春の眼差しが見えなくなった
花曇りで、形を作って、夜の星が薄くなった
寂しさがどこにもいけないみたいな
それがまた寂しくて、小さな涙で本が濡れた
誰かが幸せに化けるなら
私はその文字に1つだけ、線を足して
死人の口を閉じさせて
死人がぼくに問いかけた
林檎色の顔で 電車が止まった時に
それにまた耳を塞いだの
なにも聞こえはしなかったような
そんな気でいたかったから
僕のかいたもの 見た時あなたの顔が
哀れみでも、励ましでもどちらでも
月桂樹の影を踏んで終わっただけだった
地球の軋む音がして怖かった
影が大きくなって
そのまま包み込まれるみたいな夜が来た
誰もいない信号機の横で 手を引かれて連れ去った
どうしたらと、吐いた息が空に消えてゆく
影増えて、 増えて、 増えて
でもそれで嬉しかったな
夜が終わらない日が 僕達の中で生まれたみたいだった
誰もいないサーカス場で 僕たちずっと遊んでて
松が伸びて それをスケッチしてた 目の前が
煌めいた気がしてたけど 誰も彼も なにも言わなかった
誰も彼も消えていったから あらゆるお願い全て
凍った池の中で魚と一緒に踊ってた
1匹の鯉が跳ねた時
君がすこし消えかけた時 僕も一緒に書けてった
昨晩から作品を作り続けていた。
長旅に身を任せた手紙みたいに、ゆっくりと音楽を聴きながら。
雨から逃げ続けていた気で、ずっと雨玉は僕の耳元に鳴り続けて、僕の作品にバックコーラスを奏でていた。
でもそれがやんでしまっては、僕は何か物足りない気がするんだ、
ただ降り続けるその前に、戻っただけというのに。
それは飼い主をなくした野良犬みたいなことだろうか。
夢幻の声がだんだん大きくなって 轟いたみたい
僕の言葉が手の隙間からこぼれ落ちて、どんどん消えてしまう夢を見た。
ずっと何かを追いかけて、水溜まりを踏んで、水が飛び出したところで目が覚めた。
今度、というあるかも分からない概念に私は心に縋っていた。上手くいくと思っていたから、そんなに悲しんでいたのだと、いつ気づくことが出来るのだろう?
その門を通るところから、私はもう諦めなければならなかったのかもしれない
変な赤色なんて、最初から塗りたくら無ければ良かったのかもしれない。
いつまでも、隣にいてくれる飼い主を探し求めていた
ように。冷たい戦争みたいな、そんなものが欲しかったわけではなかったのに。
時報が知らされることを、全く知らなかったみたいな僕でいた。
僕は雨玉にいつから追いつけるんだろう。
(1)
教会で時計がチッタとなる頃、あの子はその隣で歌を歌って、誰も居ないその場所に音を響かせてた
そこにある葉っぱが散るよりも長く綺麗な高い声だったけど、
消して上手いとは言えない歌だったけど
何度も口どけが残るみたいにそんな、あたたかいスープみたいな歌
空から落っこちるみたいな風が吹いてその子は居なくなってしまったのを覚えてて
そのまま夜遅くの月明かりだけを見て海辺に帰ったのを覚えている。
その子は居ない子だって思うようになったのは
それから随分立った頃で、私がそんな話を誰かにしたこともないけれど
またあの教会に行ってみたくなった。そこには治安が悪いというか、結構暗い雰囲気が漂っていたんだけれど、気になっていつもいつも考えてしまうようになったから、行ってみることに決めたの。今日はあの頃より少し月が欠けていた。
痛みがありペンを持つことは出来なかった
それは呼応になり 消して許されないみたいに
雨玉琥珀が流れてきても 眼が移ろいで みたくない
それが少し汚くなければ なにも見えなくなるみたい
ただ前を見ているだけじゃ 誰も彼も
後ろを見つめていれば それが 前になるみたいに
全員 私を指さした それは悪になるみたいにって
例え一角獣が あちら側にいたとしても
仕方ないでしょう 例え、悪魔がどちら側でも関係ない
満たされたいのに 満たされないように
ガーベラの声
夕立に揺れるりぼんがまるで似合わないって
傘の音鳴らされて それが愛すことだろうか
傘をあげること出来たなら 何が満たされた?
帰り道 黄色いビー玉 僕を呼んでいた
図書館で 左右に揺れた手が張って痛い
いつ時計が鳴るか それをいつ読み終わるかな
何時の間にか閉店時間 パッとしたチャイムが耳に残り
誰もが居なくなる 真夜中の小さな図書館の中
誰もの寂寥が残るのだろう
最後にカーテンコール揺れて 私の頬を撫でてくれる
いつかの声も忘れちゃうようだ
正解の答え探しをして 何度も何度も解き直したんだけど 何度も何度も頑張ったけど 何も出なかったことより
頑張った分だけ脈がなくなっちゃって
あの小説は もうどこへいってしまったんだったっけ。
喜んだ過去より醜い顔面が先に目がいくの
どれだけね話したいことって 見つからないから
どれだけね虚しくたって その関係取り繕って
死にたくなるんだ
部屋が愚痴ゃぐちゃに 埋められていくのに
心がぜんぜん 埋まらない 布団にかくれんぼ
こんな詩書き連ねても ぜんぜん足りないね
他人も想って 削って 隠して 屈めて
死に体の処理を全く出来ずに
悲しい海の底 たくさんの雲に プカプカに
どこがあったっけ
そこになにがあったっけ
なにもないんだっけ
分かりもしないくせに どうしてそんなに分かったふりしてるんだろう
でも そんなもんなのかな ただのエゴイストに
ただのツクリモノのトマトジュース
海の底悪くは無い
誰も入ったことない ただ、入ったやつは死んだと思われるだろう
何度も何度も同じことを考えているのに
全くその事に気づかない 僕達はまるでかき回される珈琲になって
甘さが欲しくて旅に出る でも結局辛くてふりだしに戻るだけになる。
綺麗なポコポコした音、どこからか耳をすませば聞こえてきたりする時もあって
何度も聞いてしまうんだ 心にならされる。
心臓の音よりずっと綺麗だからかな
「でもまるで素敵だね」
その言の葉はどれだけの枝が切られて作られた者だろうか
そんな事考えてる時点で濁流の海に流されている者たちだ。今まで生きてきた道を隠そうと必死にしている者たちだ。
土台はゴミだと 作られたカスだからそう言うしか無かった 後ろ姿に手を繋ぎ それを必死に繕うとするね
何があるの?後ろの正面だけ それだけで創作してる