SAKURA・Lemon

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_最悪_


私は良く、自分の意思と逆の事をしてしまう。これは別に障害とかそう言うのじゃなくて、ただたんに恥ずかしくてって事とか、ネガティブ…て、感じかな。例えば、誰かが自分を褒めてくれた時とか、本当はすぐにありがとうって言いたいのに、
「本当はそう思ってないくせに…。」
と、勝手に口に出してしまう。そりゃあ相手も嫌な顔になる。本当はとっても嬉しい。でも、心に何かがつっかえるみたいに、自分の気持ちを素直に喜べない。そんな自分が嫌だった。早く治して自分の気持ちに素直になりたい。

今日も彼と雑談をしている時に、また最低で最悪な返をしてしまう。

「貴方って、私と話してて楽しいの…?私は貴方の思っているような人じゃないよ?」

あぁ、バカじゃん私。彼は一瞬ビックリしたかのように目を見開いた。少し戸惑ってすぐに私を慰める様に、

「俺は貴方と居るからこそ、楽しく、愛しい気持ちが溢れてきます。…だから、そんな事言わないで下さい…。」

ネガティブで自分勝手な発言にも対して彼は私に真剣で正直な気持ちで伝えてくれた。…いや、正直な気持ちかはわからないけど…。
こんな、こんな醜い私を愛してくれる。そばにいてくれる。
そう思うと、突然涙が溢れてきた。
「…ごめんなさい。私は、こんなにも最低最悪な人なのに…性格だって最悪なのに…。」
泣きながら彼に謝ると、私の頭をそっと撫でてくれた。
「大丈夫です。俺は貴方が側にいてくれるだけで、それだけで幸せですから。でも、俺の最愛な人が自分を自己嫌悪しているのは…ものすごく辛いです。」

彼は涙で濡れた頬と目を優しく手で拭き取りながら私に問いかける。

「…貴方は凄く優しいお方です。"ネガティブ"。それもよさです。自分を謙遜できるし、慎重さもある。しっかり者って事なんですよ。俺はそんな貴方も大好きなんです。」

そう言った彼の表情はやっぱり優しい。彼は偽りもない、とっても優しい彼だ。私も続いて優しい笑顔を作った。

ふわっと言葉が頭に浮かぶ。言うなら今だけ。そんな気がして口元が緩んだ。
「ありがとう。私も愛してるよ。」
私は嘘のない、正直な気持ちを彼に伝えることができた。
彼は私を強く抱きしめてくれた。


_最悪_(正直)





書いてなかったので組み合わせました。

6/6/2024, 1:24:09 PM