六月の帰路

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昨晩から作品を作り続けていた。
長旅に身を任せた手紙みたいに、ゆっくりと音楽を聴きながら。
雨から逃げ続けていた気で、ずっと雨玉は僕の耳元に鳴り続けて、僕の作品にバックコーラスを奏でていた。
でもそれがやんでしまっては、僕は何か物足りない気がするんだ、
ただ降り続けるその前に、戻っただけというのに。
それは飼い主をなくした野良犬みたいなことだろうか。

夢幻の声がだんだん大きくなって 轟いたみたい
僕の言葉が手の隙間からこぼれ落ちて、どんどん消えてしまう夢を見た。
ずっと何かを追いかけて、水溜まりを踏んで、水が飛び出したところで目が覚めた。

今度、というあるかも分からない概念に私は心に縋っていた。上手くいくと思っていたから、そんなに悲しんでいたのだと、いつ気づくことが出来るのだろう?
その門を通るところから、私はもう諦めなければならなかったのかもしれない
変な赤色なんて、最初から塗りたくら無ければ良かったのかもしれない。

いつまでも、隣にいてくれる飼い主を探し求めていた
ように。冷たい戦争みたいな、そんなものが欲しかったわけではなかったのに。
時報が知らされることを、全く知らなかったみたいな僕でいた。
僕は雨玉にいつから追いつけるんだろう。



10/14/2022, 3:24:16 PM