lily

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3/20/2023, 11:04:19 AM

『おはよう』と言えば
「おはよう」と返してくれる家族。
『この前さ〜』と話せば
ふざけながらもちゃんと聞いてくれる友達。
『好き』と言えば
「愛してる」と返してくれる恋人。

私は恵まれていると思う。
物凄く、幸せなんだと思う。
家族も、友達も、恋人も、
とても素敵で、大好きな人達だ。
でも私は知っている。
これが、全て、
『夢』だということを。

毎朝起きてまず感じることは、「寂しさ」だった。
あの大切な人達はいないのだという虚無感。
そして、じわじわとやってくる絶望感。
このままずっと寝ることが出来ればいいのにと思う。
いつからだったかもう覚えていない。
私がこんな残酷な世界で生きることが嫌になるくらい幸せな夢を見ることは。
でも私は、この夢を嫌いにはなれなかった。
だって、愛している人達がいるのだから。

多分、今日もまた同じ夢を見るのだろう。
そしてまた、幸福感を味わうのだろう。
知ってしまうのだろう。
なら、伝えようと思った。
夢が醒める前に、
現実から逃げ出したくなるほど、幸せな夢が、醒める前に、
どうしても、伝えたい。

『愛している人達、そして
 残酷な夢へ。』

3/19/2023, 10:46:08 AM

私は今、学校の廊下で展示されている、
(おそらく美術部の人達が展示したであろう絵)
一つの絵の前で突っ立っていた。
動けずにいた。

その絵は、随分とシンプルな絵で、
画用紙の真ん中に、様々な花が描かれていた。
鮮やかな色が使われておらず、全てが白黒だった。
周りの絵は鮮やかに彩られているのに対し、
この絵は、いわゆる「地味」な類に入るのだろう。
そんな絵だった。

でも、何故だろう?
身体も、目も、心も、
そこから動こうとしない。
動こうとも思わない。
やけに胸が高鳴る。
…物凄く、感動している。
なんだろう?
何がそんなに私に感動を与えるのだろう?
みて、考えて、みて、考えて…
全く分からない。
わかるのは、
私はこの絵に心から感動している、ということだけだった。

「夏樹(なつき)ちゃん、何みてるの?」
突然声をかけられてびっくりしながら振り向くと、
そこには、高橋美雪(たかはしみゆき)先輩がいた。
『美雪先輩⁈』
「わ、ごめんごめん。
 驚かせちゃった?」
『いえ…大丈夫ですが…』
「…って、これ…」
そう言いながら美雪先輩が指差したのは、私がずっと眺めてた、感動する絵だった。
「これ、亜希(あき)が描いた絵じゃん⁈」
『あき?』
「西濱(にしはま)亜希。あそこにいる眼鏡かけてる男の人!
…やけに真剣に描いてるなと思ってたけど…」
この絵の作者が近くにいるっていうのにも驚いたけど…

「結構、地味な絵描いてたんだね」
"もっといろんな色使えばいいのに。”
私はこの言葉に一番驚いた。
白黒だからこそ、いろんなことが感じられるんだと思っていたから。
「まぁいいか、
もうすぐでチャイムなっちゃうから、夏樹ちゃんもこんな絵みてないで教室戻った方がいいよ〜」
ばいばいと言いながら教室へ向かう美雪先輩の背中を、茫然としながら眺めていた。

…どうやら、この絵をみて胸が高鳴るほど感動しているのは私だけらしい。
なんでだろ、と思いまた絵を眺めた。
…何も変わらず、胸が高鳴るほど感動している自分がいた。
なぜ…?

(胸が高鳴るほど感動するって、なかなかないことだけれど…
「感動」するものとかって、人によって違うのかな)
私は教室へと急いだ。

3/18/2023, 11:10:58 AM

※『不条理』がテーマの軽い小説が思いつかなかったので、軽く中の人(lily)の考え(?)を小説風で書いてみました。


いいことばかりではなく、不条理があるからこそ、この世は成り立っているんだと思う。
いいことばかりでは、きっとつまらないだろうから。
例えば、物語。
同じような物語しかないのって、なんか嫌な気がしない?
いろんな物語があるからこそ、その物語一つ一つの魅力を知れる。
それと同じように、不条理っていうのはあるんだと思う。

でも、私は、
『不条理』というのは、嫌なことだと思う。
不条理というのは、絶望的なことでよく使われる。
そんな絶望的なことを感じる人が、増えて欲しくないし、絶望的に、ならないで欲しいから。

この世の不条理は、死ぬほどある。
でも、それに真っ当から立ち向かう人は、かなり少ない。
だって、不条理はたくさんあるから。
たくさんありすぎて、もはや、人間の力ではもうどうしようもないものもある。
…きっと諦めているんだろう。
不条理っていうのを無くすのに。

だったら、『不条理』っていうのを減らすことはできるんじゃないかと、思う。
例えば、協力。
不条理の例えを自然災害だとすれば、
みんなが協力して助け合うと、人への被害は
少しでも減ると思う。
ほんの少しでも。
被害がないってのはなかなか無いことだけれど、
被害を減らすことはできる。
それと同じなんじゃ無いかと、思う。

アニメや本のようにはできやしない。
簡単には減らせないし、勇気も出ない。
むしろ,失敗のが増えるのかもしれない。
多分、ほとんどの人は、失敗を恐れて、諦めてるんだと思う。

…不条理って難しいな。

3/17/2023, 1:13:27 PM

私の妹、香奈(かな)は、信じれないほど泣き虫だ。
感動する本や映画はもう100パーセントと言っていいほど絶対泣くし、怒られただけで泣いてしまう。
でも私は、そんな妹が大好きだった。


「ねぇ、お姉ちゃん」
少し泣き声になりながら、私に呼びかける。
『ん?どうしたの?』
「私さ、小さい頃よくいじめられてたよね
私が本当にすぐ泣いちゃうから、泣き虫すぎて、いじめられてたこと
覚えてる?」
『うわ、あれかー。
 懐かしいね』
「私ね、あの時お姉ちゃんに庇ってもらって
『香奈は弱いんじゃない! 強くなるために泣いてるの‼︎』
って言ってもらったこと、本当に嬉しかったんだよ。
私だって、泣きたくて泣いてたわけじゃないんだけど、
周りはそれを理解してくれなくて…
だから、本当に嬉しかった。
今更だけど、ありがとう」
『私は香奈のお姉ちゃんだからね。
またあんなこと言われたら私に相談してよ?
私じゃなくてもいいからさ。
…頼むから、抱え込まないでね?』
「…お姉ちゃん、本当にありがとう。
私、お姉ちゃんの世話になりっぱなしだね」
『そうだね〜。
でも、私がしたくてしてたんだから、気にしなくっていいんだよ』
「…お姉ちゃん、私、もう泣かない」
『え?』
「私、お姉ちゃんに心配されてばっかりだから、
もう、安心させたいなって思うの
お世話焼きのお姉ちゃんが嫌いなわけじゃないよ?
…お姉ちゃん、私のこと、命懸けで守ってくれたでしょ?」
『…ねぇ、香奈』
「私、お姉ちゃんのおかげで今も元気で過ごせてるんだよ。
…私も、お姉ちゃんみたいに強くなりたいんだ。
大切な人を、守りたい」
『香奈…』
「ごめんね、お姉ちゃん…
私守られてばかりだった。
でも、感謝してる。ありがとう」
『香奈』
「お姉ちゃん…もう、心配しなくていいんだよ」
『香奈!』
「もう、泣かないよ。
笑って、元気に過ごす」
「泣かないから、安心して」と繰り返す妹は
前を向いて、歩こうとしている。
…私はもう香奈のそばにはいれないけれど。

…香奈はこんなにも強くなったんだな。
「お姉ちゃん、ありがとう。
私を守ってくれて、愛してくれて」
『香奈、ありがとう。
あなたを守れて、愛せることができて、よかった』
だからどうか、お元気で。

3/16/2023, 1:03:05 PM

僕は夜の暗い道を歩くことができないほど怖がりだ。
もちろん、ホラー系のゲーム、映画、本も苦手だ。
小さい頃はよく、
「男の子なんだから、このぐらい怖がってどうするの」とかなんとか言われていた。
だって、仕方がないじゃないか。
本当に怖いんだもの。

僕の親友、真斗(まさと)は僕とは真逆で、
大のホラー好きだった。
ホラー系のゲームも映画も本も、
全て「面白いなぁ」という一言で片付けてしまうくらい、真斗はホラーに耐性があった。
僕のホラー耐性を全て吸い取ってしまったんじゃ無いかと思うくらい、彼は怖がらない。
でも真斗は他の人と違って、
ホラーがまじで本当に苦手な僕を馬鹿にしなかった。
むしろ、ホラーのどんなことが苦手なのかとか、一つ一つ丁寧に聞いてくれて、
僕の前ではホラー系っぽい話とか、怖いものとかを出さないようにしてくれた。
一度、どうして好きな怖い系のものをわざわざ我慢して、僕のそばにいてくれるの?と、聞いたことがある。
真斗は、
「もちろんホラー系のやつも好きだけど、楓(かえで)と一緒にいるのもとても楽しいから」
だから、我慢してるわけじゃないんだよと、
実に彼らしい返事を聞かせてくれた。

彼は本当に素敵な人だと思う。
…ホラーが大好きすぎること以外はね‼︎


(「ホラー系のどんな所が好きなの」と聞いたことがあるが、満面の笑みで「全部」と返され、納得いってない楓)

…きっと僕にはホラー系の魅力をわかることはないんだろうなぁ…

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