誰だもが知らずの語り屋

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コンバンハー(´∀`∩って言っても話すネタがないのでオヤスミデス(つω-`)‪𓈒𓂂
もしも世界が終わるなら

― 廃墟都市東京、逃げるでもなく、探すでもなく ―

東京が崩れた日、空は燃えるような紫だった。
誰もが「終わった」と思った。けれど、彼だけは違った。

名前は遥(はるか)。
彼は旅に出た。
目的はただひとつ――「終わる前に、あの人に会う」。

かつて約束した言葉がある。
「世界が終わるなら、最後に君と笑いたい」
それは冗談だった。けれど、今となっては唯一の真実だった。

廃墟の東京を、遥は走る。
地下鉄のトンネルを抜け、崩れた交差点を越え、
誰もいない図書館で、彼は手紙を見つける。
それは、彼女が残したものだった。

> “私は新宿にいる。最後の灯りが消える前に、来て。”

遥は笑う。泣きながら、笑う。
彼女は生きている。まだ、世界は終わっていない。

旅は加速する。
途中、彼は様々な人に出会う。
終末を受け入れた者、抗う者、忘れようとする者。
それぞれが、世界の終わりに自分なりの意味を見つけていた。

そして、遥は気づく。
この旅は、彼女に会うためだけじゃない。
「終わる世界に、意味を刻むための旅」だった。

新宿に着いたとき、空はもう色を失っていた。
けれど、彼女はそこにいた。
笑っていた。泣きながら、笑っていた。

ふたりは手を取り合い、
崩れゆく東京の中で、最後の言葉を交わす。

「もしも世界が終わるなら、君と旅ができてよかった。」

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9/18/2025, 1:47:11 PM