SAKURA・Lemon

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6/9/2024, 2:22:08 PM

_朝日の温もり_


日曜日の朝。いつもよりも遅く起きた。朝日が照らされていて、ご機嫌に伸びをしてベットから降りると、いつもなら彼の方が早く起きて朝食の準備をしてくれていて、とっても優しい彼が、ベットの隣でまだ眠っていた。

私はいるはずも無い彼がまだ隣で寝ていて少しびっくりした。最近、ちょっと疲れ気味だったからかな…。
私は彼のぐっすり眠っている顔をまじまじと見つめた。
いつもはこんなに見つめる事もないから…少しドキドキするなぁ。

彼の、一定に優しく呼吸をする音。ふわふわとした髪。私に近づいて寝ていたであろう、凄く距離が近かった。
いつもは何処かクールでかっこいい彼、すやすやと眠っている顔を見ていると凄く可愛らしく見えた。
そんな彼がとても愛しく思えて、思わず頭を撫でた。
…ふふ、いつもと立場が逆ですよ〜。

まだ、寝てても良いからね。今日は私が貴方のために張り切って朝食を作ってあげるから。

朝日が照らされているカーテンを静かに開けて、彼のために作る朝食に沢山の愛を込めて作りました。

6/9/2024, 4:11:30 AM

_岐路_


人生において、とても重大なわかれ道があるよね。こちらが正解なのか、あるいはこっちの方が正解だったのか…。自分の人生や他人の人生、答えは誰にも分からない。

この先どうなっていくのか、幸せであろうと思っていた道には思いがけない事で一気に崩れ、壊れていく。それが怖くてまた悩む。
考えるのが疲れた時は休んでも良い。誰か大切な人と一緒に悩んでも良い。沢山悩んで決めたものでも、やっぱり少し、あれにしとけば良かったかな…とか、こっちにしなきゃよかった…って思う時もある。それもまた人生。自分の道の選択肢には正解がない。もしかしたら、悪い方に決めてしまった場合も後々に凄いことが起こるかもしれない。

この先何が起こるか分からない。それでも、自分の選択が少しでも幸せでありたい。また新たな道に着くまで、大切な人と歩めるまで、ゆっくり時間をかけて進みたい。

6/7/2024, 11:36:08 PM


_世界の終わりに君と_



「ねぇ、この世が最後になったらどうなるんだろうね…。」

静かにコーヒーを飲んでいた所、彼女が突然大きな疑問を抱くので口に含んでいたコーヒーが吹き出しそうになるのを堪えて飲み込んだ。

「今日は静かなもので心配でしたが…ふふ、急にどうしたんですか。…変な夢でも見ましたか?」

今日は普段みたいに明るい彼女の姿は何処にも見当たらなかった。何を言い出すのかと思っていたら、まさかの大胆な考え。ふふ、彼女らしくて可愛いですね…。

「ちょっと考えちゃって。昨日見た本にそんな感じのが書いてて、どうなんだろうなぁって思っただけだよ。」

「なるほど…。もし、世界が最後になったら…。俺とデートしてくれませんか?」

甘い言葉を彼女にうつつもりだったが、やっぱり彼女と一緒に過ごしたいと言う願望の方が勝って自分の我儘になってしまった。

「…デートだけでいいの?」

…?
彼女の頬は少し赤みが刈っていた。…彼女は何を考えているのだろう。

「どうしました……か。」

体をピタッと止める。彼女の意味深な言葉と赤くなっている理由を理解した瞬間。俺の顔はみるみる内に赤く染められていく。

「…俺はいつでも良いですけどね。」

これは本当だ。なんなら今も触りたいぐらい、彼女の事を好いているのだ。…これは彼女には言わないでおこう。

「…え、へ?い、いつでも…⁈。え、良いの?」

あたふたする彼女。混乱の目をしていて凄く可愛かった。

「はい、俺はいつでも貴方の側にいたいし、守ってやりたいです。でも、側にいるだけでも充分幸せですが…それだけじゃなにか物足りないですし…。」

そう言って俺は彼女に優しく抱きついた。強く抱きしめたら壊れてしまいそうな気者な体。俺の好きな甘い香り。サラサラでふわっとした髪。抱きしめるとわかる、この感覚。自分で抱いた癖にこれが俺を尚更ドキドキさせる原因でもある。

「……。」

俺は優しく彼女の頬を触り、キスの体制をとる…。
そうすると、彼女は慌てる様に俺に言った。

「キ、キスをして良いのは世界の終わりの時だけだよ、!
…ほら、もうハグし合っているんだし!充分よね…!」

そう言ってまた俺を強く抱きしめた。…最後の日までダメって事だよな…。

「…俺さっき言ったじゃないですか。物足りないって。それに、世界が終わるまで待てませんよ、たとえ終わりが来ようと、終わってほしくないです。貴方との幸せな時間を無くしたくないです。」

俺は真剣に彼女を見つめた。…これじゃあまるでキスをどうしもやりたい変態野郎みたいになってしまうか。まぁ、そうなんだけど。
「なので…俺は最後の時まで絶対に待てませんよ。」

「…ふふっ、ごめんなさい。私だって最後の時まで待てないよ。」
照れくさそうに言う彼女。俺も自分で言っといて、照れくさくなってきた。
「俺も耐えられません。毎日充電してもらわないと。」


「ま、毎日キスは恥ずかしいから…やだ。」

そう言う彼女は何処かいたずらそうに笑っていた。その後はまた俺を強く抱きしめた。ふふ、逃しませんよ。俺には貴方を守る権利があるから。


「もし、本当に最後が来たら、それまでに、沢山の幸せな思い出をつくりましょうね。」

6/6/2024, 1:24:09 PM



_最悪_


私は良く、自分の意思と逆の事をしてしまう。これは別に障害とかそう言うのじゃなくて、ただたんに恥ずかしくてって事とか、ネガティブ…て、感じかな。例えば、誰かが自分を褒めてくれた時とか、本当はすぐにありがとうって言いたいのに、
「本当はそう思ってないくせに…。」
と、勝手に口に出してしまう。そりゃあ相手も嫌な顔になる。本当はとっても嬉しい。でも、心に何かがつっかえるみたいに、自分の気持ちを素直に喜べない。そんな自分が嫌だった。早く治して自分の気持ちに素直になりたい。

今日も彼と雑談をしている時に、また最低で最悪な返をしてしまう。

「貴方って、私と話してて楽しいの…?私は貴方の思っているような人じゃないよ?」

あぁ、バカじゃん私。彼は一瞬ビックリしたかのように目を見開いた。少し戸惑ってすぐに私を慰める様に、

「俺は貴方と居るからこそ、楽しく、愛しい気持ちが溢れてきます。…だから、そんな事言わないで下さい…。」

ネガティブで自分勝手な発言にも対して彼は私に真剣で正直な気持ちで伝えてくれた。…いや、正直な気持ちかはわからないけど…。
こんな、こんな醜い私を愛してくれる。そばにいてくれる。
そう思うと、突然涙が溢れてきた。
「…ごめんなさい。私は、こんなにも最低最悪な人なのに…性格だって最悪なのに…。」
泣きながら彼に謝ると、私の頭をそっと撫でてくれた。
「大丈夫です。俺は貴方が側にいてくれるだけで、それだけで幸せですから。でも、俺の最愛な人が自分を自己嫌悪しているのは…ものすごく辛いです。」

彼は涙で濡れた頬と目を優しく手で拭き取りながら私に問いかける。

「…貴方は凄く優しいお方です。"ネガティブ"。それもよさです。自分を謙遜できるし、慎重さもある。しっかり者って事なんですよ。俺はそんな貴方も大好きなんです。」

そう言った彼の表情はやっぱり優しい。彼は偽りもない、とっても優しい彼だ。私も続いて優しい笑顔を作った。

ふわっと言葉が頭に浮かぶ。言うなら今だけ。そんな気がして口元が緩んだ。
「ありがとう。私も愛してるよ。」
私は嘘のない、正直な気持ちを彼に伝えることができた。
彼は私を強く抱きしめてくれた。


_最悪_(正直)





書いてなかったので組み合わせました。

6/5/2024, 11:30:08 AM

_誰にも言えない秘密_

私にはずっと昔から誰にも教えられない、秘密にしている事がある。それは高校生から使っているシャーペンの中に潜んでいた。

小物が沢山並んでいるお店で一つだけ、凄く惹きつけられたシャーペンがあった。私はすぐにシャーペンをレジまで持って行き購入した。家に帰ってから、そのシャーペンをまじまじ見つめた。こんなにも小物に惹かれたのは初めてだった。ふとそこで、今このシャーペンみたいに、心強く惹かれた彼のことを思い出した。私は少し恥ずかしながらもシャーペンの一番上の部分にある小さな消しゴムに、小さく彼のイニシャルを書いた。その後、そのシャーペンを三年間、大事に大事に使っていた。

今思うと、高校生の頃の自分の行動がやっぱり恥ずかしくなった。…好きな人の名前書くとか…勇気あったなぁ…。
…そういえば、あのシャーペン何処にあるんだろう。
私は、自分の部屋にある棚や箪笥の中を探してみた。引き出しを勢い良く開けると、見慣れた筆箱がコロンと音を立てて転がってきた。その筆箱の中身を覗くと…。
…あった…!
私は思い出の籠った懐かしいシャーペンをそっと握りしめた。上の部分にある小さな消しゴムにはしっかり彼の名前が。…やっぱりちょっと照れるな。…

「…あ。ここに居ましたね。」
ふと、彼が部屋に入ってきた。
「家に帰ったら、貴方が居なくて…。あれ、そのシャーペンは何ですか?」
彼は見慣れないシャーペンに気がついて、私に近づいてきた。
「ふふ、これはね、私が高校の頃に使ってたシャーペンだよ。」
私は大事そうにシャーペンを握る。
彼は私が大事そうにしているのを見て、優しい笑顔を作った
「そうだったんですか。かなり高級そうですね。」
高級そうと言われ、思わず笑いそうになった。
「全然。結構安かったよ。でも、私にとっては凄く高級な物かもね。」
「大切な物なのですね。誰かから貰ったんですか?」
「ううん。違うよ。ただ大切にしていたってだけ。」
眩しい笑顔を彼に見せる。彼は微笑ましく笑った。
「なにか大切な理由があるんですね。」
「うん。ふふ、貴方には内緒だけど。」
そう言うと、彼は気になるなぁと、いたずらそうに笑った。
その後は、いつも私だけに見せてくれる、優しくて微笑ましい笑顔を見せてくれた。その笑顔はずっと変わらない、私が心惹かれたあの笑顔にそっくりだった。
私はこっそり"彼"の名前が書いてある所をチラッと見た。
今思えばこのシャーペンのおかげだったのかもしれない。と、心の中でありがとう。と伝えた。

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