執筆リハビリ文章まとめ

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#行かないで

 そこに行っちゃダメ、と釘を刺された場所に限って行きたくなるのはなぜだろう。
 ママの目を盗み、僕は友人たちと一緒にとある心霊スポットの公園に出かけた。
 ママが家に帰る夜七時半までに戻ってくればいいと思ったのだ。
 僕と友人たちの引率には、大学生のお兄さんが二人ついてきた。友人の、歳の離れた兄なのだそうだ。
 お兄さんたちは、大学には内緒で結成した心霊サークルのメンバーだといった。
 夜にさしかかった公園は、僕たち以外には誰もおらず、静かなドキドキが心に満ちていく。
「聞こえるんだよ。この辺り」
 お兄さんが僕たちを連れて、公衆トイレの入り口に集まる。ここのトイレは男女共有のトイレでかなり小さい。誰かが利用したような場面は見当たらないほどに。
 ここから何が聞こえるのだろう。学校のトイレで有名な、あの花子さんだろうか。
「行かないで」
 ゾクっとするような、か細い声だ。小さな女の子の声。でもどこか、この世のものではないような、不気味な不安定さがある。
「行かないで……」
 バタン、とドアが強く開かれるような音が響いた。
「行かないで!」
 確認する間もなく、僕たちは悲鳴を上げて一目散に公園を逃げていった。

   👻

 

10/24/2023, 10:23:48 AM