SAKURA・Lemon

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_好き嫌い_

「…もう貴方なんか大嫌いだよっ…!」
言ってしまった。もう駄目だ。

「…あぁ、そうですか……俺も貴方のことが嫌いです。」

彼は私に絞り出すような声で、でもそれは凄く静かに慎重にいっているようでもあった。

部屋の中は沈黙でただただ気まずい雰囲気が流れる。
私は居ても立っても居られなくなり、自分の部屋へ強引に入っていき、ドアを力強く閉めた。

彼と喧嘩なんていつぶりだろう。これまでは喧嘩をする理由がなかったから当然とっても仲が良かった。でも今日はとっても些細なことで、喧嘩になってしまった。今までそんな事一度も無かったのに…。

私は色んな感情が込み上げていき静かに泣いていた。本当は嫌いじゃない。本当は大好きな彼。なのに言ってしまった。大嫌いって。後悔と怒りと哀しみでまた泣き喚いた。

30分ぐらい部屋で自分の感情を落ち着つかせていると、彼のことが心配で堪らなくなってきた。けど、今行ったってまだ彼が怒っているかもしれない。いらない考えが次々と出てきてまた立ち止まる。早く彼に謝りたい。もう一度お話ししたい。私は決心し、そっとドアを開けてリビングに出た。

そこには、一人黙って下を向いて泣いている彼の姿があった。居てもたっても居られなくなり、私はそっとリビングの方へ行き、彼が座っていたソファーに腰掛けた。

彼は私の行動に凄く戸惑っていて、すぐにまた下を向いた。

「……」

「……」

本当は今すぐ謝りたい。けど、やっぱり何処か言葉が詰まり声が出なくなってしまう。この空気が耐えられなくて、私は静かに彼に抱きついた。

「…ごめんなさい。大嫌いって言ってごめんね。」

彼の顔が見れなくて抱きついたまま下を向いていると、頭の方でなにか優しいものが触れた。

「…俺もごめんなさい。貴方に嫌いって言われた瞬間、心に黒い穴が空いたように感じて、俺も咄嗟に貴方を嫌いと言ってしまいました。本当に情けないですよね…。」

「そんなことない…っ。悪いのは私。元を言えば喧嘩の理由も私だし…。」
「…貴方だけのせいじゃありません。俺の責任でもあります。…ふふ、お互い様ですかね。」
そういう彼に、いつもの優しい表情が戻ってきた。

「…うん。…大好きだよ、ずっとずっと。これからも変わらない.嫌いっていうのは嘘だよ。」

「俺も、嫌いだなんて事一切思ってません。大好きです。一生好きです、…愛してます。」

お互いに仲直りができて、本当の気持ちを伝えることがまたでき、そのあとは二人で一緒に仲良くベットで寝たとさ。

6/12/2024, 1:20:20 PM