謎い物語の語り手

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【true love】
私が恋慕っていた男性に友人が恋をした。
友人も男だった。彼は禁忌の片想いだと言った。

周りは十人十色の理由で彼を応援した。
私がその男性を密かに好いていたことは、
ついに言い出せなかった。

長いアプローチの末、友人の恋は結ばれたそうだ。
祝福されて、二人はお互いを見て微笑みあっている。

私が隣にいるはずだった。
その笑顔は私がもらおうとしたものだった。
私がその柔らかい声で愛してると言われるはずだった。

叶うわけのない妄想は暴走していった。
私は片想い相手に思いの丈をぶちまけた。

「恋人を愛してるから」
そういわれても私は引けなかった。

いつの間にか、私はみんなからハブられていた。
私が差別主義者?いつそんなことを言った。

根も葉もない噂は広がって、私はここを追い出される羽目になった。

かつての友人は怯えた目で私を見て、それを安心させるようにかつての片想い相手が抱きしめた。

「ああ、私は当て馬だったのか。最初から…」
真の愛、真の友情、真の団結を見た。

なら、私一人が許されないこの世界から、彼らから、私は静かにいなくなろう。

7/23/2025, 6:33:58 PM