8ページ
ここは異世界。
魔法使いや勇者、魔王等RPG世界のようだ。
a「ロゼッタ様、お食事のお時間です。」
『あら、わかりましたわ。今誰が?』
a「フロリアン様とシャネラ様、リフトル様が既に着席しております。」
『お父様が?お父様がいらっしゃいますの?』
a「昨夜馬車にてラリーダ王国から帰還なさいました。」
『……では少し待っていて下さいと。夜空のドレスを用意して!』
a「承知致しました!」
私はロゼッタ。本名は長いけれど
【ロゼッタ・フィーネ・ド・アドリアン】
アドリアン公爵家の次女。
親しい人や侍女達はロゼッタと呼ばれています。
でも家族は特別のタフィーの名を呼ばれています。
こんな私の自己紹介なんて二の次いえ、三の次!今は親愛なるお父様に会いに行かなければ。私はお父様の好きな柄のドレスを選びましたが…似合うと言ってくださるでしょうか…。
シャ「もう、遅いじゃないタフィー。お紅茶が冷めちゃう。」
『すいません。私、お父様が帰ってきたと通知を受けてドレスを夜空にしたんです。』
フ「うふふ。似合っていますタフィー。」
リ「そうだな。タフィーのドレスの柄は私が好きな物だけだがこれが1番好きだ。」
『ありがとうございます。褒められて嬉しいですわ。』
シャ「タフィーったらいつも堅苦しいわ。敬語なんて家族の間ではいらないって言ってるじゃない。」
『うふふ、ごめんなさい。ですがどうしても抜けないものでして…。』
フ「良いのよ。何時でも何処でも礼儀正しく。社会の秩序を守るのはアドリアン公爵家よ。それぐらい身についていた方が良いわ。」
リ「だが、シャルの気軽でフレンドリーなところも私は好きだぞ」
シャ「やだぁ〜褒めても何も出ないわ!」
『うふふ。シャルネ姉様って面白いですわ。』
この暖かい家族の時間を過ごしました。
そして私は自分の部屋へ行き、私と同じ柄のドレスを纏った空をじぃーっと眺めていました。
すると
カサコソ……トタトタ…………
誰かが歩く音でした。私の部屋を横切る人なんてお母様とお父様とお姉様しかいないけれど通るなら必ず私の用事でした。何故なら、私の部屋は御屋敷の1番高くて端にある部屋ですから。続く廊下も無く戻ることしかできないので、通る人は限られているのです。侍女だとしていても私は紐を引っ張っていません。私は嫌な想像が頭をよぎってしまいました。“暗殺者”かしらと。
ここの家は公爵家。名家中の名家。私も5歳や幼い頃には誘拐等ありましたが、今日まで何も無かったので油断していました。
『もしかしたら姿を見れるかもしれないわ。』
静かに独り言を言ってしまいました。
そして部屋の外に出ると、私の部屋の前に大きな穴がありました。見た感じ少し浅そうです。ハシゴもかかっていたので、今すぐ降りれると判断しました。
『……しょっ。 まぁ………………!』
私は驚いてしまいました。小さい頃謎だった硝子の大きな筒状の何かの謎が解けたからです。それはモニュメント等ではなく移動するためのエレベーター的存在。
私はその穴に入ったのです。
暗い公爵家の廊下をぐんぐん下がって行くのは不思議で非日常的で楽しかったです。
ガタン…………
シューーーー!
『な、なんですの。こ、こ…………。』
私は狭い部屋に着きました。
『キャッ!!!』
ガコンッダンッダンッグキッ
『うぁ゛ッ!』
私は余りの痛さに目を瞑りました。
ズキズキズキズキと脚の片方が痛くて泣いていました。
しかし、やっと怖さと痛みがなくなって来てから脚を見てみると、片方の脚があらぬ方向へいっていたのです。
初めて骨折しました。少し気持ちが悪かったです。
私は勉強を応用して歩ける用にしました。しかし、シーン…と誰も助けてくれるような状況ではありませんでした。私は食べ物も無い環境と寒さに凍えていました。
『狭い部屋にさえ……入……らな……ば。』
そんな途切れ途切れの言葉等誰も聞くわけも無く、独り寂しく死んでしまいました。
数日前の家族と会いたい…………
7ページ
【京子さん………………】
今でも思い出す。
私、泡沫紫が京子だった時の話。
あの子……そう、そうだった…莉子って言ってたなぁ。
私が死ぬ直前にまた会えるって言ったらはいって答えてくれたんだっけ。
安心できた死だった。
今世でも会えるかも。
私は東京のスクランブル交差点を渡ってぼーっとしながらどこかに歩いていた。
(どこ行こうかなぁ…。ここの店オシャレなだな…)
パシャ
私は知らぬ間に写真を撮っていたようだ。
目の前のスマホに目を向ける。
“莉子のお店”
「あ……莉、子……さ……。」
前世の記憶で全てを奪われそうになった。危ない危ない。
でも莉子は気になる。私はその店に入った。
チャリンチャリン
軽やかなベルの音だ。
中を見渡すと、店員は居ないようだった。その代わり、可愛らしい小さな人形が手を振り、いらっしゃいませと挨拶しているようだ。壁には雑貨のイヤリング等がつけられており、棚やテーブルには莉子特性饅頭やドーナツ、帽子、子供と大人用の服が置かれている。見るからにお土産専門店。私は少し興味が沸いた。
「すいませぇ〜ん。」
『っあ……。あ、えっとお邪魔してます…?』
「あ、いえいえ。どうぞごゆっくり。あちらにはカフェがあるので。」
『ありがとうございます。』
私は少し気まずさを感じながら、急に現れた店員に驚きを隠せずドキドキしていた。
だが、気づかなかった。あっちにカフェがあるなんて。
………………疑問が多すぎる!なんかこの店の雰囲気掴めない。お土産店にしては人通りが少なすぎる路地だし、あっちにカフェがあるってことはかなりの大きさだ。ショッピングモールのカフェと服屋だけを切って貼っつけたみたい。
私は勇気をだして唯一の店員に質問をした。
『あの〜…ここってなんの店ですか?』
「え〜っとそうですね…難しいですが、ここはショッピングモールの端くれと言った方が簡単ですかね。」
『あの、度々質問で悪いんですが、ここは貴方しかいないんですか?』
「私のことは瑠衣でいいですよ。それと…いいえ。ここは莉子の店なのでもう1人莉子さんがいます。」
『そうなんですね。その…莉子さんという人って…』
「言っていいか分からないけど…莉子さんは前世の記憶があるみたいなんです。前世も莉子って名前で1番覚えているのは京子さんという人みたいです。京子さんがお亡くなりになる直前に莉子さんと会えると言い残していたのでこの店を開いたそうです。」
『で、ですがこの店って路地ですよね。京子さんに会いたいなら人通りが多いところがいいんじゃ……』
「そう、ですよね。私も正直不思議で…。」
『でもこんな奇妙な店なら不思議と人は来そうですがね笑』
「確かに―」
【ちょっとちょっと、瑠衣。お客が来たなら教えてよ。】
「あ、莉子さん。お疲れ様で〜す。」
『あ、お邪魔してます。泡沫紫です。』
【いらっしゃいませ。紫さん。】
『あの、失礼は重々承知ですが、京子さんのこと瑠衣さんから聞かせて頂きました。そのお話したい事が。』
「あっ……すみません 。話しちゃいました。」
【はぁ…………。紫さん、怪しい者じゃなければどうぞ。】
『ありがとうございます。では……』
―――――――――
『私、先程紫と申しましたが本名は京子なんです。』
【?それがどうかしたんですか。確かに前世の京子さんと同じ名ですが。】
『うう゛ん……。』
『莉子さん。今日の天気は良い天気ねぇ。』
【っ!?京子さん!あのころの…………。】
『ありがとうね。ここまで私をみつけようとしてくれて。嬉しいわぁ。』
【あっ……うぅっ……京子さん。また、また会えたんですね!】
『いままでありがとうね。我慢して……ごめんなさいね会うのが遅くなって。』
【いいえ。いいえ。大丈夫ですよ……。】
やっと再会できた。感動の再会。嬉しくて私も泣いてしまった。莉子。莉子。もう大丈夫だよ。この世界でもう最後かもしれないけど、この時間を大切にしようね。
6ページ
「今年は梅雨の時期が長いのぅ。」
『そうですね、京子さん。』
「莉子さんは、良いお相手いるの?」
『そんな方いませんよ。京子さんは?』
「そうだねぇ…私にはじじがおったから。じじが私の全てじゃった。」
『………………そうなんですね。』
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
私は莉子。
老人保護施設で働いている27歳。
今、佐藤京子さんという優しいお婆さんと話をしています。
京子さんも私を気に入ってくれて、ちょくちょく悩み事を話したり、聞いたりしています。京子さんはもう80だって言っていたけど、そんな見えないくらい若々しいです。いつも京子さんは憧れでした。
『京子さん………………。』
「……良いのよゆっくりで。」
私は驚いたと同じに涙が溢れて来ました。
『うっうぅ…………私、私……。』
「大丈夫。大丈夫。泣かないで。」
『ありがとう。京子さん……うぅぅっ…………』
私は仏壇を見た。
京子さんは癌で亡くなった。京子さんはまた会えるって言っていたけど、生まれ変わらないと会えないよ……。
私は重い気持ちを我慢して外に出かけた。
『えっ……』
私の脳に何か流れて来る。
『秋華?優衣?鬼釭?ココ?ルグ?誰そして……“京子”?』
『生まれ変わり?転生?京子さんは6回目の人生?』
私は頭が混乱した。
だが梅雨の雨だけは静かに冷静に冷たく降り注いでいた。
5ページ
前世の記憶でナターニャとポポを思い出し僕は頭が痛くなった。
5回目の人生。
0回目とは比べ物にならないくらいに平和だ。
ここはいわゆるファンタジーの世界。
魔法が発展し、魔法で何もかもできる。
僕も魔法は使えるが、一般家庭で普通魔導士(フリーマジック)として認定されている。
親も普通魔導士で僕らは極一般の人の集まりだ。
『ルグ〜、朝ご飯できたよ〜。降りておいで!』
「はぁ〜い」
寝ぼけ声で答える。僕の名前はルグルト・リア・ファニー
みんなから“ルグ”、“ファファ”、“ルトリア”等と呼ばれている。呼ばれる名前が多くて一々反応出来ないことが悩みだ。
8:00
僕は学校に行く準備を整えた。
「行ってきます!」
【&#*@7#-#;%-%=#=#;/=#[@=@!】
僕には聞こえた。この何を言っているのか分からない言葉は、“大魔法”だ。使う者の力が強大であればあるほど大厄災となり、世界に記される英雄や悪魔になる。
だが大魔法は悪魔になる可能性が高い。
「Lv4!freeBaria!」
僕は家だけでも、お母さんとお父さんだけでも助けたかった。なので僕は家に4レベのフリーバリアを貼った。
ゴゴゴゴ………………
『きゃあぁあ!やめt』
お母さんの悲鳴が聞こえた。僕は後ろを振り向い…………た。
ゴロン……ゴロゴロ……。
「え、?」
僕の視界が下に落ちた。
何とか上に視点を合わせる…と
かっこいいスーツを着た悪魔が目の前で僕のお母さんの首を持っていた。
【なかなかやりますねぇ。貴方ごときがLv4のバリアを張るなんて。しかしなんとも薄っぺらい!これはただ貼っているだけ。ほら、こうすれば……剥がれた】
悪魔は僕のバリアを手でスラスラと吸収し始めた。
「やめろォッ!」
僕は自分の魔力が吸収されるのが目に見えているのが怖くて痛そうで、僕は違う方を見た。そこで見たのは…………僕の体だった。
その瞬間、首に痛みが走った。
「うグぁぁぁっぁぁ!いたィいいたィい!」
【うふふふ。良いでしょう良いでしょう!もっとその痛みに屈指る醜い顔を見せなさい!次は首と体をくっつけて痛みの感覚を元に戻して……】
シュゥゥイン……
「うあっ?僕の体!」
【……………………】
フワッ
僕はいつの間にか実験室らしきところに居た。その椅子に座っているのは僕。
「な、何するんだ!」
【ではまず全身の爪を剥がしましょう!】
カリッグリッバキバキバキッ
爪から血が出て爪が剥がれた。
「ウァァアアァッァアッァァァァアアアァッァ!!!ウグキsjhヅsカアjッsッksカ!!」
その後も実験いや拷問は続けられた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――僕は髪も抜け落ち、体は腐り、まともに言葉を喋れなかった。
「う、ぁあ……。ンshsjハッカl」
【ふむ。これで実験はおしまいかな。用済みっと。】
バキバキバキッゴキッ
「うぎぁ…………ハhsjwbdhjsjsカkナイアksjsjsjカmsンsk…………」
腐り果てた体はあらぬ方向へ曲がりくねった。
そして僕は齢13で死んでしまった。1番嫌な大厄災という事実で。
4ページ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「ねぇ君。迷子?ここの子じゃないでしょ。」
『ううん。僕は旅人だ。』
「そうなの!?こんなちっちゃいのに……。」
『僕はココ。サナタリア地方出身だ。君は?』
「私?…えっへん!私はナターニャ。ここ。ジパング街出身!」
『そうか。じゃぁナターニャ、僕をシラエリ砂漠へ連れてって。』
「え」
『いやだからシラエリ砂漠に連れてって。』
「あ…いや…。それすッッッッッッッッッごい!遠いんだよ?!ここから電豪で行っても1週間かかるのに!あっ歩いたら……嗚呼!恐ろしい!」
『……じゃあいいy』
「でも、!私も行っちゃう!私もうこんな街、飽~きた!」
『……じゃあ僕はジパングホテルに泊まるから。明日出発だ。』
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄これがナターニャと出会った日の出来事だ。次にポポと出会った事を話そう。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄『ナターニャ食べ過ぎだ。僕のルビーが無くなる。』
「いいじゃぁないか!私のお腹を満たせばいくらでもルビーは入ってくる!」
『そんなわけ……』
バシャッ
【申し訳ありません!】
「ちょっとちょっとちょっとぉぉッ!私の食べ物がぁ……」
『ナターニャ煩い。』
【ほ、本当に申し訳ありま…】
「え、なになになによ?急に止まっちゃって…怖い怖い…。」
『どうしたんだ?』
【…………秋華お嬢様!嗚呼そっくりです!】
「は?」
『ナターニャ…。お前はそこで昼飯食べてろ。』
「ちょっとぉ……うぅ……。」
--
【秋華お嬢様……】
『ねえ君。僕…いや私のこと知っているのか?』
【ええ。貴方は間違いなく秋華お嬢様であります。お顔も勿論。仕草や髪の特徴まで同じです。】
『へぇ。でも私は大昔に死んだんじゃないのか?世界は私が壊そうと…何故お前が生きているのだ?』
【はい。恐れ入りますが、秋華お嬢様は大厄災の末鬼餓になり、世界は闇に覆われました。私は四季家の侍女でしたがそれとともに四季家が滅び私は追い出されました。私は絶望し、目の前の死に抗う気力もありませんでした。ですが突然お嬢様が出てきまして、私は気付けば秋華お嬢様の手を握っていました。私はお嬢様に触れてはいけないと侍女長に言われたことをふと思い出しましたので、手をすぐに離そうとしました。ですが離した瞬間私はこの未来に来ていまして。】
『……成程。ある程度わかった。お前の名は?』
【私はポポペパと言います。】
『?四季家の次女としては珍しい名だな。異国のものか?』
【いいえ。私はこの世界でポポペパという名を貰ったのです。四季家では蘭という名で呼ばれておりました。】
『そうか。…貴重な現象だ。私…ココと一緒に旅をしないか?』
【良いのですか。秋華お嬢様……いえココ様!】
『じゃ決まりだ。ポポペパ。お前の家はどこにある?荷物をまとめなくては行けないだろう。』
【有り難き配慮…。ですが私は大丈夫です。この収納ポケットで全てが入るのです。】
『そうか。それなら速い。あ、それからポポと呼んでいいか。』
【勿論で御座います。】
--
「やっと帰ってきたわね!」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
僕はいつまで生き続けるのだろう。
またどこかで死ぬんじゃないか。
呆気なく死ぬんじゃないか。僕はもう何百年生きているんだ。
終わらない旅。
ナターニャもポポももう………………………………
僕は何歳な……ん……だ…………。