謎い物語の語り手

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2/12/2026, 4:03:22 PM

【伝えたい】

フローリングに横たわって、
雲の隙間の光を見る。

このネクタイも結局、
自分を空に押し上げることはない。

「面倒くさいなぁ」
呟いた言葉は冷たい空気に消えていく。

ふと思い出した。数年前、自分に書いた手紙。
追い詰められていた時期に書いたものだ。

棚を探ってそれを見つけ出した。
期待せずに開いた紙に水がぽたぽたこぼれ落ちた。

『命を絶とうとしてるんじゃないか。
ここまでよく頑張ったんだな。』

「なんだこれ」
乾いた笑いが漏れた。

記憶がよみがえる。
数年前、泣きながら机に向かっていたことを。

紙とペンを取り出した。
未来の自分に伝えたいことを書くために。

2/9/2026, 7:29:52 PM

【花束】

一人、森の中を歩いていた。
空気が澄んでて、柔らかい光が差し込んで明るい。

目に優しい緑が私を出迎える。
木々の隙間から見える青と雲の白が美しい。

この森を選んだのは間違いだったかもしれない。
でも、ここは私の心を癒してくれる最後の場所。

ディアスシアとカモミールの花束を持って進む。
良い香りがする。私の恐怖を和らげるみたいに。

枝に手が届く木を見つけた。
私は震えた手で縄をかけた。

この世界の別れを声にしないまま、
私はその罠にかかる。

花束が地面に落ちて溢れた。
私はずっとそれを見ていた。

私への、最後の手向けを。

2/8/2026, 9:47:13 PM

【スマイル】

あなたは誰?どんな人?

いつも笑顔で明るくて、
でも何を考えてるのか分からない。

心に闇があるのかないのか見えない。
その声に不満があるのかないのか聞き取れない。

あなたの紡ぐ言葉は優しいのに、
その言葉の花の下はトゲがある。

ある日、あなたはこう言った。
「どうせすぐに終わりが来る」

吐き捨てたような言葉だった。
丁寧な声音で、柔らかい笑顔だった。

その時の彼女だけは、
誰にも関心がないように見えた。

1/17/2026, 12:35:25 PM

【木枯らし】

何本も矢の刺さったお姫様は、
焼けた靴を履いて鉄の上を踊っていた。

でも誰をそれを見ない。
みんな大切な人といて、笑い合っていた。

お姫様はニコニコ笑いながら踊っている。
木枯らしだけが彼女のパフォーマンスを笑っている。

みんなはどこかに去っていってしまった。

お姫様が疲れ果てて、
焼けた芝生の絨毯の上に倒れ込んだ。

「だれかそこにいる?」
震える手で手を伸ばしても、
誰も彼女の手を握らなかった。

そこには誰もいなかった。


1/16/2026, 8:40:26 AM

【この世界は】

私の時間は常に「好き」に溢れている。
好きなもの、好きな景色、好きな人。

見るもの聞くもの全てがエモーショナルに富んでいて、まるで飽きない世界。

私の人間関係は特別に溢れている。
特別な人。大切にしたい人。よく絡む相手。

軽率に、それでも真剣に「愛してる」と言える。
自分を愛するより先に誰かを、何かを愛している。

そんな自分が憎い。

どれほどこの世界が煌めいていても、魅力的な人たちを囲んでいてもその全てが私を見ることがない。

勝手に好きになっているくせに、考えてしまう。
あーズルいな。無条件に愛されて羨ましいなって。

輝く瞳に何も映らない。私の世界に色がない。
愛に見返りを求めてしまえばそんなものだ。

「なんだ…こんなものか。」

なんて不均等で、不条理で
つまらないんだろう、この世界は。

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