七色の涙と透明な涙ってどっちが美しいと思いますか?
私はね、七色の涙の方が美しいと思う。
少なくとも見飽きることは無いだろうし
透明な涙なんてもう見飽きた。
明日は七色の涙が見れたらいいな
イタッ!
反射的に声をだした後に自分の頭の皮膚の痛みを感じる。
目の前で石のようなものがころころ転がる、
これが自分の頭にぶつかったのだと理解する。
腹が立った私は、持っていた星のかけらを
足元の水溜まりにぶん投げた。
おおきく振りかぶって投げた星のかけらは水溜まりに吸い込まれた。
イタッ!
夏。
なびく涼しい風。
大きな積乱雲。
そして、
どこまでも続く青い空。
広ーく続く青い空。
どこまでも広く...続く青い空。
本当にどこまでも......
どこまで続くんだ!?
オーーイ!!!続きすぎじゃない!??
袖から人2が出てくる
人2「すみません、どうしたんですか?」
人1「いやぁ、この空ちょっと続きすぎじゃないですか?」
人2「空、ですか?はぁ」
人1「望遠鏡かなんかで端があるか確認したいなぁ」
人2「ありますよ」
人2どこからか望遠鏡を取り出す
人1「なんであるんだよ」
2人で望遠鏡を覗こうとするが頭がぶつかる。
なんか気まずい感じになって結局人1が先に見る。
人1「うぉぉぉぉお!」
人2「ええぇ!何かあったんですか!?」
人1「倍率変えましょう。」
人1変え始める。
人2「いやいやいや、まず見してくださいよ。」
人1「いや倍率変えた方いいですって」
人2「いや気になるじゃないですか。」
人1「もう変えちゃいましたし。」
人2「早いなぁ。ちょっと早すぎるんじゃないか?」
人2、覗き込む
望遠鏡の先は、客席側を向いている。
人2「......うははははははは...!!!」
人1「えぇ!どうしたんですか!」
人2「はははは...!知ってしまった...!あーー端を知ってしまったぁ!!!」
人2、フラフラしながら去っていく
人1「お、おい!どこ行くんだよ!おい!」
人2「また戻ってくるよ!ハハハハハハ!!」
人1「お、おい!」
間。
流れているのはBGMのみ
徐々にBGMが大きくなっていく。
人1、恐る恐る望遠鏡を覗き込む。
覗き込んだ瞬間。BGMが止まる。
出入口が開き客電がつく。
これにて公演の最後の演目終了。
うちに帰ってホット一息
僕は羊羹を食べる
よう噛んで食べる。
束の間の休息。
こんな作品でもいいじゃない
難しく考えなくてもさ。
男だ。
男がいた。
男はどうやら道行く人々に避けられている。
男は道行く人に何か尋ねている。
男はなにを尋ねているのだろう。
もう少し近ずいてみよう
「踊りませんか?」
「お願いします。踊りませんか?」
「踊りませんか?」
男は道行く人に踊らないかと尋ねているようだ。
男はなぜそんなことをしているんだろうか。
この調子だと私のところにも来そうだ。
私は暇だった。
私は暇だった。
私は何も無いのに街にでては人間観察をしている。
私は何か面白いことが起きることを望んでいた。
男の問いに肯定的な答えを示したら
面白いことが起きるのではないか。
男が私の前にきた。
「踊りませんか?」
私は心臓の高鳴りを覚えた。
私は焦っていた。
私はさっと
目を
逸らした。
男は私の前にはもう居ない。
私は心臓が痛い。
鼓動が脈打つ度に痛い。
また尋ねられた時。
私は自分の気持ちを発せるだろうか。
また、会えるだろうか。