今年一年は創作活動に心血を注いだ年だった。
自分としてはまずまずの投稿活動を残せた。
小説の公募に長編を2作品応募。結果は2作品とも中間選考を突破。この勢いに乗じて2024年も創作活動に邁進する年にしたいです。
遅筆の私は長編小説を年に2回提出できれば御の字で、まだまだ執筆スピードが足りないけれど、焦らずにコツコツと書く体力を身につけていきたい。
小説は筋トレ!!
夢は受賞!!
遠い夢かもしれないが、夢を見ることも許されないのは嫌すぎるし、私は思う存分に夢を見て自分自身の人生を豊かにしていきたい。
そして何より、創作が大好きだ。
今年一年お疲れ様でした&来年もよろしくお願いします🤲✨🎍
#1年間を振り返る
#友達
明日会えたらいいね。
カナとリリィはそう約束し合った。
果たせそうもない約束だとは思った。けれど、自分たちの友情をここで終わらせるわけにはいかないという熱い使命感が、互いの心にあったのだ。
「離れ離れになっても、ね」
「うん、会おうね」
私たちは、終わったりしないから。
疎開先は、中国だった。リリィはアメリカに行く。
この国の一般市民を移民として受け入れるには、なにぶん人数が多すぎるし、その中でカナとリリィが疎開できるのは、ひとえに両親の仕事の立場が上級だったからである。
生きていよう。
生きなければ、明日を見ることもできない。
カナとリリィは手をつなぎ、黄金に光る稲穂の波を見つめた。この美しい景色も、自分たちの国も、出ていかなければいけないけれど、それでも。
私たちの友情は、永遠だから。
青空は夏の名残りを強く残して、どこまでも広く。
🫶
小松左京『日本沈没』オマージュ作品
#行かないで
そこに行っちゃダメ、と釘を刺された場所に限って行きたくなるのはなぜだろう。
ママの目を盗み、僕は友人たちと一緒にとある心霊スポットの公園に出かけた。
ママが家に帰る夜七時半までに戻ってくればいいと思ったのだ。
僕と友人たちの引率には、大学生のお兄さんが二人ついてきた。友人の、歳の離れた兄なのだそうだ。
お兄さんたちは、大学には内緒で結成した心霊サークルのメンバーだといった。
夜にさしかかった公園は、僕たち以外には誰もおらず、静かなドキドキが心に満ちていく。
「聞こえるんだよ。この辺り」
お兄さんが僕たちを連れて、公衆トイレの入り口に集まる。ここのトイレは男女共有のトイレでかなり小さい。誰かが利用したような場面は見当たらないほどに。
ここから何が聞こえるのだろう。学校のトイレで有名な、あの花子さんだろうか。
「行かないで」
ゾクっとするような、か細い声だ。小さな女の子の声。でもどこか、この世のものではないような、不気味な不安定さがある。
「行かないで……」
バタン、とドアが強く開かれるような音が響いた。
「行かないで!」
確認する間もなく、僕たちは悲鳴を上げて一目散に公園を逃げていった。
👻
#どこまでも続く青い空
水色になりたいな、と思った。ある日突然。そして背中に羽根を生やして空に向かって飛び立つような心境になりたいな。
巷で言われるような希死念慮とかではなくて、私は、本当に自分がいつか空を飛べるようなとんでもない結果を生み出すんじゃないかと予感しているのだ。
友だちにそれを伝えたら「でっかい夢叶えるぞみたいな? 偉人にでもなるの?」と頭にたくさん疑問符を浮かべた表情で返された。でも私は知っている。誰に何と言われようと、自分の抱いた予感は現実になると。
「みのりは進路どうすんの?」
友だちはため息をつきながら、明日出される小テストの予習のために英語の単語帳とにらめっこをしている。私はというと、教室の窓から見える空を目一杯眺めて、「やっぱり私、何かするんじゃないかなあ」とつぶやいた。
「そりゃ、何かはしでかすよね。あんたバカだし。バカだし。バカだし。今だって会話成立してないし」
「ひどいー。夢《ゆめ》ちゃんだって何か目指したいものの一つはあるでしょ」
「私は堅実に生きたいだけさ」
友だちの無情な指摘にブーブー文句を言いながら、私は窓の外の空を、今日はやけに綺麗に見えるなと感じていた。
☁️
「何かを成し遂げるって、頭良い人だと難しいのかなぁ。バカな人ほど未来を変える力があるんじゃないかって、最近考えてるのよ。あんた見てると」
「私、そんな風に野心を抱いてたわけじゃないんだってば。ただね、空飛びてー!って思ったのよ。あんたとしゃべってた、あの日の放課後、急に!」
私たちは互いのグラスに祝いの酒を入れ、乾杯をした。十数年続いているこの友情と連帯と、人生の節目を祝って。
「宇宙飛行士としてテレビに映るあんたは、どこまでもバカよねぇ」
「絶対、褒めてないでしょー」
ふんと鼻を鳴らしながら、そのくせどこか得意げに彼女はグラスを飲み干した。
#やわらかな光 #詩 #ポエム
足を滑らせて落っこちた先にも、光は拡がっている。
人は悲しみの渦の中でも、光に包まれている。
生きている限り、無傷ではいられない。
汚いものでも綺麗なものでも、美しいと感じる、その一瞬があれば人生を続けられる。
誰かに優しくされた記憶だけでいい。
私たちは、とても儚く脆い足で、かろうじて立っているだけなのかもしれない。
それでも倒れはしないだろう。
私たちの上には、やわらかな光が降り注いでいるのだから。