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3/25/2024, 1:47:56 PM

好きじゃないのに気になるのなら、
その心根は、
真逆のものを抱えている可能性がある。

「好き」の反対は「嫌い」ではない。

好きの反対は無関心。
存在していることすら気にならないことなのだから。


3/24/2024, 2:46:04 PM

マジか。
打っていた文章全部消えた…。

ところにより雨に当たっちまったってか…。

…マジか。

以下、記憶を頼りに打ち直し。
────────────────────────
薄曇の空を燕が低空飛行している。

今朝テレビで見た天気予報によると、ところにより雨と予報されていたが、どうやらその「ところにより」に当たったらしい。

ブラインドにかけていた指を外し、デスクのそばにある培養機へと目を向ける。
培養機の表面にあるデジタルは、正常値と培養の残り時間を表している。

…1時間ほどか。

頭の中でごちるついでに1時間以内に出来るものを上げ連ねていく。
重くなりすぎたファイル内の整理。押印が必要な書類の処理。書きかけの論文の整理…。
1時間以内ならば、ファイル内の整理と押印の雑務ならこなせそうだ。

オフィスチェアを掴むと姿勢をグッと正す。

よし、やってしまおう。

パソコンのデスクトップにあるファイルを開く。
このファイルは異常に重いので立ち上がるのに時間がかかる。
ファイルが立ち上がるまでの時間が勿体ない。
この時間を使って、デスクの上に山のように積まれた書類から、押印が必要な書類を探すことにしよう。
助手からは「机の上を整理をしてください」と言われているが、どうも書類の整理等々は苦手だ。
一見無秩序でカオスな状態ではあるが、欲しい書類のだいたいの位置はわかっているので問題はないだろう。
書類の山を崩さないよう慎重に書類を引っこ抜いていると、研究所のドアを出ていこうとする助手の姿が目に入った。

「あっ!ちょっ、ちょっと待って」

吃ったうえに掠れ声だったが、彼女には届いたらしい。
大きな目を丸くしながらこちらを振り返った。

「博士、どうかしましたか?」

彼女は封筒を持っている。
ポストか又は、郵便局にでも行くのだろう。

「一雨来そうだから、ソコの傘を持っていきなさい」

ドアの脇にある傘立てには、いつからか置き傘となったビニール傘が一本入っている。古いがまだ使うことは出来るだろう。

「コレ、ですか」
彼女は件の傘を持ちあげると顔を曇らせた。
蛍光灯に晒されたその傘は、遠目から見ても茶色く変色している。
どうやら記憶よりも更に劣化が進んでいたらしい。
どう見てもその傘は、彼女と釣り合いが取れていない。

「すっ、すまない。僕の傘を使って」

ロッカーに置き傘がある。
シンプルな黒い傘なので、女性でも使えるだろう。男性用なので大きいかもしれないが、寧ろしっかり雨を防いでくれて良いかもしれない。
机に手をつき、オフィスチェアから腰をあげた瞬間。

「いいですっ。いいですからっ。この傘使いますっ」

普段大人しい彼女からは考えられない程大きな声があがった。
彼女は顔を真っ赤にすると、変色した傘と封筒を胸に抱え、出ていってしまった。

「えっ」

間抜けな声が自分の口から漏れる。
バタンと閉まるドアの音が無情に響いた。

暫く呆然と彼女が消えたドアを見つめていたが、ゆっくりとオフィスチェアの背に手を回し、ノロノロと着席する。

席に着いた途端、ザーっと激しい雨の音が鳴り響いた。


研究所の外に出ると激しい雨が降り出した。

「博士の言う通り持ってきて良かった」
古い傘だが、しっかり雨から守ってくれている。

「さっきはビックリしたなあ」
ポツリと呟く。

まさか、傘を貸そうとしてくれるだなんて。
古い傘、嫌がったのバレたんだろうな。

気まずそうにしていた博士の顔が脳裏に過る。

ワガママな奴と思われたかもしれない。
ああ、今思い出しても無性に恥ずかしい。
咄嗟に逃げちゃったし。

助言してくれた博士に申し訳ないことしてしまった。

何かお詫びをしなければ。

博士の好きな物は、甘いものだ。
特に和菓子を好んでいる。

封筒を投函したらコンビニでも寄って博士の好きなお饅頭を買って帰ろう。

それまでに、このほっぺたの熱が冷めますように。

──────────────────────
「ただいま戻りました」

「…おかえり」

「…博士、顔色悪いですよ。具合でも悪いんですか?」

「えっ、いっ、いや。だ、大丈夫だよっ。うん。ちょっとこのお天気にやられちゃっただけ」

「博士の好きなお饅頭買ってきましたから、お茶にしましょう」

「えっ、本当?…ありがとう」

「いえいえ、こちらこそ。傘の助言、大変助かりました。お陰で濡れないですみました。ありがとうございます」

「ああ、うん。お役に立てて良かったよ」

3/23/2024, 1:14:27 PM

今日のテーマは、特別な存在。

脳内に浮かんできた人物が数名いるが
自分のお気に入りともいう人達ばかりだ。

気に入る=特別の等式なのか、或いは、
何某かの変換があって特別となるのだろうか。
深く考えたことがない。
今回は、存在=人物と仮定して考えてみよう。

自分にとって特別な人の定義は、

自分と似ている
─気が合う
自分とかけ離れている
─学びがある
─尊敬できる
存在の尊さを感じる
─出会えた喜びを感じる
癒やされる

…等などだ。

定義をさらに分類すると
類似性
影響
感性
大きく3つに分かれる。

対象に対して何かを感じているのは事実であるから
思考の癖も勿論影響しているだろうが
根幹の部分は、心の琴線だろう。

そうなると気に入った時点で、特別になる可能性が高くなるということだろうか。

気になるという程度ならまだ特別とは言い難い。
しかし、気に入ったと自分の中に落とし込んだ時点で、対象は他のものと一線を画すことになる。

…なるほど。
どうやら私は、お気に入り=特別という式の人のようだ。

ならば、お気に入りが増えれば増えるほど、特別なものが増えていくということになる。
沢山のものが増えすぎると、新陳代謝のようなものが起きて、お気に入りから外れていくということもあるのだろうが…私にとってお気に入りは、お気に入りのままだ。

…通りで好きなものが多いわけだ。
それに、一度良いと思うとずっと好きであり続ける原因も多分ここにあるのだろう。

…まあ、それによって誰かを困らせたり、迷惑をかけるようなことはないだろう。
それぞれを特別な存在として認識しているからと思えば、悪いことではないのかもしれない。

3/22/2024, 2:18:29 PM

毎夜毎夜、仕事で疲れていてもテーマと向き合う。

習慣化故か、はたまた一度でも休むと駄目になってしまう自分の性格を認識しているからか。
答えはまだわからない。

最近は、前以上にココの自由さに甘えて好き勝手書いている。

物語の構造や思考のメモを消さないで残すようにしている事等がいい例だ。
メモは、言葉が出てこないという事がしばしばあるので、思考の助走の為に行っている。
それ故、メモのほとんどは脳直な文だ。

そんなメモを残したままにするだなんて、バカみたいだと冷めた目をした自分もいる。
スマートな文章や作品を目指すなら、脳直な文は残すべきではないだろう。
しかし、思考が脱線しやすい私にとって、思考の跡ともいうべきメモを残すことは、文章制作中の誘導灯代わりになっている。作る文の目標或いは目的が無いと迷子になってしまいがちだ。
制作後は思考の客観視にもメモを利用している。
脳直=素直な自分なので、なかなか侮れない。

何を書くも自由。
どの様に使うも自由。
そんなココの自由に甘えて

メモを残したままにする。

スマートな文は作れない代わりに、
その分自分を知ることが出来るかもしれない。
そんなことを期待しながら。

3/21/2024, 12:35:38 PM

二人ぼっち。

これまた不思議な言葉だ。

ちょいと辞書を引いてみよう。

【二人】人数が二であること。また、その数の人。
【ぼっち】一人ぼっちの略。
【一人ぼっち】仲間や肉親がいなくて
       ただ一人であること
       一人ぽっち
       「ひとりぼうし」の転

子供のような事を言うが、二人は一人ではない。
二人ぼっちの言葉が持つ不思議な感じは、
多分この数字の違和感が原因だろう。

意味から求められないのなら
情緒的なところに落とし込んで考えるしかない。

例えば、
二人いるのに「ぼっち(一人)」と感じているから、
二人ぼっちなのかもしれない。

例えば、
「ぼっち(一人)」が二人いるから、
二人ぼっちなのかもしれない。

どちらにしろ、孤独や寂しさ、人との壁のようなものを感じるのに変わりはない。

これが二人「きり」という言葉になると、
期待や喜び、緊張等を感じるが、孤独等は感じない。

「ぼっち」
たった三文字なのに、随分強い言葉だ。

これが「ぽっち」になると
途端に頼りなくなるのだから言葉とは本当に面白い。

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