僕は膝を着いて、君に手を差し出す。
僕と、踊りませんか?
君は恥ずかしがりながら、俯いて、小さく頷く。
体育館は歓声にみちる。
そんなにか……?まあでも、君が可愛いからかな。
そう思いながら、僕は立ち位置に君と立った。
曲が始まる。
学校はたちまち小さいダンスホールと化す。
フォークダンスを踊る他の皆なんて目に入らなかった。
君と僕だけの世界みたいにキラキラした時間。
皆は僕たちを見ていた。一際目を引く存在だからだ。
だって、余りにも君が綺麗だから。
君と、付き合えてよかった。
あぁ、好きだなぁ……。
君をエスコートしながらダンスをする。
君のダンスはまるで踊り子の舞のように可憐だった。
愛してるよ。
愛おしさが溢れてつい、ダンスが終わると同時に、僕はそういって君のおでこにそっと優しくキスを落とした。
やばっ……。君に怒られる……。
そう思ったら意外な反応をした。
君は徐々に林檎のように頬を赤く染める。
たちまち黄色い歓声に体育館が騒がしくなる。
僕は君の恥ずかしくて小さくなった声を聴き逃さなくてよかった。
私も。
って。
10/4/2024, 12:56:59 PM