No.11:静かな夜明け
ふと目を開くと、彼が規則正しい寝息を立てていた。
何時も眩し過ぎる笑顔で僕を起こす彼とは違う、穏やかな寝顔
それが珍しくて、思わず頬を優しくつついてみれば、擽ったそうに唸ってから、また寝息を立ててしまった
そんな様子が可愛くて、愛おしくて
こんな彼を起こしてしまうのが、なんだか惜しくて
もうすぐ重なってしまう時計の針を、少しだけズラした
可愛い可愛い、僕だけの彼
少し遅く時計の針が重なった時、彼は一体どんな反応をするのだろう
思い浮かんだ様子に頬を緩めながら、僕は再び目を閉じた
2/6/2025, 11:20:23 AM