(お題と全く関係ありません)
あれから何時間ぐらい歩いただろう。時々メイダールに魔法を教えられながら景色の変わらない森の中を歩いていたと思ったら、急に木の背が高くなった。きっと30階建てぐらいのビルレベルはある高さの木々が森を覆うようになった。大きくなったのは木だけではない。そこら辺に生えている雑草も、見たことない形をしている花も、キノコも、何なら虫さえも全てがでっかくなっているのだ。
『今日は巨大化か』
「今日はってどう言う…..」
『来る日によって変わるんだよ、小さくなったり大きくなったり色彩がダークだったりカジュアルだったり』
自分の世界では絶対に見ることの無い現象である。異世界ってやっぱ凄いなと実感させられた。
『…….?ミユ、何か奥から気配がする』
メイダールが真剣な声色で咄嗟に話した。
「ちょ、急にそんな怖いこと言わないでって」
『取り敢えず、茂みに隠れろ』
ミユは近くにあった立派な2階建てサイズの茂みに隠れた。もちろん容易に隠れることができた。顔だけを少し出し、辺りを見渡す。
「うーーーーん、特に何もいなさそうだけど」
『いや、そんな筈はない』
「単なる勘違いかもよ、人生そんな事の連….続…….?」
突如ミユの顔を出した辺りが陰になった。不思議になって見上げる。
「あ」
木製棍棒を片手に持つゴブリンらしき生物と目が合った。
ミユは人生の終わりを悟った。
「いるぞぉぉぉぉぉ」
ゴブリンはミユを思いっきり棍棒で指して叫び出す。周りの木々が揺れ、虫や鳥が羽をばたつかせて飛んでいき、花弁は思いっきり散って舞い上がる。
『逃げろ!!!!』
ミユは茂みから飛び出して一目散に逃げていく。本日二回目の鬼ごっこが始まってしまった。草を掻き分け掻き分けどんどん進んでいるが、何故か一向に進んだ気にならない。おそらく周り全てが巨大であるからだろう。それもあってかミユは焦るばかりである。
「な、なんか魔法ない?便利な魔法」
『そんな特定の事象のみに特化した魔法などあるか!!』
「ほら、風、風魔法は?!!!」
『風嵐魔法な』
「そんなの今どうでもいいって!!!」
ミユは後ろを振り返らないように走った。多分心臓飛び出ちゃうから。
1/5/2026, 1:08:12 PM