ゆんたろす

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1/2/2024, 11:40:43 AM

デビルズパレスに来れるようになり数ヶ月。
大晦日を皆で過ごしたのはいい思い出となった。
新年を迎えるカウントダウンを支えてくれる心強い執事たちと過ごせて幸せだ。
走馬灯のように思い出が巡ってきて思わず涙が出た。
その涙を見てみんなが慌てた顔はこれからも一生覚えているだろう。

それから元の世界に戻って色々やることを済ませて
改めてまたパレスへ戻ると、アモンが迎えてくれた。

「あけましておめでとうございますっす、主様」

『あけましておめでとう、アモン』

0:00に言ったのにまた言ってしまう正月マジック
今日は執事たちも休みなのかと聞くと
貴族のパーティーの手伝いで何人かは出払っているとか。

毎年恒例だから慣れているっす、とアモンは言うけど
休める環境にしてあげたい。せめて、少しでもリラックス出来れば……


『今年は、みんなにあんまり迷惑を掛けないようにする』

「今年の抱負っすか?」

『うん』

「主様に迷惑掛けられた事がないっすから、俺にはなんでも言っていいっすからね」

『いやいやいやいや』

それはないでしょ、と言うとアモンはふふっと笑い一輪の薔薇を差し出した。

「俺、主様には嘘つかないんで。冗談は言うっすけど。だから今年は去年より沢山、俺に甘やかされてほしいっす」

なんでムズムズする言葉をさらっと言うからアモンはなかなか小悪魔である。
からかわないで、と顔を手で覆うと、そっと手を包み顔から手を外される。

「去年より沢山真っ赤で可愛い花を近くで見ること」


これが、俺の今年の抱負っすかね

と、子供っぽく笑うアモンの頬をつねり、おばか、なんて悪態をついた。


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今年の抱負

aknk

1/2/2024, 3:55:23 AM

家の掃除も済んでいる。
プロヒーローとしての仕事も納め……はもちろん無い。
が、今日は元旦。昨日休みをもぎ取れたため
元旦にしか集まらないであろうある場所に向かう決意をした。

『行きますか……地獄の親戚の集まりへ』

親戚の子供達へのお年玉の準備はOK、増えていなければ足りる……はず。



ーーーーーー

『私が来た!!!なんてねーーー』


「あっ!!!!姉ちゃん!!!」
「ねねが来た!!!」
「ねぇね!!ねぇね!!!」

なんと私、人気者である。
親戚の集まりの連絡は来ていたが、行けたら行くという返事に皆100%来ないと思っていたのだろう。
あら、母さん父さんも驚いてる。

「お前、仕事は??」
『今日はとりあえず休み貰ってきたからなにか無い限り大丈夫。あ、あけましておめでとうございまーす』
「あんたって本当、連絡出来ないわねぇ……」

父と母の呆れ顔にごめん、と返し
親戚達の挨拶回りをすると、
活躍見てるよ!!
今はフリーでヒーローだろ??
エンデヴァーのサインって貰える!?
など、まあ出てくるミーハー発言。
慣れてるし私もオールマイトオタが近くにいるから
ミーハーみたいな立ち位置にいてしまうけど。

愛想良く交わし、祖母の元へ向かう

『ばーちゃんあけましておめでとう。』

「ん!」

にぱっと笑う祖母を見て、今年も元気なことを確認したあと、
親戚の輪から離れる。
両親が何か言ってくれたのか親戚達からは何も言われなかった。

子供たちにお年玉を渡すと、元気な質問攻めが始まる
ショートってやっぱりカッコイイ!?
デクのがカッコイイよね!?
ダイナマイトが1番だよな!?
1番強いヒーローは誰!?

『……一番かっこいいのはここにいる姉ちゃんに決まってんじゃん!!』

お茶子ちゃんの能力で子供たちを浮かせると、
子供たちは大はしゃぎで喜んだ。

降ろすとまた質問攻めが始まるので泣くまで降ろすのやめようかな、なんて意地悪なことを考えていると
電話が鳴る。
個人の電話ではなく、仕事用だ。
一旦子供たちを降ろし電話の表示を確認すると目をつぶりたくなった

『……はい、』

“あけましておめでとうございます。ホークスです。”

『おめでとうございます。で、何でしょうか。』

“そんな嫌な声出さなくてもいいじゃないですかーーー”

『要件は』

“追ってた事件のアジトが分かりました。制圧するのに人員集めています。”

『……行きます。場所のデータ送ってください』

“その心配ありませんよ”

「俺が案内しますから。」

スマホと外から二重に声がし振り返るとホークスがベランダから顔を覗かせていた。

『ここ2階なんですけど』

呆れる私の声を後ろに、しんっと静まり返った親戚一同。
大人しいな?と振り返ると緊張して固まっていた。
あら子供たちまで。

『姉ちゃんが今度あんたたちが大好きなヒーローのサイン貰ってきてあげるよ』

と言うと、子供たちはもじもじしながら高速で頷いてて笑った。

『誰がいい?』

「ほくしゅ!!!」

いちばん小さい男の子がホークスを指さした。

「俺??ありがとう。今書くよ。色紙ある?」

『あるわけないでしょう。ちょっと待って作るから。』

やおももちゃんの能力って便利だなぁと有難みを感じつつ、色紙を生成する。
それを受け取ったホークスがサインをし、羽を使ってその子を宙に浮かせるなどのファンサをし
わたしの家族の元へ

「ベランダからすいません。元旦なのですがヒーローの仕事に休みがなく…我々が至らぬ為娘さんの力をお借りしたくお迎えに来ました。この仕事が終わったら休めるように上の者に掛け合うので、御容赦ください。」

なんか

なんか





すんごい丁寧なホークス初めて見た。



なんだかこっちが小っ恥ずかしい気持ちになる。

『ホークスさん行きましょう。』

「お父様、お母様、近々またご挨拶に行くのでよろしくお願いします。」

『何言ってんですか。早く行きますよ』

「失礼します。」

『今日多分こっち戻れないからまた連絡するね』


唖然としている親戚たちに挨拶をし、
ホークスの能力コピーで共に現場に……

『って私今ヒーロースーツ持ってないですよ。』

「服も作ればいいんじゃない?」

『コピー能力って万能だけどすんごい疲れるんですからね』

「まあまあ。あ、今年もよろしくね」

ニコニコするホークス。本当に何を考えているか分からないし、
私個人の家や実家ならともかく親戚の家に来ることに対し違和感と若干の恐怖を持ちつつ
元気に元旦から組織の壊滅へ向かおうと思います。


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hrak
補足
ヒロインの個性:パーフェクトコピー
触れた人の個性をそのままコピーし何度も使うことが出来る
しかし1日に使えるコピーの上限は限られている



新年




12/31/2023, 11:59:56 PM

ー先生、20代男性集団意識不明で応援要請ですー

年末年始なんかクソ喰らえだ。
原因不明、アルコール臭無いが、道で倒れるコスプレイヤー?大道芸人?が運ばれてきたらしい。

全く迷惑な話だ。
今まで人を助ける、なんて息巻いてきたのは何年前だっただろうか。
24時間、年中無休で休みもろくに取れずによく働けてるって自分を褒めたい。
おかげで婚期を逃し続けている。

車を走らせて病院に到着し白衣に袖を通す。
ERに向かうとベッドが全てそいつらで埋まっていた。
1人1人確認すると

「……寝てる?」

血液を検査に出してもらうと正常値
心拍、血圧ともに安定、意識が無いだけで他はなんともない。
なんとも迷惑な患者共だった。
16人もいるし。ただ不可解なのが強く呼びかけても全く反応がないことだった。

「……年末で患者退院しててベッドは空いてるから、一般病棟に移して。起きたら状態確認するから。」

看護師に指示を出し精密検査の結果をもう一度確認する。
……やはりなにも問題は無い。
救急隊の話によると、通報者も不明とのこと。
なんだこの嫌がらせは。


なにか急変するものでもないが、仕事場に来てしまったし
自分の患者のカルテチェックをし、巡視をしてから帰ることにした。
巡視なんて看護師の仕事だが、年末仕事に入ってしまった看護師の負担軽減が少しでも出来れば、なんて思ったりもした。
邪魔なだけかもしれないけれど。
巡視を快く許してくれた看護師さんたちはやつれていた。
年末にお仕事、お疲れ様と飲み物の差し入れをすると可愛い白衣の天使スマイルを送ってくれた。
ありがとう。


「……こえーな、いつも看護師さんはすごいよ」

明かりはついているけど、夜の23時。消灯時間のため薄暗いため、怖い。

「ここで最後、か」

一通り問題なく巡視が終わり、最後は救急搬送されたあの16人の部屋。多すぎて8人ずつに分けた。
一部屋目、全く音がしない。一人一人、バイタルのチェックをしていくが、やはり問題はない。
さっさと帰ろう。
二部屋目に移り、一人一人バイタルのチェックをしてると呻き声と布団の擦れる音が聞こえた。

起きた?どいつだ?
声のする病室のカーテンを開けると白と黒の髪が混じった男が苦しそうに呻いている。

「大丈夫ですか?聞こえますか?」

肩を叩くと微かに目を開けた。

「よかった、ここわかりま「……主様……」は?」

「ようやく……見つけました、主様……」


手を握られ、指輪を嵌められて俺の意識は沈んだ。
遠くから新年の花火が打ち上がる音が聞こえた。


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aknk



あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします。

11/9/2023, 1:04:20 PM

「…っ…ごめんなさい…お母様……」

ほかの執事たちが貴族のパーティーで出払ってる時に
何かに打ち付ける音がしてそっと音のする方へ向かう。
部屋の扉をそっと開けて中を覗くと、自らの手で鞭を持ち、自身の身体に打ち付けているアモンの姿があった。

脳裏に焼き付いて離れないとはこの事だろうか。


あれからアモンを見るとあの光景がフラッシュバックして、涙が出るようになり、アモンを自然と避けるようになった。
アモンのことは嫌いじゃない。寧ろ大好きだ。けど、なんて声を掛ければいいか分からない。
アモンはそんな私を見て「俺のこと、怖いんすかね~」
なんて、おちゃらけたように言っていたが悲しそうに笑っているのがわかる。
怖い訳では無い、でも、貴方がどうすれば救われるのか私にはまだ答えが出ないのだ。

11/8/2023, 9:31:27 AM

あなたと私

11/6のつづきで書きます

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