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(お題と全く関係ありません。)



『とにかく、今斜め右の方向に微かに魔力の跡がある。あれがおそらく師匠の通った道だろう』
「…..それって、アンタにしか見えないの?」
『そうみたいだな』
メイダールが指した方向は特に変哲もなく、木々がただ無作為に立っているだけだ。偶に風に揺られて音立てているが、至って普通である。
『行くぞ。早く師匠に会ってやる』
メイダールは依然とやる気だ。本人の姿は見えないが、どのような表情なのかは容易に想像できる。それに自分も魔女に会って、とっとと頭ん中のメイダールと追い出してもらわないといけない。この状態が一生続くとなると、嫌味と歪な愛のオンパレード祭りに付き合わなければならない。人間ストレスに耐え続けることなど不可能である。
「うし、じゃあ出発しますか」
ミユは思いっきり背伸びをして右腕を回し進むべき方角を見る。人1人なら十分過ぎるほどの道幅だ。まあ、ほぼ獣道だが、自分の住んでいた世界に比べたら十分安全である。
『基本、俺が道案内をする。いいな、道草など食ってる暇は無いからな。』
「道草するとは一言も言ってないんだけど。」
ミユは一歩踏み出した。木の根っこを避け、足首あたりの草を踏み付け、メイダールの【声】を頼りに森を進んでいく。
「……そういや、ここの森ってなんか名前があったりするの?」
『あぁ、あるぞ。【シークレットフォレスト】。森の生態系の殆どが解明されていないことからこの名がついた』
「何で解明されてないのよ?」
『この森に訪れた者は78.9%の確率で遭難すると言われていて、帰らぬ人となった研究者も数多くいるからな』
「………」
『…..?』
「それって結構まずくない?」
『まあ、何とかなるだろ』

1/5/2026, 4:43:16 AM