謎い物語の語り手

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ただの日記を記そうと思う。

先日、いつメンの友人たちを呼びつけた。
私達は大人になった今もたまに会う仲だった。

夏になってからは初めて会うから、花火しようとでも持ちかけようと思った。

最初に集まったのは私と能天気な友人で、他は後から来ると言った。こんなのはいつものことだった。

待っている間私達はいつものように挨拶を交わした。
また馬鹿みたいな会話をするんだと思ってた。

彼が語ったのは、自分の日常の愚痴についてだった。
私達はそれぞれ違う複雑な状況をもっていて、昔からお互いそれを理解していた。

だから私は、彼の愚痴にただ同調した。
彼は何度も辛い、泣きそう、申し訳ないと言っていた。

「普通に進学して、普通に就職して、普通に恋愛して、普通に結婚してみたかった。普通に誰かと話して、普通に遊びたかった。誰か別の人に生まれたかったなぁ」

話の中で彼はそう言った。私は「そっか、辛いよな」としか言えなかった。

梅雨は既に明けたはずなのにその夜はどしゃ降りで、彼は傘の中で煙草を吸っていた。

その後、コンビニへ行くともう花火が売られていた。
買って少しやってみようと思ったがやめた。

7/14/2025, 8:05:57 PM