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(お題と全く関係ありません)


ミユの体はそのまま木々へと落ちていった。どうしたらいいか分からず、また恐怖で包まれたミユの体を木の枝がグサグサと突き刺しては引っ掻いてくる。痛い。たがそれらは長くは続かなかった。しかし安心する暇もなくミユの足に強い衝撃が走った。ミユはそのまま体勢を崩し、頭から思いっきり地面に倒れた。勢いよく倒れたのでそこら辺の草に血が少し飛び散った。
「ハァ...ハァ......ハァ..」
無事とは言えないが、ミユは地面に着く事ができた。
『.....お前、なかなかやるな』
メイダールが少し感心したように言った。脳から直接聞こえてくるが、今のミユにその言葉は届いていなさそうだった。
「ハァ....ハァ....骨...折れて..ない?」
ミユは全身切り傷だらけであったが、それよりも足が心配だった。いまだに強く痛む足に少し目をやると、なんとなくだが腫れているような気がして冷や汗が止まらない。
『症状的には折れてるな。でも安心しろ。魔法を使った時の感覚を覚えているか?』
「ちょっとは」
ミユはなんとかメイダールと意思疎通できるぐらいには冷静になれた。
『あの時は魔緑を手に集中させたな。今度は折れてそうな部分に魔力を集中しろ。』
「それで、どうなるの?」
『治る』
ミユは今まで息があがっていたが少し固まった。それから5秒ぐらいが経った。
「は?」
『びっくりした。死んだかと思った。』
「治るの?それで?」
『あぁ、魔女は体全体に魔素が流れている。血管を伝ってな。魔素を足に集中させれば魔素が破損した所を再生してくれる。』
「なんでそんなことになるのよ?」
『詳しい説明は後でする。今は魔素を足に集中させろ』
ミユは折れているであろう足に意識をやった。魔法を使った時、手に一気に力が湧いてくるようなあの感覚を思い出しながら。
「....」

少し時間が経っただろうか。一向に足の痛みがなくならない。
「....ねぇ、これ本当に治るの?」
いくら魔法とは言えそんな器用な事が自分に出来るのだろうかと、不安になってきたのだ。
『...?今治っているじゃないか』
「は?どこが」
視線を足にやると、確かに腫れは少し小さくなっていた。

7/14/2025, 11:49:22 AM