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8/9/2025, 2:55:57 PM

(お題と全く関係まりません)



「んで、その魔女を探す策ってはなんなの?」
ミユはそう言いながらおもいっきり立ち上がった。
『策と言っても大したものじゃ無いがな』
いくら魔女と師弟関係であろうと、向こうは相当の実力者。この広い世界で見つけ出す事がどれほど難しいか、容易に想像がつく。
『それにさっきは大口を叩いたものの、そんな便利なものでは無い』
メイダールは静か目に言った。
(じゃあなんだったのよ。さっきの余裕ぶりは)
『ちょ、ちょっとぐらいいいだろう!』
メイダールは咳払いをして取り直す。
『俺の【固有スキル】【魔力視覚】だ。』
固有スキル。確か前にスミスが説明してくれた気がする。この世界に住む様々な生物が持っている個人専用よスキル、、、だっけな。
「固有スキルは分かるんだけど、魔力視覚って、、」
『これは魔力を視覚化するものた』
「それのなにが役立つの?」
ミユはそれと魔女探しななんの関係があるかいまいちわからなかった。それに魔力についてもよくわかっていなかった。
『魔女は常に一体の魔力を体に纏っている。だから魔女が通った道には魔力が少しだが残るんだ。それを頼りに師匠を探す」
「はへー」
魔女って結構ガッツリ【魔】って感じなんだ。体に魔力を纏ってるってなんだか強そうだし、それにそんなのだから強い魔法も打てるってわけか〜。,,,,,そうなのかなぁ。なら、私も今魔女だから体に魔力を纏っているってこと?でもあんまり実感がないな。なんか、こう、もっと、うぉぉぉぉぉぉって感じな気がする様な、、、
『結構ガッツリ魔ってなんだ。とにかく。これである程度、どこへ向かっているのかが分かるはずだ,,,,っておい!聞いているのか!』
ミユの頭の中は魔力のことでいっぱいだった。


7/16/2025, 12:35:31 PM

(お題とは関係ありません)

あれから15分程経っただろうか。ミユはもう立ち上がれるぐらいには回復しており、激しい痛みも殆ど無くなっていた。
「いやー魔女って便利だねー」
ミユは体を捻りながら言った。
『ふん、本来ならそれぐらいの傷、5分もかからずに治る』
「誰が5分で治したのよ」
『師匠』
ミユは呆れた顔になった。ミユから見たらメイダールは師匠こと幻の魔女、レイズに捨てられたか裏切られた様にしか見えなかった。それにもかかわらず、彼は今でもレイズを慕っているし尊敬している。やはり魔女の関係は歪なのか。ミユはそんな事を考えながら腰を下ろす。辺りを見渡してもそこには木しかない。森の中。と、言うには不自然な程静かだった。
「.....傷が治ったら、どうする?」
ミユは空を見上げながら言った。真上に登った太陽が木々を照らしている。葉が生い茂っている為、ミユの所に直接日光が差すことはない。
『そんなの決まってる』
メイダールが力強く答える。
『師匠を探しに行く』

ミユは目を瞑りながら横になった。なんとなく分かっていた。というか分かりきった事だった。彼にも腑に落ちない事が沢山あるのだろう。尊敬する師匠から突然突き放されたのだ。それにミユも彼女に用がある。自分をとっとと人間に戻してほしい事だ。彼女はなぜか知らないが、魔女狩りの入隊試験中だったミユを攫い、魔女の権限を与え、メイダールの意識を移した。魔女の権限を持つ事すなわち、魔女になる事だった。はっきり言って迷惑だった。魔女は世間の嫌われ者。村や小さな町を襲っては多くの人間やモンスターの命を奪ってきたらしい。自分がそんな魔女になってしまったら碌に街も出歩けない。すぐ魔女狩りに捕まり、火炙りや串刺しにされるだろう。ミユはまだ異世界転生してやってきたこの世界を堪能していない。チート能力も無ければ、強力な仲間もいない。のんびりスローライフも一国を築く事もできてない。それらを楽しむ為には第一に魔女から人間に戻る事が必須だ。
「私もアイツに会って話したい事が山ほどあるからね。賛成〜」
ミユは空を見た。風が吹いていて草木が揺れる。揺れる葉の間からたまに太陽が見える。
「でも、どうやってアイツを探すの?」
『俺が案無しに何かを提案すると思うか?』
メイダールは少しニヤけたような気がした。

7/14/2025, 11:49:22 AM

(お題と全く関係ありません)


ミユの体はそのまま木々へと落ちていった。どうしたらいいか分からず、また恐怖で包まれたミユの体を木の枝がグサグサと突き刺しては引っ掻いてくる。痛い。たがそれらは長くは続かなかった。しかし安心する暇もなくミユの足に強い衝撃が走った。ミユはそのまま体勢を崩し、頭から思いっきり地面に倒れた。勢いよく倒れたのでそこら辺の草に血が少し飛び散った。
「ハァ...ハァ......ハァ..」
無事とは言えないが、ミユは地面に着く事ができた。
『.....お前、なかなかやるな』
メイダールが少し感心したように言った。脳から直接聞こえてくるが、今のミユにその言葉は届いていなさそうだった。
「ハァ....ハァ....骨...折れて..ない?」
ミユは全身切り傷だらけであったが、それよりも足が心配だった。いまだに強く痛む足に少し目をやると、なんとなくだが腫れているような気がして冷や汗が止まらない。
『症状的には折れてるな。でも安心しろ。魔法を使った時の感覚を覚えているか?』
「ちょっとは」
ミユはなんとかメイダールと意思疎通できるぐらいには冷静になれた。
『あの時は魔緑を手に集中させたな。今度は折れてそうな部分に魔力を集中しろ。』
「それで、どうなるの?」
『治る』
ミユは今まで息があがっていたが少し固まった。それから5秒ぐらいが経った。
「は?」
『びっくりした。死んだかと思った。』
「治るの?それで?」
『あぁ、魔女は体全体に魔素が流れている。血管を伝ってな。魔素を足に集中させれば魔素が破損した所を再生してくれる。』
「なんでそんなことになるのよ?」
『詳しい説明は後でする。今は魔素を足に集中させろ』
ミユは折れているであろう足に意識をやった。魔法を使った時、手に一気に力が湧いてくるようなあの感覚を思い出しながら。
「....」

少し時間が経っただろうか。一向に足の痛みがなくならない。
「....ねぇ、これ本当に治るの?」
いくら魔法とは言えそんな器用な事が自分に出来るのだろうかと、不安になってきたのだ。
『...?今治っているじゃないか』
「は?どこが」
視線を足にやると、確かに腫れは少し小さくなっていた。

7/5/2025, 8:49:08 AM

なびく髪、暴れる袖、開けられぬ口。ミユは体全体で風を切っていた。しかしただ風を切っている訳ではなかった。
(ギャァァァぁぁぁぁ)
ミユはターザン状態で風を切っていたのだ。
森の中、ミユは追いかけられている白い巨体熊から逃げるため、魔法で作られた蜘蛛の糸をロープにして向こうの崖に繋ぎターザンのようにして渡っていたのだ。
(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ)
『安心しろ!これぐらいで魔女は死なん!』
(お前、私の考えていることも分かるんか!!)
ミユの体は下の森の中へ突っ込んでいき木々にぶつかるスレスレで飛んでいる。少し足を伸ばせばおもいっきりぶつかる距離だが、足を伸ばすことを考えるほどミユには余裕がなかった。そんな中ミユはとある事に気づいた。
(ねぇ、このままじゃ崖にぶつかるよね?)
蜘蛛の糸は崖のに繋がれてある。そのまま飛んだら勿論崖の方へ向かって行くので、崖の着地できる場所に着く前に崖の岩壁に正面衝突してしまう。
『そうだな』
メイダールは当たり前に思うように答えた。
(なんでそんな落ち着いてんの。ってことはさこのままじゃ私、、、、)
『死ぬな』
(やっぱ死ぬじゃん!!!!)
ミユは一気に青ざめる。崖におもいっきりぶつかったことは一度もないが、物凄く痛いこと、ただでは済まない事は難なく想像できた。そして何より【死ぬ】という言葉が脳内を駆け巡って暴れていた。
(どどどどどどうすんの!!!)
『岩壁にぶつかる直前、そこが一番地面に近づくタイミングだ。その時のちょっと前に飛び降りる。以上』
(あんた、自分がしないからってそんな淡々と、、、)
岩壁まで半分を切っていた。ミユがサッと下を見ると地面まで大体3メートルぐらい離れていた。ミユは色々悟った。
(ねえ、これ高さ足折れない?)
『安心しろ魔女はその程度では折れん』
(ほ、本当に、、、)
『それに岩壁と全面衝突するぐらいなら足を折る方がマシだろ。』
(そ、そうだけど)
『とにかく、覚悟決めろ。タイミングは俺が言う。』
ミユは正面を向く。岩壁まで残り20メートルほど。まだ距離はあったが飛び降りないという選択肢はもはや無かった。ミユはおもいっきり鼻から息を吸う。長くゆっくり。そして口から息を吐く。岩壁まで10メートルを切った時
『今!!!』
メイダールが言った。それと同時にミユは糸から手を離した。

6/17/2025, 10:08:49 AM

『ミユ!!お前魔法を使え!!』
「そそそ、そんな事急に言われたって!」
大きな崖を前に立ち尽くすミユ。後ろには巨大な白いクマがとんでもないスピードでやってくる。クマは周りにある木々を押し除け、薙ぎ払い、切り倒してからミユ一直線に突き進む。ミユにゆっくり判断させる時間はなさそうだ。
『いいか!今からやり方を教える!!』
「別にやるって言ってないけど!!!」
ミユは少しキレ気味で応えた。
『今からお前は魔法で蜘蛛の糸を出して向こうにある崖まで渡る!!』
「りょ、了解!!」
向こうの崖はここから25メートルほど離れた所にあり、しかもかなり下の方にある。ミユは少し震えた。
『まずは頭に10の数字と魔素を思い浮かべる!』
「はい!!」
ミユは目を瞑って10という数字と、魔素?まぁ、よく異世界転生であるあの魔素だろうと思ってそれを頭に思い浮かべる。それにミユは一度光魔法【シャイニング】を使った事があるので、魔法の出し方は何となく分かっていた。
『そして次!数字を3と7に分けて、3には強度。7には距離を思い浮かべろ!』
「すみません!!よく分かりませんでした!!」
『糸の強さ:糸の長さ、3:7ぐらいの感覚で!!なんとなく!!』
「オッケー!!」
ミユはなんとなくで強さと長さを3:7ぐらいを思い浮かべた。クマはもう眼前まで迫ってくる。あまり時間がない。
『そして、あそこの崖の地面辺りに利き手を伸ばせ!!』
ミユは崖の地面辺りに目線をやり、そこに右手を伸ばした。
『最後!!自分が蜘蛛の糸を出してあの崖の地面まで繋ぐ事を想像しろ!!』
「分かった!!!」
ミユは想像した。自分の手から蜘蛛の糸が崖の地面まで伸びていく事を。それはまるで今までライトノベルの中で見てきた光景だ。
『今から魔法を使う!!そのとき絶対に強くするな!!軽めにふわふわとした感じで!!絶対な!!』
「う、うん?まぁ、分かった!!」
ミユは軽く、ゆる〜く右手に力を入れた。その瞬間ミユの手から魔方陣が展開されて、その中心から蜘蛛の糸が飛び出した。
「うわっ!マジで出た!」
その糸は長く長く伸びていき、遂には崖の地面まで伸び、くっついた。
『飛べ!!!』
クマが大きく手を振りかざしミユめがけて腕を思いっきり下ろす。それと同時に。ミユは咄嗟に魔方陣にある糸を掴み、崖から身を投げた。ミユはターザンのように綺麗な放物線を描いて向こうの崖へ飛んでいった。

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