時雨

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2/3/2026, 12:50:15 PM

100年先も
シワシワの暖かい手の温もりを隣で感じる。
病室に横たわる君は先にお迎えがきたようだ。
私は微笑みながら温もりが消えいくその時まで手をにぎり言葉を紡ぐ。


「あなた、、あの時のやくそく覚えているかしら。」
今の君は私の言葉を聞いているか分からない。
だけど伝えたくてその一心で語りかける。
「約束、、、、、叶えてくれてありがとう。」


私達は青い果実。
君の姿を日々、目で追いながら想いを育むワタシと。
君のふとした時の儚さや笑顔の奥にある芯の強さに心惹かれながらも初めての感情に戸惑うボク。


想いを馳せる先に見えた応えは貴方が背負うには重すぎてないかとても心配だった。


だからこそ私達は約束を交わした。


「100年先も、、、一緒に歩めるように、、、」と


心電図に写る線が穏やかになっていく。
私の手を握る力も緩んでいく。
君の目が幸せそうに細く永くなっていく。


一緒に100歳まで生きようと約束したあの日。
君の歳は惜しくも98歳で止まってしまったが、君と過ごした日々は年以上に価値があるものだ。


ふと、君が一瞬私の手を握る。
私も強く、強く、握り返し言葉を贈る。
「ありがとう。私はもう大丈夫ですよ。」


君が笑った気がした。
心電図に静寂が流れる。


私はもう一度、、、

「ありがとう。」と呟き

病室を後にした。





1/31/2026, 9:54:37 AM

あなたに届けたい

汗水垂らしながら接客しているあなたを応援したくて毎回伝票の裏に密かにメッセージを書いていることを。

深夜零時過ぎでもパソコン画面と睨めっこをしている社会人の貴方を応援したくて愛情をたっぷりと込めたおにぎりと珈琲をお盆に乗せて机の傍に置いていることを。

子供が泣き喚いた事を叱りもせず母親の役割として受け入れ長時間なだめ続けていた為、目の下にクマができ疲弊して寝ている貴方を敬いたくてフカフカな毛布をかけてあげ「お疲れ様」と声をかけていることを。

色んな貴方の頑張る姿を人は必ず見ているということを

だから、、そんな貴方に私からお願いがあります。

どうか、、どうか、、、、
一人で抱え込まないでください。

抱えすぎた荷物を一人で取り払おうとすると貴方の精神や耐力を徐々に蝕んでいき暗闇に待っている無心が貴方を道ずれにしようと狙ってきています。

「どうでもいい。」となる前に誰でもいいんです。
SOSをしっかり発信して自分の生を叫んでください。

最後に貴方は生きる価値があります。
その価値はお金よりも大切で尊いものです。
生きる選択は他人ではなく自分自身で決断することに意味があります。


最後に私からお節介を焼かせてください。
貴方には沢山の味方が付いていることをお忘れなく。


それでは、、、、また。

1/24/2026, 11:39:10 PM

波紋(オリジナル)

静かに織り成す水面に、たった一つの水滴を落とす。

その衝撃で、徐々に水紋が広がり表情を生み出している

ある時は、静けさの中に。ある時は荒れ狂う衝撃で。

同じ波紋でも環境や天気が違えば表情の変化を楽しむ事が出来る。

だが、波紋は水だけで表す言葉では無いことは既存の上だろう。
そう、家の紋章でもある「家紋」と日常的に使われる「模様」も波紋の一部である。

家紋を知るには各家庭の先祖にあたる人に聞くのが手っ取り早い。
今で言う大祖母、祖父又はその孫にあたる人達である。
その人達は家紋を大切にしている事が大半であるが故に代々受け継がれていくものに関してとても詳しい。

数ある休みのうち、たまにの休日でいい。
顔をみせつつ自分が育った家柄の家紋について茶菓子を食べながら教わるのも悪くないと思う。

人間の深みとは己の経験とほんの少しの手を借りるだけで驚くほど人としての味が出るものだと私は感じる。


1/21/2026, 12:13:53 PM

特別な夜
肌にベタつく汗を拭いながら男は最後の仕上げに入る。
今まで積み重ねてきた想いを夜空に咲かせて。

3月〜6月 新作の開発に向けて男達は会議を開き各々の想いを白紙に書き出す。
この仕事は前々からの準備が必要不可欠であるのと同時に出来栄えが全てを決める。
形、色だけではなくパソコンでの演出とプログラム設定。更に、早朝からの準備と片付け以外にも不発玉の捜査と撤収など重労働と繊細さが命綱を握っているのも特徴だ。

余りの過酷さに現場を去る者が後を絶たない。
だが、俺は強い信念を持ってここ20年やってこれた。
それはある花火師との出会いが俺の人生全てを変えてくれたからだった。

俺は正直社不と呼ばれるほど中身が無い人間だった
勉強も、運動も
女には愛想つかされ、社会に出れば腫れ物扱い。
最初は真面目にやっていたがそれも意味をなさない扱いを長年受けていたせいか生活は薬に手を出すほど荒れ狂っていた。

そんな時、昔馴染みのある男に飲みに誘われた。
その男とはたまに連絡を取り合うくらいでそいつが結婚してからは会うことも無くなっていった。
久しぶりの連絡に俺は驚いたのと同時にそいつとの世間の差を思い出し留まってしまった。
「今更、何のうのうと連絡してきてんだよ、こいつ」
はぁ、、、、だりっ、、、、イライラしてきた。
俺は、自己嫌悪を忘れる為に近くに転がっていた酒に口をつけ一気に飲み干した。

今思えばキッカケを作ってくれた友人に感謝しかない。

「もうすぐ始まるね!」
「ね〜楽しみだね、今回は特別なものがあるって公式に書いてあったよ!!」
浴衣に身を包んだ女性達が楽しげに会話するのが聞こえた。

俺は「ふっ」と笑い星を詰めた筒に火をつける。

「ヒューーーー、ドン、ドン、パラッ」
夜空に添えるカラフルな赤、緑、黄色、青色。
「バーーーーン、、、、、、チリチリチリチリ」
色や形を変化させ人々の目に焼き付けていく光景は何時見ても地道な作業が報われる瞬間だ。

その景色は蒸し暑い季節に彩りを添え、
見上げる夜空に記憶を刻み、特別な空間を、夜を
提供する事ができる。

まさに夏の風物詩である。
男は仕事を終えると、にこやかな笑顔で缶ビールが入った袋を持ち思い出を一緒に作った仲間が待つ車に戻って行った。
「おーーーい、今日は宴だ。」
「酒を浴びるほど飲むぞーーーーー。」
「まーーた、いってらあいつ笑」
「酒よえーくせによーー笑」
「うるせぇ!!!慣れれば楽勝だ。」

男達の笑い声が夜空に響き渡っていった。

1/21/2026, 4:01:35 AM

海の底
地球は水の面積が約70%に対し陸地の面積は約40%程度に人が立ち暮らしている。
海の底もまた約95%が未解明の謎多き場所。
海に関して現代は昔に比べて解明された謎は増えたがそれにより新しい疑問も増えたと書籍には書き記されているのを目にした事がある。
未知とは魅惑的であり、探究心こそ人間としての活力を生み出すものだと言える。

だが、海底の水を触るには特殊な環境下を経験した人のみ保護スーツを着用した上で安全にが絶対条件だと専門家は言う。
専門家の意見を聞かず手を出すと、低体温は避けられず更には低温火傷といった傷を負うこと、死に至ることを覚悟しなければならない。
君にその覚悟がなければ清く身を引く事をオススメする

だが、好奇心が強い人はせめてもの感覚だけでも味わいたいだろう。
かくにも私も海について詳しく知りたい時期があった。
海の謎に関する手頃な動画をYouTubeから引っ張り出し時間がある時によく見漁ってたものだ。
だが、知識もない状態で素人が動画を見たところでかえって疑問が増えるだけだと思い、特殊な方法ではあるが、図書館で関連の本をみながら動画を聞く事にした。
すると解説動画と同じく自分なりに理解しながらみれて面白いと感じる。

でも海の底にしかいない生き物をマジかで見れる場所があるのはご存知かな?
その場所はとても静かで落ち着く空間だ。
また、海の生物がのびのびと暮らしいているだけでなく実際に愛情を持って世話をしている人が沢山居ると聞く。 その人達に話を聞いてみるのも一つの手かもしれないと私は思う。
だが、決っしてポケットに料理本や捕食する為の道具を持ってくる事は無いようにだけ念を押しとこう。

最後に人間にとって良い情報がある。
それは、海底の音を聞くと高いリラックス効果とストレス軽減効果が科学的にも証明されていると聞く。

人間、誰しも顔が曇る瞬間や疲れが取れないなど体の不調が続く場合も現代は少なくない。
視覚で青い海をみて波の穏やかさに心を踊らせる。
聴覚で海のさざなみや砂の音を聴く。
嗅覚で海水の匂いを感じ自然の大きさを実感する。
味覚で魚達の生命を頂き改めて感謝する。
触覚で海の冷たさや魚の装飾を確かめる

人間の五感を癒す事も時として現代を生きる大事な役割だと私は思う。





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