謎い物語の語り手

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3/24/2026, 6:36:16 AM

【特別な存在】

頬を撫でる心地よいそよ風が吹いている。
私は今日、愛する人に告白してしまった。

なんとなく、悪い結果じゃないと思っていた。
でもそれはずれで、予想は自惚れだったと知った。

彼は私のことなんか眼中になくて、私は一方的に彼に面倒くさいアプローチをしているだけだったんだって。

彼は私にとって特別な存在だった。
私の人生が歪んでしまうくらい。

でも、私は彼の特別にはなれなかった。
それが私に残された現実だった。

どうして教えてくれなかったの。
あなたにはとっくに愛する人がいたこと。

私があなたを好きなことを分かっていて、
私をもてあそんだというのか。

そよ風は私を嘲笑っていた。

3/23/2026, 1:46:06 AM

【バカみたい】

星の煌めく日、私は異端審問に掛けられている。

「なんだ、この紙屑は」
審問官が私の腹を蹴りあげながらその紙片を見せつけてくる。

「それは…」
魔女に頼んだ愛の呪文だ、と言うこともできず、しかし彼はその言葉と情報を待っている。

「早く言え」
「それは…ラブレターです…私から、あなたへの」

「は?」と声を漏らしたあと、「バカみたいなことを言うな!さっさと吐け!」と私の顔を蹴った。

代償を伴う愛の黒魔術。異端審問官に恋した私の、最初で最後の罰で、最大の愛情表現。

2/12/2026, 4:03:22 PM

【伝えたい】

フローリングに横たわって、
雲の隙間の光を見る。

このネクタイも結局、
自分を空に押し上げることはない。

「面倒くさいなぁ」
呟いた言葉は冷たい空気に消えていく。

ふと思い出した。数年前、自分に書いた手紙。
追い詰められていた時期に書いたものだ。

棚を探ってそれを見つけ出した。
期待せずに開いた紙に水がぽたぽたこぼれ落ちた。

『命を絶とうとしてるんじゃないか。
ここまでよく頑張ったんだな。』

「なんだこれ」
乾いた笑いが漏れた。

記憶がよみがえる。
数年前、泣きながら机に向かっていたことを。

紙とペンを取り出した。
未来の自分に伝えたいことを書くために。

2/9/2026, 7:29:52 PM

【花束】

一人、森の中を歩いていた。
空気が澄んでて、柔らかい光が差し込んで明るい。

目に優しい緑が私を出迎える。
木々の隙間から見える青と雲の白が美しい。

この森を選んだのは間違いだったかもしれない。
でも、ここは私の心を癒してくれる最後の場所。

ディアスシアとカモミールの花束を持って進む。
良い香りがする。私の恐怖を和らげるみたいに。

枝に手が届く木を見つけた。
私は震えた手で縄をかけた。

この世界の別れを声にしないまま、
私はその罠にかかる。

花束が地面に落ちて溢れた。
私はずっとそれを見ていた。

私への、最後の手向けを。

2/8/2026, 9:47:13 PM

【スマイル】

あなたは誰?どんな人?

いつも笑顔で明るくて、
でも何を考えてるのか分からない。

心に闇があるのかないのか見えない。
その声に不満があるのかないのか聞き取れない。

あなたの紡ぐ言葉は優しいのに、
その言葉の花の下はトゲがある。

ある日、あなたはこう言った。
「どうせすぐに終わりが来る」

吐き捨てたような言葉だった。
丁寧な声音で、柔らかい笑顔だった。

その時の彼女だけは、
誰にも関心がないように見えた。

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