lily

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僕は夜の暗い道を歩くことができないほど怖がりだ。
もちろん、ホラー系のゲーム、映画、本も苦手だ。
小さい頃はよく、
「男の子なんだから、このぐらい怖がってどうするの」とかなんとか言われていた。
だって、仕方がないじゃないか。
本当に怖いんだもの。

僕の親友、真斗(まさと)は僕とは真逆で、
大のホラー好きだった。
ホラー系のゲームも映画も本も、
全て「面白いなぁ」という一言で片付けてしまうくらい、真斗はホラーに耐性があった。
僕のホラー耐性を全て吸い取ってしまったんじゃ無いかと思うくらい、彼は怖がらない。
でも真斗は他の人と違って、
ホラーがまじで本当に苦手な僕を馬鹿にしなかった。
むしろ、ホラーのどんなことが苦手なのかとか、一つ一つ丁寧に聞いてくれて、
僕の前ではホラー系っぽい話とか、怖いものとかを出さないようにしてくれた。
一度、どうして好きな怖い系のものをわざわざ我慢して、僕のそばにいてくれるの?と、聞いたことがある。
真斗は、
「もちろんホラー系のやつも好きだけど、楓(かえで)と一緒にいるのもとても楽しいから」
だから、我慢してるわけじゃないんだよと、
実に彼らしい返事を聞かせてくれた。

彼は本当に素敵な人だと思う。
…ホラーが大好きすぎること以外はね‼︎


(「ホラー系のどんな所が好きなの」と聞いたことがあるが、満面の笑みで「全部」と返され、納得いってない楓)

…きっと僕にはホラー系の魅力をわかることはないんだろうなぁ…

3/16/2023, 1:03:05 PM