舞台上にはパソコンが1台置いてある。そこには小さく「おーい」と書いてあるが客席の1番前の人がギリギリ見えるか見えないか位の大きさである
舞台上手には大量の椅子、乱雑に置かれている。合間を縫ってビン、缶なども置かれている。
舞台下手にはまだ梱包されている引越しの荷物がある。大きいものも小さいものもある
男「聞こえる...」
男2「え?ほんと?」
男「聞こえる...呼んでるよ」
男2「えまじで?」
男、男2、耳をすましている
雨の音
男2「あ、雨降ってきた」
男「...」
男2「なーもう帰ろうぜ」
男「呼んでる...」
男2「...」袖にはける
男2「おまえ傘どこに置いたー?」
男2、傘を持ってきて男にさしてやる
男2「あー前もって来てた分忘れててよかったー」
雨
上から「おーい」と書かれた幕が降りてくる
男「聞こえた!」
男2「え?まじ?」
男「うん、近くいる、近づいてるよ」
男2「聞こえないよ」
男2、雨がやんでからしばらくしてはけていく
男「きた!」
上から「おーい」と書かれた幕がもうひとつ降りてくる
雨が降ってきてすごく強くなっていく、それ合わせて「おーい」の幕の量もどんどん増えていく
男、喜びなのか狂気なのか、表情
雨、明かり、消える。
舞台にはタイピング音が響き渡る
男「おーい」
おわり
作中を通してずっと飛行機の飛行音のような、何か機械の音のような『ブーン』もいう音がなっているそれは強くなったり弱くなったりする
男「未来を見た。それは圧巻だった。」
男、徐々にスマホを顔の前に持ってくる
袖から現れる椅子、テーブル、ソファなど、しだいに部屋が完成していく
しばらくだまってスマホの画面を見続ける
男「...」
しばらくしてスマホを置き、少々疲れた様子
男「地獄だ...」
男「よし」
男、歩きだして去っていく
部屋に置いていた家具たちが徐々になくなっていく
最後何も無くなった舞台でスポットライトがひとつついて消える
おわり
首にカメラをさげた男と女のカップルが2人で並んで歩いてくる、デートか
キョウミ「あ、桜。」
フルイ「と、言った君はもう居なくて、ぼくは今日も君を思い出している。あの日、ひとひらの桜の花びらをみて春の到来を感じたであろう君は、1人ぼっちの春に何も感じないのだろうか」
キョウミ「ね、桜だよ!春だね〜」
フルイ「そうだね、あ、ねぇ、キョウミちゃん」
フルイ、写真を撮る
フルイ「彼女の名前はキョウミちゃんといった、響くのキョウにフルーツの実、それでキョウミちゃん。彼女は名前に違わぬ不思議な人だった」
キョウミ「あ!もう、いま変な顔だったかも、まぁ、いいか、それ、私にも後でちょうだい」
フルイ「いいけど、なんで?」
キョウミ「あれ?フルイ君に言ってなかったっけ、私、将来不意に撮られた写真集を世にだしたいって夢があるんだ」
フルイ「...ふーん、面白そう、それ、一番最初に僕に見せてよ」
キョウミ「ふふーん、無理かな」
フルイ「なんで...?」
キョウミ「だって編集の人とかが最初に見るし、とゆうか絶対私が一番最初にみるし」
フルイ「あは、そうだね」
キョウミ「ね!あっちにいこう!でっかい木の枝さがそうよ!」
キョウミ、はけていく
フルイ「結局あの日の写真を君に渡せないままでいる。僕は、どんな気持ちでこれを握っていればいいの?」
キヨシヨ「風景画の真髄は己の内面にある」
デッシー「はい」
キヨシヨ「...ん、ん、いや、はいじゃなくて」
デッシー「え...あ...うっす」
キヨシヨ「ん、あ、ちがう、その、リピートアフター...」
デッシー「あ、あ!はい、あはは、すみません、リピート、アフター的な、あはは、あそうすよね、」
キヨシヨ「うんそうそう、いやいいのいいの、いやいやうん、いや、ほんと」
デッシー「……」
キヨシヨ「あ、じゃあもっかい...」
デッシー「や...りますか...ね、やりましょうか」
キヨシヨ「あはは、はい、ね、いきますよ、えー風景画の真髄は己の内面にある。はい、」
デッシー「……あっ、風景画の…」
キヨシヨ「……あっ!へへ、いや、ははは、ごめんね、いやなんかはいとか言っちゃって、ね、タイミングがね、そうだよね、はは」
デッシー「いやいやいや、すみません、いや、ほんとに、はは、ごめんなさいごめんなさい、ははは...デッサン!」
デッシー、おもむろにもっていたスケッチブックにキヨシヨを描きはじめる、
キヨシヨ「え、え、え?な、何描いてんの?」
デッシー「それっぽい真面目なこと言ったのに上手く人に伝わらなくて言葉にできない恥ずかしさを抱えてる人を描いてます!」
キヨシヨ「きみ...、性格悪いでしょ」
君「明日の予定は?」
僕「...特に...無いかな」
君「また遊びたいの?」
僕「……」
君「しょうがないなー」
僕「...ちなみに聞くけどどんな感じで遊ぶの?」
君「まず...朝起きて会って、で、そっからはずっと何かしらしてるかんじかな、ゲームとか、あるし」
僕「そう...」
君「キミってホントにボクのこと好きだよねぇー、前々から思ってたけど僕1回もキミを遊びに誘ったことないんだよ、キミの方からいっつも来てくれるから……」
僕「あのさ、」
君「……」
僕「ありがとう。楽しかった」
君「そう」
僕「1年、ここが頑張りどきなんだ、だから1年、」
君「...わかってるよ」
僕「君は僕に嬉しさも悲しさもくれたね、でも、もう決めたから。頑張るって決めたんだ。」
君「ボクは、ここにいただけだよ」
僕「ありがとう。また、呼ぶよ、けどやっぱり。さようなら。さようなら。さようなら」
君「……」(笑顔)