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1/5/2026, 1:08:12 PM

(お題と全く関係ありません)


あれから何時間ぐらい歩いただろう。時々メイダールに魔法を教えられながら景色の変わらない森の中を歩いていたと思ったら、急に木の背が高くなった。きっと30階建てぐらいのビルレベルはある高さの木々が森を覆うようになった。大きくなったのは木だけではない。そこら辺に生えている雑草も、見たことない形をしている花も、キノコも、何なら虫さえも全てがでっかくなっているのだ。
『今日は巨大化か』
「今日はってどう言う…..」
『来る日によって変わるんだよ、小さくなったり大きくなったり色彩がダークだったりカジュアルだったり』
自分の世界では絶対に見ることの無い現象である。異世界ってやっぱ凄いなと実感させられた。
『…….?ミユ、何か奥から気配がする』
メイダールが真剣な声色で咄嗟に話した。
「ちょ、急にそんな怖いこと言わないでって」
『取り敢えず、茂みに隠れろ』
ミユは近くにあった立派な2階建てサイズの茂みに隠れた。もちろん容易に隠れることができた。顔だけを少し出し、辺りを見渡す。
「うーーーーん、特に何もいなさそうだけど」
『いや、そんな筈はない』
「単なる勘違いかもよ、人生そんな事の連….続…….?」
突如ミユの顔を出した辺りが陰になった。不思議になって見上げる。
「あ」



木製棍棒を片手に持つゴブリンらしき生物と目が合った。
ミユは人生の終わりを悟った。
「いるぞぉぉぉぉぉ」
ゴブリンはミユを思いっきり棍棒で指して叫び出す。周りの木々が揺れ、虫や鳥が羽をばたつかせて飛んでいき、花弁は思いっきり散って舞い上がる。
『逃げろ!!!!』
ミユは茂みから飛び出して一目散に逃げていく。本日二回目の鬼ごっこが始まってしまった。草を掻き分け掻き分けどんどん進んでいるが、何故か一向に進んだ気にならない。おそらく周り全てが巨大であるからだろう。それもあってかミユは焦るばかりである。
「な、なんか魔法ない?便利な魔法」
『そんな特定の事象のみに特化した魔法などあるか!!』
「ほら、風、風魔法は?!!!」
『風嵐魔法な』
「そんなの今どうでもいいって!!!」
ミユは後ろを振り返らないように走った。多分心臓飛び出ちゃうから。


1/5/2026, 4:43:16 AM

(お題と全く関係ありません。)



『とにかく、今斜め右の方向に微かに魔力の跡がある。あれがおそらく師匠の通った道だろう』
「…..それって、アンタにしか見えないの?」
『そうみたいだな』
メイダールが指した方向は特に変哲もなく、木々がただ無作為に立っているだけだ。偶に風に揺られて音立てているが、至って普通である。
『行くぞ。早く師匠に会ってやる』
メイダールは依然とやる気だ。本人の姿は見えないが、どのような表情なのかは容易に想像できる。それに自分も魔女に会って、とっとと頭ん中のメイダールと追い出してもらわないといけない。この状態が一生続くとなると、嫌味と歪な愛のオンパレード祭りに付き合わなければならない。人間ストレスに耐え続けることなど不可能である。
「うし、じゃあ出発しますか」
ミユは思いっきり背伸びをして右腕を回し進むべき方角を見る。人1人なら十分過ぎるほどの道幅だ。まあ、ほぼ獣道だが、自分の住んでいた世界に比べたら十分安全である。
『基本、俺が道案内をする。いいな、道草など食ってる暇は無いからな。』
「道草するとは一言も言ってないんだけど。」
ミユは一歩踏み出した。木の根っこを避け、足首あたりの草を踏み付け、メイダールの【声】を頼りに森を進んでいく。
「……そういや、ここの森ってなんか名前があったりするの?」
『あぁ、あるぞ。【シークレットフォレスト】。森の生態系の殆どが解明されていないことからこの名がついた』
「何で解明されてないのよ?」
『この森に訪れた者は78.9%の確率で遭難すると言われていて、帰らぬ人となった研究者も数多くいるからな』
「………」
『…..?』
「それって結構まずくない?」
『まあ、何とかなるだろ』

8/9/2025, 2:55:57 PM

(お題と全く関係まりません)



「んで、その魔女を探す策ってはなんなの?」
ミユはそう言いながらおもいっきり立ち上がった。
『策と言っても大したものじゃ無いがな』
いくら魔女と師弟関係であろうと、向こうは相当の実力者。この広い世界で見つけ出す事がどれほど難しいか、容易に想像がつく。
『それにさっきは大口を叩いたものの、そんな便利なものでは無い』
メイダールは静か目に言った。
(じゃあなんだったのよ。さっきの余裕ぶりは)
『ちょ、ちょっとぐらいいいだろう!』
メイダールは咳払いをして取り直す。
『俺の【固有スキル】【魔力視覚】だ。』
固有スキル。確か前にスミスが説明してくれた気がする。この世界に住む様々な生物が持っている個人専用よスキル、、、だっけな。
「固有スキルは分かるんだけど、魔力視覚って、、」
『これは魔力を視覚化するものた』
「それのなにが役立つの?」
ミユはそれと魔女探しななんの関係があるかいまいちわからなかった。それに魔力についてもよくわかっていなかった。
『魔女は常に一体の魔力を体に纏っている。だから魔女が通った道には魔力が少しだが残るんだ。それを頼りに師匠を探す」
「はへー」
魔女って結構ガッツリ【魔】って感じなんだ。体に魔力を纏ってるってなんだか強そうだし、それにそんなのだから強い魔法も打てるってわけか〜。,,,,,そうなのかなぁ。なら、私も今魔女だから体に魔力を纏っているってこと?でもあんまり実感がないな。なんか、こう、もっと、うぉぉぉぉぉぉって感じな気がする様な、、、
『結構ガッツリ魔ってなんだ。とにかく。これである程度、どこへ向かっているのかが分かるはずだ,,,,っておい!聞いているのか!』
ミユの頭の中は魔力のことでいっぱいだった。


7/16/2025, 12:35:31 PM

(お題とは関係ありません)

あれから15分程経っただろうか。ミユはもう立ち上がれるぐらいには回復しており、激しい痛みも殆ど無くなっていた。
「いやー魔女って便利だねー」
ミユは体を捻りながら言った。
『ふん、本来ならそれぐらいの傷、5分もかからずに治る』
「誰が5分で治したのよ」
『師匠』
ミユは呆れた顔になった。ミユから見たらメイダールは師匠こと幻の魔女、レイズに捨てられたか裏切られた様にしか見えなかった。それにもかかわらず、彼は今でもレイズを慕っているし尊敬している。やはり魔女の関係は歪なのか。ミユはそんな事を考えながら腰を下ろす。辺りを見渡してもそこには木しかない。森の中。と、言うには不自然な程静かだった。
「.....傷が治ったら、どうする?」
ミユは空を見上げながら言った。真上に登った太陽が木々を照らしている。葉が生い茂っている為、ミユの所に直接日光が差すことはない。
『そんなの決まってる』
メイダールが力強く答える。
『師匠を探しに行く』

ミユは目を瞑りながら横になった。なんとなく分かっていた。というか分かりきった事だった。彼にも腑に落ちない事が沢山あるのだろう。尊敬する師匠から突然突き放されたのだ。それにミユも彼女に用がある。自分をとっとと人間に戻してほしい事だ。彼女はなぜか知らないが、魔女狩りの入隊試験中だったミユを攫い、魔女の権限を与え、メイダールの意識を移した。魔女の権限を持つ事すなわち、魔女になる事だった。はっきり言って迷惑だった。魔女は世間の嫌われ者。村や小さな町を襲っては多くの人間やモンスターの命を奪ってきたらしい。自分がそんな魔女になってしまったら碌に街も出歩けない。すぐ魔女狩りに捕まり、火炙りや串刺しにされるだろう。ミユはまだ異世界転生してやってきたこの世界を堪能していない。チート能力も無ければ、強力な仲間もいない。のんびりスローライフも一国を築く事もできてない。それらを楽しむ為には第一に魔女から人間に戻る事が必須だ。
「私もアイツに会って話したい事が山ほどあるからね。賛成〜」
ミユは空を見た。風が吹いていて草木が揺れる。揺れる葉の間からたまに太陽が見える。
「でも、どうやってアイツを探すの?」
『俺が案無しに何かを提案すると思うか?』
メイダールは少しニヤけたような気がした。

7/14/2025, 11:49:22 AM

(お題と全く関係ありません)


ミユの体はそのまま木々へと落ちていった。どうしたらいいか分からず、また恐怖で包まれたミユの体を木の枝がグサグサと突き刺しては引っ掻いてくる。痛い。たがそれらは長くは続かなかった。しかし安心する暇もなくミユの足に強い衝撃が走った。ミユはそのまま体勢を崩し、頭から思いっきり地面に倒れた。勢いよく倒れたのでそこら辺の草に血が少し飛び散った。
「ハァ...ハァ......ハァ..」
無事とは言えないが、ミユは地面に着く事ができた。
『.....お前、なかなかやるな』
メイダールが少し感心したように言った。脳から直接聞こえてくるが、今のミユにその言葉は届いていなさそうだった。
「ハァ....ハァ....骨...折れて..ない?」
ミユは全身切り傷だらけであったが、それよりも足が心配だった。いまだに強く痛む足に少し目をやると、なんとなくだが腫れているような気がして冷や汗が止まらない。
『症状的には折れてるな。でも安心しろ。魔法を使った時の感覚を覚えているか?』
「ちょっとは」
ミユはなんとかメイダールと意思疎通できるぐらいには冷静になれた。
『あの時は魔緑を手に集中させたな。今度は折れてそうな部分に魔力を集中しろ。』
「それで、どうなるの?」
『治る』
ミユは今まで息があがっていたが少し固まった。それから5秒ぐらいが経った。
「は?」
『びっくりした。死んだかと思った。』
「治るの?それで?」
『あぁ、魔女は体全体に魔素が流れている。血管を伝ってな。魔素を足に集中させれば魔素が破損した所を再生してくれる。』
「なんでそんなことになるのよ?」
『詳しい説明は後でする。今は魔素を足に集中させろ』
ミユは折れているであろう足に意識をやった。魔法を使った時、手に一気に力が湧いてくるようなあの感覚を思い出しながら。
「....」

少し時間が経っただろうか。一向に足の痛みがなくならない。
「....ねぇ、これ本当に治るの?」
いくら魔法とは言えそんな器用な事が自分に出来るのだろうかと、不安になってきたのだ。
『...?今治っているじゃないか』
「は?どこが」
視線を足にやると、確かに腫れは少し小さくなっていた。

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