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「今年は梅雨の時期が長いのぅ。」
『そうですね、京子さん。』
「莉子さんは、良いお相手いるの?」
『そんな方いませんよ。京子さんは?』
「そうだねぇ…私にはじじがおったから。じじが私の全てじゃった。」
『………………そうなんですね。』
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私は莉子。
老人保護施設で働いている27歳。
今、佐藤京子さんという優しいお婆さんと話をしています。
京子さんも私を気に入ってくれて、ちょくちょく悩み事を話したり、聞いたりしています。京子さんはもう80だって言っていたけど、そんな見えないくらい若々しいです。いつも京子さんは憧れでした。
『京子さん………………。』
「……良いのよゆっくりで。」
私は驚いたと同じに涙が溢れて来ました。
『うっうぅ…………私、私……。』
「大丈夫。大丈夫。泣かないで。」
『ありがとう。京子さん……うぅぅっ…………』
私は仏壇を見た。
京子さんは癌で亡くなった。京子さんはまた会えるって言っていたけど、生まれ変わらないと会えないよ……。
私は重い気持ちを我慢して外に出かけた。
『えっ……』
私の脳に何か流れて来る。
『秋華?優衣?鬼釭?ココ?ルグ?誰そして……“京子”?』
『生まれ変わり?転生?京子さんは6回目の人生?』
私は頭が混乱した。
だが梅雨の雨だけは静かに冷静に冷たく降り注いでいた。
6/1/2024, 11:22:17 PM