決着はつけさせてもらう」

風が止む。
紅葉が静かに舞い降りる。
そして、二人は再び、刃を交える。

その一太刀が、秋の終焉を告げるかのように——。

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9/19/2025, 12:56:47 PM