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ここは異世界。
魔法使いや勇者、魔王等RPG世界のようだ。
a「ロゼッタ様、お食事のお時間です。」
『あら、わかりましたわ。今誰が?』
a「フロリアン様とシャネラ様、リフトル様が既に着席しております。」
『お父様が?お父様がいらっしゃいますの?』
a「昨夜馬車にてラリーダ王国から帰還なさいました。」
『……では少し待っていて下さいと。夜空のドレスを用意して!』
a「承知致しました!」
私はロゼッタ。本名は長いけれど
【ロゼッタ・フィーネ・ド・アドリアン】
アドリアン公爵家の次女。
親しい人や侍女達はロゼッタと呼ばれています。
でも家族は特別のタフィーの名を呼ばれています。
こんな私の自己紹介なんて二の次いえ、三の次!今は親愛なるお父様に会いに行かなければ。私はお父様の好きな柄のドレスを選びましたが…似合うと言ってくださるでしょうか…。
シャ「もう、遅いじゃないタフィー。お紅茶が冷めちゃう。」
『すいません。私、お父様が帰ってきたと通知を受けてドレスを夜空にしたんです。』
フ「うふふ。似合っていますタフィー。」
リ「そうだな。タフィーのドレスの柄は私が好きな物だけだがこれが1番好きだ。」
『ありがとうございます。褒められて嬉しいですわ。』
シャ「タフィーったらいつも堅苦しいわ。敬語なんて家族の間ではいらないって言ってるじゃない。」
『うふふ、ごめんなさい。ですがどうしても抜けないものでして…。』
フ「良いのよ。何時でも何処でも礼儀正しく。社会の秩序を守るのはアドリアン公爵家よ。それぐらい身についていた方が良いわ。」
リ「だが、シャルの気軽でフレンドリーなところも私は好きだぞ」
シャ「やだぁ〜褒めても何も出ないわ!」
『うふふ。シャルネ姉様って面白いですわ。』
この暖かい家族の時間を過ごしました。
そして私は自分の部屋へ行き、私と同じ柄のドレスを纏った空をじぃーっと眺めていました。
すると
カサコソ……トタトタ…………
誰かが歩く音でした。私の部屋を横切る人なんてお母様とお父様とお姉様しかいないけれど通るなら必ず私の用事でした。何故なら、私の部屋は御屋敷の1番高くて端にある部屋ですから。続く廊下も無く戻ることしかできないので、通る人は限られているのです。侍女だとしていても私は紐を引っ張っていません。私は嫌な想像が頭をよぎってしまいました。“暗殺者”かしらと。
ここの家は公爵家。名家中の名家。私も5歳や幼い頃には誘拐等ありましたが、今日まで何も無かったので油断していました。
『もしかしたら姿を見れるかもしれないわ。』
静かに独り言を言ってしまいました。
そして部屋の外に出ると、私の部屋の前に大きな穴がありました。見た感じ少し浅そうです。ハシゴもかかっていたので、今すぐ降りれると判断しました。
『……しょっ。 まぁ………………!』
私は驚いてしまいました。小さい頃謎だった硝子の大きな筒状の何かの謎が解けたからです。それはモニュメント等ではなく移動するためのエレベーター的存在。
私はその穴に入ったのです。
暗い公爵家の廊下をぐんぐん下がって行くのは不思議で非日常的で楽しかったです。
ガタン…………
シューーーー!
『な、なんですの。こ、こ…………。』
私は狭い部屋に着きました。
『キャッ!!!』
ガコンッダンッダンッグキッ
『うぁ゛ッ!』
私は余りの痛さに目を瞑りました。
ズキズキズキズキと脚の片方が痛くて泣いていました。
しかし、やっと怖さと痛みがなくなって来てから脚を見てみると、片方の脚があらぬ方向へいっていたのです。
初めて骨折しました。少し気持ちが悪かったです。
私は勉強を応用して歩ける用にしました。しかし、シーン…と誰も助けてくれるような状況ではありませんでした。私は食べ物も無い環境と寒さに凍えていました。
『狭い部屋にさえ……入……らな……ば。』
そんな途切れ途切れの言葉等誰も聞くわけも無く、独り寂しく死んでしまいました。
数日前の家族と会いたい…………
6/5/2024, 6:41:23 AM