ゆんたろす

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ー先生、20代男性集団意識不明で応援要請ですー

年末年始なんかクソ喰らえだ。
原因不明、アルコール臭無いが、道で倒れるコスプレイヤー?大道芸人?が運ばれてきたらしい。

全く迷惑な話だ。
今まで人を助ける、なんて息巻いてきたのは何年前だっただろうか。
24時間、年中無休で休みもろくに取れずによく働けてるって自分を褒めたい。
おかげで婚期を逃し続けている。

車を走らせて病院に到着し白衣に袖を通す。
ERに向かうとベッドが全てそいつらで埋まっていた。
1人1人確認すると

「……寝てる?」

血液を検査に出してもらうと正常値
心拍、血圧ともに安定、意識が無いだけで他はなんともない。
なんとも迷惑な患者共だった。
16人もいるし。ただ不可解なのが強く呼びかけても全く反応がないことだった。

「……年末で患者退院しててベッドは空いてるから、一般病棟に移して。起きたら状態確認するから。」

看護師に指示を出し精密検査の結果をもう一度確認する。
……やはりなにも問題は無い。
救急隊の話によると、通報者も不明とのこと。
なんだこの嫌がらせは。


なにか急変するものでもないが、仕事場に来てしまったし
自分の患者のカルテチェックをし、巡視をしてから帰ることにした。
巡視なんて看護師の仕事だが、年末仕事に入ってしまった看護師の負担軽減が少しでも出来れば、なんて思ったりもした。
邪魔なだけかもしれないけれど。
巡視を快く許してくれた看護師さんたちはやつれていた。
年末にお仕事、お疲れ様と飲み物の差し入れをすると可愛い白衣の天使スマイルを送ってくれた。
ありがとう。


「……こえーな、いつも看護師さんはすごいよ」

明かりはついているけど、夜の23時。消灯時間のため薄暗いため、怖い。

「ここで最後、か」

一通り問題なく巡視が終わり、最後は救急搬送されたあの16人の部屋。多すぎて8人ずつに分けた。
一部屋目、全く音がしない。一人一人、バイタルのチェックをしていくが、やはり問題はない。
さっさと帰ろう。
二部屋目に移り、一人一人バイタルのチェックをしてると呻き声と布団の擦れる音が聞こえた。

起きた?どいつだ?
声のする病室のカーテンを開けると白と黒の髪が混じった男が苦しそうに呻いている。

「大丈夫ですか?聞こえますか?」

肩を叩くと微かに目を開けた。

「よかった、ここわかりま「……主様……」は?」

「ようやく……見つけました、主様……」


手を握られ、指輪を嵌められて俺の意識は沈んだ。
遠くから新年の花火が打ち上がる音が聞こえた。


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aknk



あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします。

12/31/2023, 11:59:56 PM