heart to heart
今日は英語か、toの意味は複数あるのでお題にあった訳し方で書こうと思う。
toの意味をGoogleで調べてみると「〜のために」と記されていた。
heartは心 toは〜のために 心のために、、、
心がつく漢字は愛国心、愛心、愛着、悪心、遊び心などがある。
自分の国を愛する愛国心
子供や大切な相手に湧く 愛心
意中の相手に思いを馳せる 愛着
自分の知恵である考え方を賢く使う 悪心
子供のように幼き心を思い出す 遊び心
そして私がこの題名をみて調べた上での解釈は
自分の心と相手の心と訳す。
人との繋がりとも解釈できる。
学校、会社に関わらず国をも超えて今は繋がることが
出来る。
便利な世の中である。
人と人が出会い情に変化が起きて初めて同じ景色を見ることが出来る。
情とは違う自分を優しく包み込むために使う「to」
使い方は人それぞれだがどれも味のある使い方が出来そうだ。
疲れた時は心が喜ぶことをする。
食べる、遊ぶ、話す、子供のように、、
無邪気になる事も時には必要。
大人という肩書きもあくまで世間体から見て自分を演じるための道具に過ぎない。
まずは自分の心の為に出来ることを一番に考えこれから出逢う先々で相手の心を生き方や言葉で揺さぶれる人になりたいと心から思う。
永遠の花束
俺はもうすぐこのクラスの担任を辞める。
辞めるというか正式には生徒たちが卒業するまでの間
教師としての仕事を全うするといった方が正しいだろうか。
俺が担任として生徒達になにかしてあげられる事といえば1日1日を生徒達といつも通りの学校生活を過ごし教師として生徒たちの成長を見届けてあげることしか出来ることはないのだと。
新任
初めてこのクラスの担任を受け持った時のことはよく覚えている。うちの高校は全学年を通して3年間クラス替えがなく、担任も変わる事が無い。
校長の新たな試みだ。正直新任でこの高校に入った俺にとってはとてもありがたい制度だった。
更に俺はここの卒業生だった事もあり校舎のことはよく知っている。
どんな生徒達に会えるか胸を踊らせながら扉の前で深く深呼吸をし手をかけた。
縁の巡り
生徒たちは全校集会が終わるとゾロゾロと教室に帰っていきおもむろに話し出す。
そこへ生徒達の声よりも一際大声で呼びかける1人の先生の姿があった。
そう、その先生こそ学生時代にお世話になり、先生を目指すきっかけになった人だ。
「静かに!今からクラスの担任をお呼びします。」
「3年間を一緒に過ごすので粗相がないように」
「では、お願いします。」
その声に俺は今更ながら緊張してきた。
「落ち着け、俺」
そう言い聞かせドアを開ける。
「ガラガラガラ」
とたんに教室がシーンとなり俺の動く音のみ響く。
「コツコツコツ」
口から心臓が飛び出そうになるのを必死で抑える。
教壇の前に立ち恐る恐る顔を上げると色んな生徒達の
顔が見えた。
俺は1人1人生徒たちの顔をしっかり見ながら
「今日から3年間お世話になる〇〇です。新任で不慣れな部分はありますが宜しくお願いします。」と自己紹介をした。
新たに始まる教師生活。不安はあるがそれと同時に少しだけ楽しみでもあった。
経験
それから俺は目まぐるしい教師生活を送っていた。
朝のHRから始まり、授業、クラス運営、生活指導、
進路指導、部活動指導などなど寝る暇も惜しいくらいだ
学生の時には知らなかった事実だが他の先生達をみると生徒たちとの時間もしっかり確保出来ているようで俺はレベルの違いを感じながら尊敬の眼差しで見ていた。
卒業
明日で卒業か、俺は職員室に座り最後の資料に取り掛かっていた。
卒業証書だ。 他の先生達は業者に頼むというが俺はどうしても生徒達に伝えたい事があり手書きで取り組むと決めていた。
最初生徒たちの俺への印象は良くなかった。
授業を教えるが説明が伝わらずほぼプリントの問題を
解かせた授業が多かった。
また生活指導で初めて知ったが髪の毛が元から茶色系の子がいるのを知らず怒鳴り、反省文を書かせた事もあった。
今では生徒達に良い距離感で話せてはいるし、授業も分かりやすいと言ってくれる生徒まで居るほどになった。
それだけではなく生徒達に自分自身が気づきをもらえたり成長させられた部分が数多くあった。
卒業式当日
俺は朝早く起き職場で最後の仕上げに取り掛かっていた。ふと窓の外を見ると生徒たちが登校してきていた。
「あっ、もうこんな時間か、、」
生徒たちにとって今日は最後の登校日。
いつもの通学路、友達とのたわいもない会話。
何気ない日常が一瞬にして終わりを実感する瞬間は俺にとっても心にくるものがある。
永遠の花束
卒業式が終わり生徒たちと教室に戻る。
「席に着け〜最後のHR始めるぞ」
俺が生徒たちに呼びかける。
既に泣きそうな顔をする生徒達の顔を見ながら俺は教師としての仕事をこなす。
「卒業証書を配る」
「呼ばれたものは前に来るように」
俺は一人一人生徒の顔を心に刻みながら丁寧に名前を
呼ぶ。
「〇〇〇、〇〇〇」
「はい!」
最後の生徒に卒業証書が渡る。
「卒業証書 〇〇〇、〇〇〇 以下同文 卒業おめでとう!」
読んでる最中に手が震える。
あぁ、、これで俺の役目は終わりか。
とても濃い3年間だった。
俺は最後に生徒たちに向けて用意していた言葉を発する直後ある一人の生徒が口を開いた。
「先生、私達から渡したい物があるんです。」
そう言うと生徒たちは机の横にある白い紙袋から一人一人1輪の花を取り出しその子の元に集まっていく。
やがて大きな花束になり俺の共へとやってくる。
まさか、、、
「先生、3年間ありがとうございました。」
そう言うと生徒全員が「ありがとうございました」
と俺に向かって頭を下げる。
その光景に込み上げてきた熱いものが溢れる。
生徒達から俺は最後で最後の永遠である花束を受け取り生徒一人一人の顔をしっかりと見る。
その顔には以前の幼さはなく決意に満ち溢れて成長した大人の顔だった。
俺は最後に生徒たちに向けてメッセージを送る
「卒業おめでとう」
春の風がやさしく教室をつつむ、卒業生を祝福するかのように、、、
優しくしないで
優しさは時に自分自身さえも傷つける。
優しさの種類は多くある。見て見ぬふりも優しさだと思う人、発言することで相手に気づかせてあげる不器用ながらの優しさもある。それらは全て自分の中での最大限の優しさで相手と接し会話を通じて仲を深めてきたのだろう。
海外の方から見ても日本人は律儀であり優しすぎると
評判がいい一方で悪につけ込まれやすい、優しさの過剰売りだと捉える方もいた。
ある人から「貴方の無意識な優しさは私の感情を強く揺さぶる。好意がないなら優しくしないで」
と言われたことがある。
人から嫌われるのを恐れて八方美人と言われた私の心にこの言葉は深く刺さって抜けなかった。
人は誰しも嫌われたくは無いが、自分が好きでもない人にも好意を持ってほしくない。
人間とは実に欲深く、わがままだが1周回ると案外
そうでも無いかもしれない。
素直な人になりたい。でも嫌われたくもない。
その感情は間違ってはないが、時として人を傷つける
ことには変わりない。
自分が思う優しさと世間が求める優しさにズレはあるが少しづつでも歩み寄れたらいい。
ずる賢く、誠実に生きていきたいと心から思う。
隠された手紙
これは私が生前生きていた時の話である。
居心地
「ミルク〜おいで」私の名前を呼ぶ声がした。
声の主は私が大好きな飼い主の声だ。
私は首だけ顔を上げ眠そうに「にゃ〜ん」と答える。
今日の日差しはとてもポカポカしている。
「ゴロゴロ」と喉を鳴らしまた眠りにつく。
こんなに安心できる場所だと最初は思っても
みなかった。
出会い
私はいわゆる捨て猫だ。前の飼い主の管理が悪くほぼ無法地帯状態になっている所に今の飼い主が運良く引取りにきたのだ。
元々身体が弱く他の子達よりも小さかった。
ご飯もろくに食べられず餓死寸前で拾ってくれた飼い主にはとても感謝している。
今ではすっかり丸々なお腹になって逆に動きずらいとも感じる。
ダイエット必要かな、、、
日常
飼い主は毎日が忙しそうだ。青の服に身を包み餌を食べる。そして重たい箱をもって「行ってきます」と出掛けている。
私はその間構って欲しくて飼い主の足に引っ付くがいつも「また後でね」と剥がされてしまう。
私みたいにゆっくりすればいいのにと寝転びながらお得意のゴロゴロと喉を鳴らす。
今日は隣近所の子と久しぶりに会う。
1週間前位に大きな箱に行ったっきり戻ってきていないが最近の情報によると今日戻ってくるようだ。
毛繕いをしいつもの場所に集まる。
報告
「久しぶりね」そう私は声をかけあの子に頭を擦り付けると
「やっと帰ってこれたよ」とあの子も同じ動作をする。
いわゆる人間の挨拶みたいなものだ。
話を聞くとどうやら足の調子が悪く大きな箱の中で
毛がないものに見てもらってたらしい。
「ところでお前さんの方は大丈夫かい?」
「心臓の鼓動が弱いみたいだし」
そう言いながらあの子は労わるように私に毛繕いを
してくれた。
心臓は産まれた時から悪いのを拾われた時の検査で分かっていた。
飼い主は色々手を尽くしてくれていたので痛みは収まったように思えたがここ最近痛みが酷くなっていくのと同時に先は長くないと感ずいていた。
私が精一杯出来る事といえば沢山甘える事だ。
思い
私は飼い主に拾われてから幸せな3年間だった。
元々1年しか生きられない命を色んな人の手を借りて助けてもらった。もう十分すぎるくらいに、、、
飼い主のキラキラした笑顔が大好きでいつも傍にいたかった。
飼い主が悲しい時も寄り添い
飼い主が笑えるようにイタズラを仕掛けたり
1日、1日がとても楽しく大切な日々だった。
私は飼い主が好きなお花を見つけに最後の力を振り絞って出かけた。
その花はハーデンベルギア 可愛らしい紫のお花だ。
隠された手紙の意味
「お母さんミルク見てない?帰ってきてないの」
ミルクを捜索し始めて1週間前
こんなに帰ってこないのは初めての事だった。
なにか事件に巻き込まれてないか心配で夜も眠れずに
探し続けていた。
そんなある日私は塀の上に1本の花が置いてあるのを
見つけた。
「えっ?こんな所に花?」
それは私が大好きなお花でもありミルクが毎回私のためにくれる大切なお花だった。
私は瞬時に分かった。
ミルクからの最後の手紙なのだと。
大粒の雨が頬に流れ落ち止まらなかった。
私は花を握りしめ名前を呟く。
「ミルク、、」
私の想いを全て伝えれるかどうか分からない
でも伝わるように呟く。
「大好きだよ、貴方のこと忘れない」
「これからもずっとずっと一緒だからね」
そよ風が髪を撫でるように優しくふく。
ふと後ろで「にゃ〜ん」と鳴いた気がした。
私は振り返らず「ありがとう」と心の中で思う。
ミルクは私にとってとても大切な事を教えてくれた
そんなミルクの分までしっかり生きようと決意し
その場を後にした。
これはフィクションです。
バイバイ
これはまだ私が幼き頃の話です。
出会い
「わぁ〜可愛いお人形さんだ!」おもちゃコーナーの棚にあるクマのぬいぐるみに目を輝かせている子供は私だ
年長さんを卒業して春から小学校にあがる。
今日はママと一緒に近くのスーパーで買い物をしに来ていた所だ。
もちろんお気に入りである星の髪留めとうさぎさんの
音がなる靴を履いて。
「ママー、これ買って」
お得意の上目遣いでママの方を見るが
「この前もお人形買ったでしょ!返してきなさい」と
怒られてしまった。
「ヤダヤダ、この前の子とは違うもん」と拗ねながら
必死に抵抗する。
それに見兼ねた母が口を開く。
「もうすぐお姉さんになるんでしょ」といいお腹を
さすった。
そう、もうすぐ妹が産まれるのだ。ママとパパはここの所妹が産まれる準備で大忙しで構って貰えないのでいつも部屋の中一人でお人形と遊んでいた。
「お人形独りだと寂しいもん、、、」
「これで最後にするから」と幼いながらに考え、出した答えを母は感じたのだろう。
「分かった。持ってきなさい」と渋々承諾してくれた。
この出会いが私を大きく変えたのは少し先の話である。
母親の使命
「ただいま〜」
今日は久々に長期休暇が取れたので実家に帰省しにきていた。
「おかえり、長旅で疲れたでしょ、ゆっくり休みなさい」
母は歳はそれなりにとったがまだまだ元気そうで安心
した。
ご飯を食べ、母と話しながら思い出話に花を咲かせていた。ふと母が昔私が産まれた時の話をしてくれた。
生まれた時はかなり命が危険な状況だったらしいのを
大人になって初めて聞かされた。
通常赤ん坊の体重は3000gだか私の場合2500未満で緊急を要するため集中治療室の中に入り管で命を繋いでいる状況だった。
そんな状況もあり、親は当たり前だが必要以上に過保護に育ていくしか不安を拭えなかったのだろう。
母は妹を身ごもった時も不安そうな顔をしていた。
私みたいにまたなるのではないかと毎日神様に祈っていたほどだ。
母の不安を考えるも私は到底想像することは難しかった。
寂しくない
家に帰り早速お気に入りのお人形達と先程買ったクマのぬいぐるみを抱えおままごとごっこをした。
「あなたはパパ役ね」
「あなたは犬役」
「私はうーんとそうだお姫様役だった」
そう言うとパタパタと走って行きパパが作ってくれた
お姫様専用のタンスに手をかけた。
中にはカラフルな色のドレスがあり中でもお気に入りであるピンクのプリンセスドレスに着替える。
「あっ、忘れてた」
そう言うとストローとおもちゃの星を自分で組み合わせて作ったものをもちくるんと回ってみせる。
あのクマのぬいぐるみが来てから私は寂しくなかった。
どんな時でもクマのぬいぐるみを連れて歩いたしママにも話せないお話も沢山した。
そのおかげで元々引っ込み思案な私は話せるようになり
いつしか私の中で欠かせない大切な物になっていった。
思い出
アルバムの写真をめくりながらふと1枚の写真に目が
留まる。
その写真にはクマのぬいぐるみを大事そうに抱えて笑顔で写っている私の写真だった。
「懐かしいな、クマのぬいぐるみ!このぬいぐるみ抱き心地良かったんだよね」そう呟くと
ちょうど台所で食器を洗い終わった母が
「そうそうあんたずっとこのぬいぐるみ離さなくて
大変だったんだから」と笑いながら話してくれた。
けじめ
月日は流れついに妹が生まれる日が1週間後に迫ったある日母から妹のおもちゃを選んで欲しいとおもちゃ屋さんに付き合わされた。
幼かった私は母親を妹に取られることが気に入らなかった。特に許せなかったのは何より今までくれていた愛情が得たえのしれないものに向けられるのがたまらなく
ムカついた。
おもちゃコーナーにはアンパンマンのボールやミッキーのぬいぐるみ、積木などがありどれも私が買ってもらっていないものばかりだった。
でも気づいていた、いつかこうなることを、、
お姉ちゃんとして妹を守らなきゃって、、
「このおもちゃ欲しい」
いつもの私ならまっさきにねだっていただろう。
ただ今はいつもの私と違う。
小さな手を握りしめ、母親の目を真っ直ぐに見る。
「ママ、私のおもちゃあげていいよ」
その言葉に母は目を見開く。
「えっ、どうしたの?」
ママは心配そうに私を見る。
もう決めたんだ、お姉ちゃんになるって
心の中で強く思う。
「わたしね、もうすぐお姉ちゃんになるしいらない」
「あのくまのぬいぐるみにバイバイする」
家に帰り、私はおもちゃの部屋に行く。
今まで使っていた沢山のおもちゃを妹の為におもちゃ箱に一つ一つ詰めていく。
アンパンマンのお絵描きボード、プリンセスのかんむり、ピンクのプリンセスドレス、うさぎさんの音のなる靴、木のピアノ、手作りの杖
そして片時も離さなかった大好きなクマのぬいぐるみ
私はクマのぬいぐるみを力ずよくギュッと抱きしめた。
涙がポロポロと床に落ちる、、
「バイバイしたくない。けどお姉ちゃんだもん」
口に出し確認する。
バイバイという言葉で表すにはあまりにも幼い私にとっては辛いものだった。
妹にあげるおもちゃ箱をもって私は母に渡しに行った。
母は今まで通りの優しい笑みで
「ありがとう、〇〇」と抱きしめてくれた。
途端に今まで我慢してたものが溢れる。
私は母に抱きつきながら泣きわめいた。
今まで子供だと思っていた子はいつの間にか私が思っていたよりもとても大きく成長していたと母は語った。
感謝
「そうだ、あんた身体の方は大丈夫かい?」
「男の子だからよくけるでしょ」
母は私のお腹を擦りながら言う。
そう、私はもうすぐ2人目が産まれる。
まだ私には母親として多くは語れない部分はある。
ただひとつ言えるのは1つの別れはとても大きな成長に
繋がるという事そして命を授かるのは奇跡なんだということ。
幼き頃に経験したことで成長できた私は今母親として第2の人生を歩もうとしている。
この子達が巣立つまで母親が私にしてくれた事をこの子達に出来るように大きな心で包み込んであげよう。
そう私は思いお腹にいる我が子の鼓動を手に感じながら微笑ましく笑う。
フィクションです。