もう誰も覚えていないかと思いますが、皆さんこんばんは!
ご無沙汰しております。
ーーいろいろと難儀なことが重なりまして、こんな私は少々やさぐれておりました。そのために詩を詠むことも、文章を書くこと、言の葉を紡ぐことができないでいました。
しかし、やはり私の好きなことのひとつが文字を綴ること。見たままを言葉で誰かに届けることでございます。
簡単に言えば「描きたい」「詠みたい」「読んで欲しい」「共感して欲しい」「想像して欲しい」という願望が再び溢れたんですね。
そんな訳で、久しぶりの投稿。
ぜひ、想像力を掻き立ててお目通しくださいませ。
「秋灯のころ」
日も眠り
柔らかな月明かりが
道を照らす街灯の
ぬくもりとともに
窓辺に注ぐ
鈴の虫の声が
風に揺れる葉擦れの
音に誘われて
鼓膜を撫でる
僅かな肌寒さに
ひとつ震えて身体を摩る
くしゃみをひとつ
打つたび鼻を啜れば
季節の移ろいに
思いが巡る
眠るまちに囁く暦の歌に
重たい布団が心地よい
しっとりと
外明かりに照らされて
壁が些か灯篭のよう
いつしかの
甘く切ない香りに息深く
淡い記憶を枕に
深く夢うつつ
皆さん、こんばんは!
暑いですね。水分と塩分、そして少しの糖分をしっかりとって熱中症対策をしっかりしましょう。既に過酷な暑さですが、これからが本番ですから、元気に夏を乗越えていきましょうね。
ーーさて、本日も叙景詩(叙情詩)ではなくポエムよりの詩ですが、想像をしながら読んでみていただけると、大変嬉しく思います。
『山あいを走る詩人』
カーブを繰り返す
中国道――
濃い緑がせり出して
フロントガラスを額縁に変える
朝霧がまだ眠たそうに
山腹を撫でている
道路脇には
道の駅の看板、トンネルの案内、
一瞬だけ姿を見せる川のきらめき
ハンドル越しの静けさに
詩が、ふいに落ちてくる
眠っていた言葉が
カーステレオの間に
そっと芽を出す
心の奥にある
言葉にならなかった感情が
アクセルとブレーキの間で
少しずつ、整っていく
左手にはガードレール
右手には未舗装の山道
それでも、行く
葵い光が差し込むたびに
「まだ書ける」と
小さく呟いた
皆さんこんばんは!
今日の詩は、いつもと違うものをご用意いたしました。何がどう違うのかか、きっと読まずとも分かるはず。
この詩は、私のこれからの事実に基づいたことを詠んだものになりますが、叙景詩でも、叙情詩でもなく、どちらかと言うとポエムに近いかもしれません。
たまには悪くもないかもしれません。
そういえば「note」のクリエイター名を変更いたしました。以前は
「ーゆずとレモンとスパイスー」
でしたが、初版の事情により
「ー柑橘系とスパイスー」
へと変更をいたしました。
ーーそれはそうと
さてさて、それでは本日の詩をどうぞ!
『電車、山陰にて』
窓に映る
知らない街の屋根
カタン、コトン
振動のリズムが
詩を運ぶ
線路という名の五線譜をなぞりながら
古びた駅の名標に
耳慣れない地名が並ぶ
けれどそれが
旅というものだ
少年が持つ駅弁
隣席の老婆のうたた寝
遠くの海が
一瞬だけ姿を現して消える
ページは開かれていない
でも心のノートは
すでに書き始めている
「いつかまた来るよ」
そう心の中で
見知らぬ町に言葉を置く
こんばんは!
今日も暑かったですね。
私は、来週から長期出張が控えておりまして、今日は荷造りと「クロネコヤマト」さんへ発送荷物の持ち込みと忙しなく動いておりました。
来週の土曜日に引っ越すのですが、金曜日の夕方までに203Lストッカーの中身を「クール便」として持ち込まなければならないのですね。
さらに、まだまだ荷物が残っているので、それは車で運ぶとして、こちらも荷造りをしなければなりません。
今日は連日の筋トレとHIITの疲労も重なり、非常に疲れました。蒸しかえるような暑さと、焼き付くような陽射しは、そんな私の体力をジリジリと奪っていきました。
今日も、夏にちなんだ詩を詠みました。今回もまた、叙景詩(叙情詩)でございます。五感をフル稼働して、想像を膨らませながら読んでいただけると嬉しく思います。
ーーでは、どうぞ😊
『命を震わせる明日への歌』
日の登らない
涼やかな静寂を打ち破り
木々の袖から
空へと溶ける
命の歌
さまざまに空へ木々へ背を向けて
今はただ夢中に声を紡ぐ
歌い手の数はひとつふたつと
増してゆく
遥か遠く未来で奏でる
子らに向けて
遠く長い時の彼方へと唄う
葉の影が
風に柔らかく揺れる
木の腕に抱かれて
有限のいのち
尽きるその刹那まで
身を震わせる
高くあたたかい光に包まれて
葉擦れを枕に
深い眠りへと
沈んでゆく
皆様、お久しぶりでございます。
そして、おはようございます。
今日は、この季節に少しでも涼やかで穏やかな気持ちに慣れるような叙景詩(叙情詩)を詠みました。互換を研ぎ澄まして、想像しながら読んでみてくださいませ。
『芽吹く葵い輝き』
土や草木の香りに抱かれて
日陰の畝に顔を出す
逞しくもか弱い小さな姿
足元はすこし冷えて
肌寒い
朝露に頭を垂れて
一粒の滴りが大地に沁みる
影が散歩に出掛けると
柔らかな日差しが
幼い肩を抱き寄せる
足元に低く伸びる
葵色の影
風に誘われて
辺りを駆け回る花草の香りに
伸びをして
胸を大きく膨らませる
鳥や虫の声が
会話を始めると
音に満ちた営みが
辺りをそっと包み込む
心もとない小さな身体を
隠す陰はなく
頭上から注ぐ光のシャワー
惜しまず浴びて
明日へと蓄える
一陣の風と遊ぶ雀に
手を振って傍へと招く
僅かな暇を共にして
またどこかへと飛んでゆく
山陰に沈みゆき
別れを告げる太陽と
夏に詩を詠う儚い聲
またと背を向けて
空を羽ばたく烏の群れ
ひとつ鳴いて
山肌へとその背が消える
来た道を戻る風に
明日の朝と
頭を下げて見送る
鈴の音に
返すように蛙の声
小さく響いて
欠けの月のほのかな灯りに
静かに唄う
やさしく撫でる
風を掛け布団に
フクロウの詩枕に
深く眠る