コヤ

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2/7/2025, 11:50:42 AM

No.12:誰も知らない秘密


「はぁい、ストップ」

突然、画面上の彼が自分に話し掛けてきた
話し掛けられたこと、自分が認識されていた事に驚いていると、彼が口を開いた

「今、僕達の事話そうとしたでしょ?」



「んふふ、驚いたね。ぜーんぶ、僕にはお見通しだよ?」

悪戯っぽく彼が微笑む

「今までは見て見ぬふりしてたけど...今日の題材はだーめ。」

すると、近くに置いていた物語をビリビリに破かれてしまった。
嗚呼、勿体ない...

「このお話の内容は、僕達だけの秘密だからさ」
「あんまり見せたくないし、書かせたくないなぁって思ったんだよ」

そう言うと、彼は出入口の前に立った

「あ、でも...僕達の恋模様を書くのは、これからも許してあげる」
「見せ付けたいからね♪」

今日はそれだけ言いたかったんだ

これからもよろしくね

...とだけ残して、彼は部屋を去ってしまった

部屋に残ったのは、ビリビリに破かれた物語と、自分

......


自分は破かれた物語を拾い上げ、ゴミ箱に捨てた


__...さぁ、次はどんな物語を覗きみようか?

2/6/2025, 11:20:23 AM

No.11:静かな夜明け


ふと目を開くと、彼が規則正しい寝息を立てていた。

何時も眩し過ぎる笑顔で僕を起こす彼とは違う、穏やかな寝顔

それが珍しくて、思わず頬を優しくつついてみれば、擽ったそうに唸ってから、また寝息を立ててしまった

そんな様子が可愛くて、愛おしくて

こんな彼を起こしてしまうのが、なんだか惜しくて
もうすぐ重なってしまう時計の針を、少しだけズラした

可愛い可愛い、僕だけの彼

少し遅く時計の針が重なった時、彼は一体どんな反応をするのだろう

思い浮かんだ様子に頬を緩めながら、僕は再び目を閉じた

2/5/2025, 12:24:00 PM

No.10:heart to heart


隠そうとしない、彼の真っ直ぐな言葉

頬を赤く染めながら

けれど、目を見て言ってくれた言葉


...だから、僕も言葉を届けられると思ったんだ

「僕も好きだよ、__」

2/4/2025, 11:09:54 AM

No.9:永遠の花束

「これ...ドライフラワーか?」
「そうそう」

僕はある時、贈り物を彼にした
それも”白色の彼岸花“のドライフラワーである

渡した時、彼がとても訝しげな顔をしていたのをよく覚えている

「...何で俺に花なんて...」
「おや、ドライフラワーの方に突っ込むのかと思っていたよ」
「花もドライフラワーも変わんねぇだろ」

そう言って、彼はマジマジと彼岸花を見詰める

「ふふっ、でもドライフラワーなら、君が忙しなくお世話する必要も無いし」

楽だろう?

っと小首を傾げれば、「まぁ確かに...」っと腑に落ちてる様な無いような反応が返ってきた

「それは日当たりのいい所に飾るといいよ」
「ふん、飾るか飾らないかは俺の勝手だろ」
「またまた〜」

そうは言うものの、僕があげたキーホルダーを、今もカバンに付けていてくれている事を知っている

...だから、渡せたのかもしれない

「...んまぁ、せっかくだし貰っといてやるよ」
「ふふ、ありがとうね」

彼岸花を持っていた袋に居れるのを見ながら、僕は微笑んだ


__伝わらなくていい

ただ、受け取ってくれるだけで良かった


「__、__」

「あ?なんか言ったか?」
「いいや?何も言ってないよ」

そう言って、僕は歩き出す

彼が贈り物の意味を、知る事がありませんようにと
理性的な僕が祈る中で


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花言葉(一部抜粋)


ドライフラワー:永遠の愛


白い彼岸花:あきらめ、思うはあなた一人、

2/3/2025, 10:53:19 AM

No.8:やさしくしないで


犬の様で、猫の様な
そんな彼が、好きだった

隣である一点を追い掛ける彼の目は、僕の事を見ていないのに

でもその癖、彼は不器用なりに言葉を掛けて、何時も僕の隣に居てくれているのだからタチが悪い

...一度、どうしてかと聞いた事があった

『そりゃ、...お前にはお世話になってるし...長い腐れ縁だ』

そう言った彼の顔は、今でもハッキリ覚えてる
それがどうしようもなく嬉しくて、苦しかった事も

「あ?どうしたんだよお前」

ほら、また
俺と同じ気持ちを持っていない癖に

ねぇ、もう辞めてよ

「え?嗚呼__」























「なんでもないよ」

そう言って、僕は笑顔を作った

”これ以上優しくしないで“と、口から出掛けた言葉を飲み込みながら

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