SAKURA・Lemon

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6/17/2024, 12:33:29 AM

_好きな本_


今日は彼と一緒に図書館へ行った。少し不思議な構造の建物。本が置いてある棚は何処となく散らばっているように見えて、まるで迷路みたいな、神秘的な場所。なのに凄く居心地がよく落ち着いた。

「ここはね、俺がよく通ってる図書館なんだ。本当に色々な本があってね___」

彼は夢中になって私にここの図書館の良さを教えてくれた。ずっと昔から本が好きだったもんね。

「こうやって、智也と図書館に来るとあの時のことを思い出すなぁ」

初めて貴方を知った日、貴方を好きになった日、貴方と仲良く慣れた日。全てがあの思い出のある図書室だった。

「あぁ、そうだね。毎日図書室利用してたなぁ」

「ふふ、まさか私に会うためじゃないよね」

いたずら気味に言うと、彼は少し目を逸らしてすぐに答えた。

「そうだけど。」

「…へ」

私、てっきり普通に本が好きできてたのかと…まぁ一時期もしかして私のために来てるかも…!って思った時もあったしな。

「ふふっ良くないヨォ?」

「え、何でだよ笑」

私たちの一番の共通点は本を読むことが大好きなこと。
これからは、私達の世界にたった一つしかない物語、これが私達にとって分厚い本になっていく。一番好きな物語。

6/14/2024, 11:38:13 AM

_あじさい_


今日は彼と二人で紫陽花が沢山咲いている場所にデートしに行った。この間、大雨のせいで中止にされたデート。今日こそ彼とこの紫陽花を見に来ることができた。

「わぁ〜!凄く綺麗。」
「ですね、紫陽花はもちろん。今日は晴れて何よりです。」
「ね〜、晴れてよかったぁ、」

ヘナヘナとする私を彼は微笑ましく見ていた。紫陽花にも同じように、彼は優しい笑みを溢した。

紫陽花ロードを進んでいくと、紫に青、あたり一面紫陽花で埋め尽くされていた。

その後は紫陽花を鑑賞して、紫陽花のお土産スペースに寄った。可愛い紫陽花の柄のペンやポーチ、花束まであった。

並んでいる商品に見惚れていると彼に名前を呼ばれた。何か買ってきたようだった。

「これ、貴方に渡したくて。受け取ってくれますか?」

「えっ、いいの?嬉しい、ありがとう!」

私は満面の笑みを彼になげ、彼から可愛いピンク色のリボンがついた紫陽花を渡された。

「ふふ、白色の紫陽花の花束です。どうしても貴方にあげたいなと思ってつい。」

「へぇ〜、可愛いね。」

私は彼からもらった大切な紫陽花の花をリビングの机に飾った。

6/12/2024, 1:20:20 PM


_好き嫌い_

「…もう貴方なんか大嫌いだよっ…!」
言ってしまった。もう駄目だ。

「…あぁ、そうですか……俺も貴方のことが嫌いです。」

彼は私に絞り出すような声で、でもそれは凄く静かに慎重にいっているようでもあった。

部屋の中は沈黙でただただ気まずい雰囲気が流れる。
私は居ても立っても居られなくなり、自分の部屋へ強引に入っていき、ドアを力強く閉めた。

彼と喧嘩なんていつぶりだろう。これまでは喧嘩をする理由がなかったから当然とっても仲が良かった。でも今日はとっても些細なことで、喧嘩になってしまった。今までそんな事一度も無かったのに…。

私は色んな感情が込み上げていき静かに泣いていた。本当は嫌いじゃない。本当は大好きな彼。なのに言ってしまった。大嫌いって。後悔と怒りと哀しみでまた泣き喚いた。

30分ぐらい部屋で自分の感情を落ち着つかせていると、彼のことが心配で堪らなくなってきた。けど、今行ったってまだ彼が怒っているかもしれない。いらない考えが次々と出てきてまた立ち止まる。早く彼に謝りたい。もう一度お話ししたい。私は決心し、そっとドアを開けてリビングに出た。

そこには、一人黙って下を向いて泣いている彼の姿があった。居てもたっても居られなくなり、私はそっとリビングの方へ行き、彼が座っていたソファーに腰掛けた。

彼は私の行動に凄く戸惑っていて、すぐにまた下を向いた。

「……」

「……」

本当は今すぐ謝りたい。けど、やっぱり何処か言葉が詰まり声が出なくなってしまう。この空気が耐えられなくて、私は静かに彼に抱きついた。

「…ごめんなさい。大嫌いって言ってごめんね。」

彼の顔が見れなくて抱きついたまま下を向いていると、頭の方でなにか優しいものが触れた。

「…俺もごめんなさい。貴方に嫌いって言われた瞬間、心に黒い穴が空いたように感じて、俺も咄嗟に貴方を嫌いと言ってしまいました。本当に情けないですよね…。」

「そんなことない…っ。悪いのは私。元を言えば喧嘩の理由も私だし…。」
「…貴方だけのせいじゃありません。俺の責任でもあります。…ふふ、お互い様ですかね。」
そういう彼に、いつもの優しい表情が戻ってきた。

「…うん。…大好きだよ、ずっとずっと。これからも変わらない.嫌いっていうのは嘘だよ。」

「俺も、嫌いだなんて事一切思ってません。大好きです。一生好きです、…愛してます。」

お互いに仲直りができて、本当の気持ちを伝えることがまたでき、そのあとは二人で一緒に仲良くベットで寝たとさ。

6/12/2024, 10:13:41 AM


_街_

成人して、早二年が過ぎていき、気づけば今住んでいる街にとても馴染んでいた。とある真夏日、バイト帰りに街を彷徨いていると下校中の子供の姿が見えた。ふと、地元の登下校中によく公園で遊んでいたことを思い出した。そこでは、4、5人ぐらいの男女共に鬼ごっこをしたり、皆んな散らばって遊んだりと、凄く思い出深い場所だった。登下校中のランドセルを背負った子供達がバカ笑いしてふざけ合っている。

もう、あの頃には戻れないんだな。子供の頃は何でもできそうで、将来がきらきらしている大人に早くなりたくて仕方がなかった。

でも、今になって気づく、子供の頃の馬鹿騒ぎして怒られたり、沢山ふざけ合って帰った帰り道、何もかもがもう二度と戻ってこないような思い出なんだ。心の中にある懐かしい大切な思い出も、いつかは無くなるんじゃないのか。

帰り道でよく通っていた川に近い大きな橋がある町。今住んでいる街には、高いビルに多くの人集り。地元とは正反対の街。ここで新たな思い出をつくりたい。子供の頃に憧れていた、この場所で、幸せを築き上げていきたい。

6/10/2024, 12:51:43 PM

_やりたいこと_

「今日一日、なにかしたい事とか、やりたい事ある?」

「んん〜…私は何処でもいいかなぁ…あっ貴方が行きたいところが行きたい!」

そうきたか…
なんと今日は彼女の誕生日だ。プレゼントだけだと、いまいちあれなんじゃないかと思い、ついデートに誘ったが、行きたいところなんて考えてない…。いやクソだなって思うだろ?でもな、今日は彼女が主役だから、彼女の行きたいところをなんでも連れてってやろうと計画していたんだ。
…それじゃあただの言い訳か…。

考えてもない&それがなんと俺が行きたいところとは…
どうしよう、ここは普通に遊園地に行くか…いや、水族館か?その後は適当に飯でも食って…いや、
折角の彼女の誕生日に適当なスケジュールは嫌だなぁ…。

黙って考え込んでいたところ、彼女が心配そうにこちらを見つめていった。

「え、えっと、ごめんね?私のわがままだったかな…?」

俺は、ハッと我にかえる。…また彼女に謝らせてしまった。
はぁ…がちで俺何してんの…。ここで考え込んでもどうしようもないだろ…。

「…その、本当にごめん…実は今日君の行きたいところにデートしに行こうと計画してて…何処に行こうか決まってないんだ…。これじゃあただの言い訳だけど…。」

彼女がポカンとした顔で俺を見つめる。…やらかしたな、折角の誕生日なのに何やってんだよ…。情けない男だ。きっと嫌われる。

落ち込んでいるとふと彼女の笑い声が聞こえてきた。

「ふふっ、いいよ。全然。貴方も貴方で沢山考えてくれたんでしょう?それだけで充分よ。今日は私の行きたいところに行こう。」

と、俺に優しく笑いかけた。

「あぁ、ごめんな。…」

「いいよ!そんなに落ちこまなくても!私のためにたーっくさん考えてくれただけで私、すっごく嬉しいから!…ね?」

俺をフォローするかのように必死に伝えてくれた。本当優しいな…。
その後は彼女の行きたいところに行って彼女のやりたい事を沢山した。

そして、デートのクライマックス。

「誕生日おめでとう。」

俺は手に持っていた赤のリボンが結んである、可愛い紙袋をそっと彼女に渡した。

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