時雨

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8/6/2025, 11:55:35 PM

またね

またねと声に出ずとも笑顔でこちらを向いて手を振るきみは誰よりも輝いていた。


日常
ほらーー、早くしなさい!遅れるわよ。今日は大事な日でしょ。そう呼びかける君の声を聞き目を覚ます。

洗面台に行き顔を洗う。歯を磨く。髪の寝癖を治す。
普段ならこれでいいだろうが今日は違う。
念入りに丁寧に自分の身なりを整え、クリーニングで洗いたてのスーツに身を包む。顔は平然を装っているが内心はザワザワして気が気では無い。

キッチンには君が忙しそうに朝食を作っているのを横目に食卓につく。普段は新聞を読むのが日課で好きな番組の時間をいつも確認しているのだが、今日は新聞の内容が頭に入らずめくる音だけが響く。
そうこうしている間に君が朝食を持ってきた。
「はーい、お待たせ。今日はなんだか気分が良くて張り切っちゃった。」
そういって出された朝食は食パン、スープ、サラダ、そして鮭である。 君もソワソワして落ち着かないのだろう。

そんな様子をみて私は口を開く。

「君も緊張しているのか?」
すると君は
「そうですね。 ふふっ。
だって今日はあの子の人生で一番輝く日ですもの。」


決意
ふぅーと息を吐き気持ちを落ち着かせ整える。
手を胸に当てると心臓の鼓動が聞こえる。
その瞬間が刻一刻と迫る。

今日までの道のり長かったな。
そう呟くと昨日の親父との晩酌を思い出す。

俺は正直親父が苦手だった。
幼い頃から無口な上に無愛想。更に何事も厳しく育てられたからかもしれない。

だがあの日だけは心が通じる瞬間が確かにあった。
それに、、、ボソッと呟いた親父の言葉。
「頑張れよ、、、」その一言が今の俺を認められた気がした。


成長
「只今より新郎の入場です。皆様盛大な拍手でお迎えください。」
扉が開き白いタキシードスーツに身を包み一回り大人の顔になった息子がそこにはいた。

堂々とバージンロードを歩くその姿にこれまでの思い出が蘇り一筋の涙が頬をつたう。


成長させられたのは私達の方かもしれない。



帰省
今度息子が帰ってくるのを妻から聞いた。
なんでも第3子が生まれるらしいからその報告にだそうだ。
「あの子ちゃんと上手くやってるかしらね〜」
妻はそんな事を言いつつ晩御飯を作りに台所に立つ。

私は「豪華も程々にだぞ。と心の中で伝えた。」
思わず口に出そうものなら俺の分は無しになるからな。

さて、今回はどのお酒にしようか。
あれから息子とはちょくちょくオンラインとやらの画面越しでお酒を交わすような仲にまでなった。
昔では想像できない。
まあ結婚を機に何かが吹っ切れたのかもしれんがな。

そうこうしていると玄関のチャイムがなり、幼い足音が4足聞こえてくる。

「おじぃーーーー。」
満面の笑顔でわしの胸に飛び込んでくる宝物だ。
「おぉ〜よく来たな!」


妻は今日も騒がしくなるわとわしの顔を見る。
わしも妻の顔を見てそれも悪くないなと笑う。

fin















6/11/2025, 7:56:57 AM

美しい

この表現は人工的に造られたものでも奇跡が重なり生み出された自然の賜物でも用いられる。

使い方としては多種多様ではあるが一貫して言えるのは目の前の出来事に安堵や感情を揺さぶれる事に間違いはないだろうか。

それが例え醜く歪んだものであっても1部の人間又は生き物であっても表現の仕方を制限することはあってはならない。

ある小説で美しいと醜いは紙一重という言葉を見つけた事がある。
とても興味深いので読んでは見たが最終的な結論は人の感受性の問題とか何とか書いてあり何とも知らぬが仏状態になったのでここに書き記してみる。


美しいと鬱くしいの表現を正しく使いまた1歩輝きを放てるような生き方をしていきたいものである。

5/23/2025, 10:48:41 PM

そっと包み込んで
ふぁー、私は大あくびをかまし布団の上にいる飼い主にふと目を向ける。

昨日の徹夜でぐっすりなようだ、、、

私は愛しい飼い主の顔の上に肉球を乗せ身体を丸める。

うっ、、

ん?飼い主の声が少し苦しそうだがそれもじきに慣れるだろう。

なんたって私は飼い主の笑顔が大好きだからこそ癒しをあげたいのだ。

いつもありがとうね。

飼い主は苦しそうだが私の頭を撫でてくれた。

私はそれに応えるように「にゃー」となき眠りにつく。

5/22/2025, 10:44:16 PM

昨日と違う私
題名にしては曖昧な表現の言葉だが想像力は膨らむ。
昨日とは違う、、具体的にはどう違うのだろうか。
昨日(過去)よりも成長している?
昨日よりも人格が変わっている?
それともそんなに深く考えずに見た目の話をしている?
真相は分からないが何か内面、外見が変化をしている事だけは分かる。
自分だけが分かる変化だとしても変わっている、成長している事には変わりない。



社会人、学生、老人、子供という立場は日々変化していくものである。
まるでその環境で上手く適応せざるを得ないカメレオンみたいに、、、
世間渡りが上手いといえば聞こえがいいが仮面を被り偽ってるとも捉えられる。

だからこそ素を出せる場所に近い環境を作る必要がある


環境に適応するのも一つの手だが今いる環境を居心地よくするのもストレス軽減の一手だと私は考える。


昨日よりも居心地が良く笑顔が増える場所を。
ストレスなく自分の意見を言え成長が見込める環境を。
見た目、内面の変化を褒める心の余裕を。

過去は変えられる。遅くは無い。
結果は直ぐに出ないが1歩ずつは確実に進んでいる。
焦らず自分を信じ歩んでいきたいものである。
過去の私よりも喜怒哀楽を大切にできる自分を。

雑談にはなるが昨日の私と今の私は変わったことがある

それはお腹の膨らみが少しばかりワガママになった事
くらいである。


5/16/2025, 2:10:20 AM

光輝け、暗闇で
人はみな陰と陽を兼ね備えている。
時に暗闇でさまよい、時に光を求めて動き出す。
輝き方は個々によって変わる。
だがその人の生き方や考え方は暗闇を深く経験した人ほど味が出ると言われるのは何とも世知辛いものである。
挫折を繰り返すのは心を折るほど怖いだろうが一筋の光が見えた先の景色を同時に観ることができる。

夢に向かって努力を厭わない人。
平凡でも1つずつ着実に成果を上げ未来に
期待を寄せる人。
守るべき人がいる事で理不尽に耐えながらも
社会に貢献している人。
何かを失う事を恐れず自分の最大の魅力を発信し
続ける人。
異なる環境下でも輝けるように行動する姿勢は見習いたいものである。

人生に彩りを加えるためみな暗闇の中で必死にもがき光を灯そうと輝きの在処を探す。

多様性が普及してきた今だからこそ個人に焦点を当て暗闇の中にある自分らしさを見つけて行きたいと感じている。


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