今日は安定薬を飲むのを忘れて、情緒不安定なまま部活に向かった。部活の準備をしていると、私の座っている横に君がきて、「これはわたしの仕事!」と道具を奪ってきた。ちょうど体が痛くなってきたので助かる。わたしはその隣で土下座をして、弱音を吐く。なぜ土下座なのかというと、存在が縮まった気がして安心するからだ。君の横で「テストの点数に満足いかない、もっと勉強したらよかった、後輩ともどうやって対応したら良いの…?、どう頑張ったら最適解なの、」と不安を呟く。そんなわたしに君は、「そうだね〜、あなたなりに頑張ったと思うよ」と、うずくまっている私の頭を撫でてくれた。それは、5秒間とか、なでなで、とかじゃなくて、さっと私の頭に手を置いてくれただけなのだけれど、それがすごく嬉しくて、どきどきというより、安心できた。どこか居心地が良くて、すきだなと思った。
これを思い出した22時のわたしが一番やりたいことは、今すぐ君に会いたいということ。一番やりたくないことは、君に触れてもらえたこの頭を洗わなくてはならないということ。どちらもいずれ訪れるけれど、、今の私には大きすぎる試練だ。
“やりたいこと”
最近、1日が終わるのが、ものすごく早い。こう思う度に、君との日々も過ぎ去ってしまうんじゃないかと、すごく不安になる。君に不安を抱いてるとか、信用しきれていないとかそういうことではないんだけどね。
こうやって夜に気持ちを整理して、うとうとして、また明日、君に会えるのを楽しみにしてる。1日が早く終わるのは、君がそばにいてくれて、充実しているからかもしれない。また明日、電車が同じ時間で、おはようと声をかけられたりしないかな、、そんな期待に胸を馳せている。私は、君と朝日の温もりの、あのぽかぽかの中を、2人でゆっくりと歩いた日を思い出した。なんだか、いまの私もぽかぽかしてきた。また明日の君に期待を抱いて、眠りにつき、また今日を終える。
“朝日の温もり”
なんでそんなに早く歩くの…一緒に隣を歩いてよ…💢
なんで応答もしてくれないの?💢どうして私に寄り添ってくれないの…?💢本当にこれだから…、。
部活に疲れて会話が進まなくて、君がスタスタ歩き始めた。君は早く家に帰りたいタイプでしょうがないのだけど…隣くらい歩いてよ。少しでも今日の最後に言葉を交わしたかった私は、分かれ道で「またね」と無愛想ながらも言った。そうすると君は黙って改札口を通って…私たちの今日を終わらせた。
今思えば、私が疲れていたのだから、君もすごく疲れていたんだろう。君と会話をすれば次第に癒やされるのだから、君の好きな話題を出して話を続ければよかった。いや…けれど、ここまで今までの反省を並べてきたけれど…あのまま君が黙って去れたのは、約束されている信頼があるからこそであり、素を出してくれていたのかもしれない。そう考えたら嬉しくて…やっぱり、君を大切にしなきゃとまた思わされる。開き直りとも読み取れるが、私はあの分かれ道の選択が最適解だったと思う。また通る君との数々の道を、そして君との最適解を、2人で導いていきたい。
“岐路”
「もしこの世から犬が消えたらどうしよう…」
一緒に下校している時、君が唐突にそう言う。
君は犬が大好きで、それ以外愛せないと教えてくれた
「犬が消えちゃったら、すごく寂しいね」
私がいるじゃん、と思いながら寄り添ってみる
「けど…もしそれでも、犬がどこかで幸せならいい」
私も君が幸せなら…あとはなんでもいいかも、
と思いながらまた続く話を見つける
「世界が始まった時も犬は可愛かったのかな」
「うん!いつだってかわいいよ」
一番可愛いのは君なんだけど…と思って、
「じゃあきっと、世界が終わる時も可愛いのかな」
「そうだね。犬との生活は永遠が良いけど…終わりがあるからこそ輝くものだし」
確かに…、と思ってーーーー
今日のことを思い返しながら布団に入る。
君から犬への愛情は、わたしから君への愛情とそっくりだと思う。君が生まれた時も可愛ければ、今だってもちろん可愛くて、きっと君という華が散る時だって可愛い。というか、美しい。君との生活は永遠が良いけれど…。けれど、限りがあるからこそ1日を大切に、君を大切にできる。この世界に君が生まれてきてくれて、本当にありがとう。そして世界か、もしくは華が散ってしまうときも、最後まで愛させてほしい。
“世界の終わりに君と”
新学期になって、新しい友人ができて、もちろん君にも新しい友人ができた。その子はすごくスキンシップの多い子だった。私はそれが憎かった。これまで私が我慢していた君が嫌がることを、何も知らないと盾にしていたのだから。もちろん嫌がっているので少しは嫌われているだろう。けれど、論点はそこではなく、断りきれない君をいいことにその汚い手でべちょべちょ触るなということ。
その女がいつになっても憎く、”最低の悪魔”だった。ことあるたびにあの女といるんじゃないかと悩んでは、君はそんな人じゃないと正気に戻る。私が一番なんだと、自分に信じて思い込ます。
数日後、君と一緒に帰ると「新しい友達ができたか?」という話題になった。君は「できたよ、けど、スキンシップの多い子で。その子だけじゃないけどさ、あんまり話したくないんだよね。疲れる」ときっぱり言ってみせた。その軸がある君がすごく愛おしくて、私だけという優越感に酔ってしまった。今まであれほど想い悩んできた悪魔なんて塵とさえ化さない。君の愛しい一言で、思い出すことも無くなった。どれだけ嫉妬心に蝕まれたとしても、君への愛は揺るぎなく、君は”最高の天使”なんだと確信した日だった。
“最悪”