ひちめ

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10/4/2024, 12:56:59 PM

僕は膝を着いて、君に手を差し出す。
僕と、踊りませんか?
君は恥ずかしがりながら、俯いて、小さく頷く。
体育館は歓声にみちる。
そんなにか……?まあでも、君が可愛いからかな。
そう思いながら、僕は立ち位置に君と立った。
曲が始まる。
学校はたちまち小さいダンスホールと化す。
フォークダンスを踊る他の皆なんて目に入らなかった。
君と僕だけの世界みたいにキラキラした時間。
皆は僕たちを見ていた。一際目を引く存在だからだ。
だって、余りにも君が綺麗だから。
君と、付き合えてよかった。
あぁ、好きだなぁ……。
君をエスコートしながらダンスをする。
君のダンスはまるで踊り子の舞のように可憐だった。
愛してるよ。
愛おしさが溢れてつい、ダンスが終わると同時に、僕はそういって君のおでこにそっと優しくキスを落とした。
やばっ……。君に怒られる……。
そう思ったら意外な反応をした。
君は徐々に林檎のように頬を赤く染める。
たちまち黄色い歓声に体育館が騒がしくなる。
僕は君の恥ずかしくて小さくなった声を聴き逃さなくてよかった。
私も。
って。

10/3/2024, 12:53:51 PM

巡り会えたら、
隕石は降り続けるこの宇宙で、
君はいつも消えてしまいそうなぐらい儚くて、
綺麗で、
僕と生きてほしかった。
僕を忘れないで。お願い。
君は記憶がどこかに飛んでっちゃう
病気になっちゃった。お医者さんが言うには、
脳みそが原因だって。僕は心が痛かった。
きっと君のが痛かったのに。
僕だけが泣いていて、僕を慰めてくれた。
君の1滴だけの涙は忘れないよ。
僕たちはもう君とは会えない。
僕を知っている君には、
もう会えない。
一生一緒って小さい小指で約束してくれたあの日を思い出す。あの約束はもう燃え尽きてしまったんだ。
僕はなんてわがままなんだろう。
君の病気をすごく恨んでいる。
そんなのしょうがないのに。
君の記憶は日に日に、
パズルのピースみたいに1個ずつ失くしてく。
ある日ついに、
僕も忘れられた。でも、
僕を見た瞬間、言ってくれたんだ。
「かっこいいですね。」
僕は君の中にまだ残ってる気がして、
明日にはきっと消えてしまうのに、
記憶は残らないくせに。
僕と君の関係について教えた。
そんな日々を続けて、
君が、君自身が。
君を忘れた日が来た時も。
何度も、何度も。
君を0に戻したくない。
でもまた来たある日、君は、
見知らぬ場所に恐怖を覚えた。
そして挨拶をする僕に怖く覚えた。
僕に会う度、忘れてたのに僕を褒めてくれてた君が。
あぁ、もう終わりの日が来たんだ。
「ごめんなさい、人を間違えました。」
そういって部屋を出る。
部屋から出た後、
僕は崩れて落ちて、泣いた。別れなきゃ、いけない時はいつか来るなんて分かってたのに。
涙は止まらなくて、君を思えば思うほど、
胸が痛くて。
また僕と巡り会えないかな。なんて。
わがままが僕に囁いてくる。
でも、ダメだよ。
もう僕のことは、好きじゃないし、知らない、人だし。
今の君は、僕とは無関係だから。
君には、家族もいるし、きっと、大丈夫だから。
僕は……血の繋がりすらないし。
今の君との繋がりなんて、ひとつも無いから。
声を殺して泣きながら、僕はその場から去った。

10/2/2024, 1:40:05 PM

私は貴方様の事を
密かにお慕いしておりました。
ですが最近、気付いたのです。
私は貴方様の事を私は神だと思えないんです。
貴方様はただの人間、そこが堪らなく愛おしいのです。
私どもに隠れて泣いていた夜を私は見ていました。
そして私は、神としての貴方様に失望し、
人間としての貴方様に対して、
どうしようもない恋心を抱いてしまったのです。
あぁ、なんて私は愚か。
でもしょうがない事なのです。
愛は止められません。
皆に優しい貴方様を見る度に、
あの夜を思い出すのです。
密かに興奮してしまいます。
私だけが知っている。
私だけが……。
優越感に浸るこの幸福と恋心。
貴方様の声を聞くと、あの泣き声を思い出します。

ですが、最近、貴方様の様子がおかしいですよね。
貴方様は人間に戻ろうとしていますよね。
普通の暮らしを、
普通の恋愛を、
普通の人間になろうと。

そんなの、許しません。
貴方様は、腐っても、私だけの神なのです。
貴方様が普通の人間ではないのに、神を演じようとする姿。私はそこが好きなのです。
いや、貴方様じゃありません。
普通になろうとするなんて。
貴方様には考えられない。
もしかして、あの女のせいですか?
最近、貴方様の人間の心臓が高まっているのは、
彼奴のせいなのですか?
あの女が誑かしたんですか?
可哀想。
可哀想な、お人。
私が救ってあげなければ。
教会に、私は貴方様の悪評をばら撒き、
あの女にも悪評をばらまく。
そうしたら徐々に皆、離れていった。
しかも笑えるのが、あの女、
誰より先に離れていったの。
やはり、真実の愛は、あそこにはなかった!!
そう私は歓喜した。
ある日、私しか教会に来なかった日を作った。
貴方様は相変わらず、優しい笑顔で、
神として微笑みかける。
なんて矛盾した人間……!美しい!

でも、私の心を誑かした彼女、いや、貴方様はきっと、
魔女なのです。
魔女は、火あぶりの刑にでも、処さなけば。
私は貴方様を縛る。
次は神として生まれられるといいですね……。
そう耳元で囁き、
貴方様を燃やす。私も燃やす。
炎が私の体を包む。
あぁ、心中とはこんなに幸福なのですか。
奇跡よ、もう一度起こるなら……。
もっと私たちを苦しめてください……。
私たちを跡形もなく燃やし尽くして、
永遠に魂を閉じ込めてください。
2人だけの宗教を作りたいのです。

10/1/2024, 12:58:19 PM

黄昏の街並み
私を飲み込んで
覆い隠す。
私は消える。
消える。
私はちっぽけ。
汚いこの星に
当たる夕日。
あなただけが特別。
学校で黄昏れる。
誰もいなくなった
教室に思いを馳せる。
大好きだった先輩も、
大嫌いだったあの子も、
所詮人間でしかない。
わたしを殺すことも、
生かすことも出来ない。
私以外に私は私を殺せないし、
殺させないし、生かされないし、
生かさせない。
砂埃が舞うこの部屋に、
もう人類は消えたことを改めて感じる。
ツタの生えた建物。
僕はあと何年、
何十年、苦しまなければいけないのだろう。

9/30/2024, 10:40:52 AM

きっと明日も、
私は変われない。
私は私だから。

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