アルベルト幸薄

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3/9/2024, 9:43:35 AM

「お金持ちになりたい」お金さえあれば世の中なんでもなる。お金さえあれば何でも手に入る。お金さえあれば幸せになれる。僕はそう信じている。

作文なんて言ってもなんにも思いつかないよ。お題は将来の夢。みんなスラスラと書き始めてる。耳にいやというほど夢を描いている音が聴こえてくる。あたりを見回しても鉛筆が尖っているのは僕だけっぽい。この時間が始まって早二十分。何も書いていない。見回りをしている先生がもうすぐこちら側にやってくる。まずい。このまま白紙だと先生に絡まれる。先生に絡まれると僕の作文用紙が白紙であることが周りに間接的に伝わってしまう。それはなんとしても避けたい展開だ。先生が来る前にとりあえずなんでもいいから書いておくか。「お前どうした」思わず体がビクッと反応する。「何も書いてないじゃないか!」来るのが想定よりも早かった。とてもまずいことになった。一番望まない展開になってしまった。「さては寝てたな?」あたりがざわざわする。「違います」「じゃあなんで何も書いてないんだ」「それは…」「とぼけるな!」あたりから嘲笑の笑い声がする。「言い訳はいいからさっさと書け!」その一言でさらにざわざわする。「静かに!」

はぁー。うざい。人の話を聞かない声だけでかいやつはクズだ。今日でより一層その偏見が心底根付いたよ。結局あのまま何も書けず宿題ということになった。先生には明日までに提出と強く言われた。あの言い方はもはや脅迫だ。これで明日出さずじまいだったらまた、まわりに醜態をさらすことになってしまう。さっさと書かなくては。時計の針は10を指している。焦りを感じ始め何と無く外を眺める。いつもと何も変わらない夜景。ここからだと人がノミだ。窓越しに人を指で握りつぶす遊びを昔よくやっていたことを思い出す。駅から来る人を眺めるのが癖になっている。「今日も帰りが遅いなぁー」両親は共働きで、どちらも大手の企業でバリバリ働いている仕事大好き人間。僕のことは二の次だ。父親からはよく”金は大切”と強く教え込まれてきた。だからやりたくもない勉強をやらされている。みんなみたいにゲームとかで遊んでみたいものだ。ここから飛び込んだら親はどう思うのだろうか?部屋が広くなったなとしか思わないんだろうな。「何考えてんだよ」現在二十二時三十分。くだらない空想で三十分も時間が過ぎていた。だが、あることをひらめく。とうとう進まない筆が作文用紙に文字を写す。

「先生!昨日の作文です」「おっ!書いてきたのか」先生に作文を渡す。「何だこれは?」作文用紙には大きな文字で”もう夢は叶っています”と書かれていた。

ある高層マンションで男女の死体が発見された。部屋は荒らされていて強盗がしたものと思われている。とうてい小学生の息子がしたこととは誰も思わなかった。

3/7/2024, 1:52:17 AM

私は今日も働いています。女王のため、子どもたちのため、そしてコロニーの発展のため今日もあくせく働いています。自分でもそれらのために命の危険を犯してまで働いている理由がわかりません。外には危険がいっぱいです。田舎だったら他の生き物も沢山いて食料に困ることもなく、何より人間が少ないので我々にとっては夢の花園ですが、ここはあいにく都会。その中の公園にひっそりと暮らしている。公園なので当然奴らが来る。人間の中でも大人は割と好きな方です。我々を見てもとくに干渉してこようとしないので。ですが人間の子どもたちは嫌いです。奴らは何を考え次にどう行動に出るのかが全く予想がつかない。なので私の同胞も餌を巣に運び込もうとしてくる最中に奴らに踏まれてしまった。あまりにもあっけなく。奴らは殺したことにすら気づいていない。だが、それとは裏腹に食料が乏しいこの都会での唯一の食料は皮肉にも奴らが落としてくれる。奴らは食べ方が汚い。ボロボロと食べかすを落とす。我々はそれを巣に運ぶ他ないのです。それに奴らの中に時々ではあるが巣の前にお菓子を恵んでくれる子がいる。たまたまではなく意図的だと思って間違いはないでしょう。その子のことを神様と崇める仲間も多々います。私も感謝はしていますが、私の同胞を殺した奴と同じ種族。とくに見返りを求めず無償に食料を恵むにはなにか裏があるとにらんでいます。

私は虫が大好きです。自分でも変わっていると自覚しています。この前友達の誕生日に私のお気に入りのチョウチョの剥製を渡したら泣いてしまったので、そこで自分は変わっているのだと気づきました。最近はアリの観察にハマっています。アリ達は自分のためではなく、女王や子どもたちのために働いているそんな献身的な生き方が尊敬できるのでハマっています。なので尊敬と憧れの念を込めてビスケットを巣の前においています。ちゃんと運びやすいように砕いてからおいています。こっちが勝手に食べ物をあげてるだけなのにいつしか絆が芽生えているような気がしています。
「アリさんたちは私のことをどう思っているんだろうなぁ〜」

3/6/2024, 8:07:01 AM

いつもいつもなにかに向かって努力している人や、頑張っている人がいる。みんなに向かって「努力してます。」と言えるほどではないが、私も最近程々に努力していることがあります。それはダイエットです。よくある努力のうちの一つだと思います。きっかけは単純です。ある時、ふと自撮りをしたくなってみたのです。そう思った途端じっとしていられずすぐにスマホを取り出し、普段滅多に使わない写真機能を使い、外カメから内カメにし、すぐさま撮りました。まさに後悔先に立たず。撮った写真を見た瞬間驚愕でした。今までこんな顔をして外を闊歩していたのかと思うと、後悔と羞恥心が襲いかかってきました。鏡で見る自分とは大違いでした。知らないほうが幸せとはこういうことだったのかと思いました。今思うとダイエットするきっかけになったので現在後悔はしていません。ですが、辛くなるときがあります。特に午後七時〜午後九時あたりの時間帯は辛くなります。この時間帯は料理番組が多すぎる。うかつにテレビをつけるとタレントたちが美味しそうな料理を美味しそうに食べてやがるので食欲を刺激されます。なので料理番組を見たあとはつい過食をしてしまいそうになります。ダイエットを始めて二週間ほどになりますが、現在順調に体重も顔の脂肪も落ちています。そこでたまにはチートデイのような日を設けても良いのかなと考えています。

3/3/2024, 10:47:30 AM

もうすぐひな祭りだよねー。隣の女子グループから聴こえてくる。そういえばそんな行事があったな。そう思うほど行事にうとい家庭に生まれた。唯一誕生日を祝うくらいだ。
正月はもちを食べたことがない。そのことを母に言うと、喉をつまらせたら大変だし、太るからだめ。と言われた。すでに脂肪を溜め込んだ物体から「太るからだめ。」なんて言葉が出たのは意外だ。

2月になるとみんな豆をまくらしい。鬼はそと福はうち。等と言いながら豆をまく文化がこの日本にはあるらしい。なかなか働かない父に豆でも投げれば少しは働こうという意識になるのだろうか?

特に意味もなく嘘を言ってみた。すると両親は私に白い目を向けた。何馬鹿なことを言っている。そんな眼差しだ。世間から見ればあんたらのほうが白い目を向けられているということを知らずによく実の子にそんな目を向けられたのもだ。

暑くなってきた。プールに入ってみたい。学校の授業で入ったが、あれは授業という感じがしてどうしても楽しめない。だから家族でプールに入ってみたいが、当然だめと言われた。もし津波がきたら真っ先にこいつらをさらってほしい。

秋なのにまだ暑いと思う日がある。そんなある日、みんなが仮装する夜があるらしい。テレビをつけるとみんな思い思いの仮装をしている。俺もまじりたいな~と思わず声を漏らしてしまった。それを聞いた親はすかさず馬鹿にしてきた。馬鹿にしている両親の姿が横目に映る。こいつらは仮装しなくても充分化け物だな。

幼い頃はなぜ私の家だけサンタが来ないのか疑問に思っていた。特別悪いこともしてない。どうやらサンタは平等が嫌いみたいだ。

みんなが羨ましい…。

3/3/2024, 9:49:09 AM

皆さんには希望がありますか?それは生きがいだったり、頑張る気力になったり、この生きづらい世の中では必要不可欠なもの。あるとないとでは大きな差になると思います。そんな私もつい最近希望と言えるものができました。それまでの人生は自堕落でとりあえず今を生きているそんな生活をしていました。学生時代は同級生からいじめられ、傷が癒える前に新たな傷を作っている日々でした。そして日を増すごとにできているアザは必ず目に入っているはずなのに親は無視。家での私はいてもいなくても変わらないそこら辺の雑草と変わらない対応を親から受けていました。なのでご飯も自分で作っていました。親が作ったご飯は小学生の頃が最後だった気がします。無視されている理由は中学生の頃から何と無く察しがついていました。私には兄がおり、兄は成績優秀でした。それに比べ私は勉強が大の苦手でした。小学生までは特に問題はなくそれまでは兄と同じように等しく親から愛情を受けていました。ですが中学生からは格段と難易度が上がったように感じ、そこから勉強についていけず、親からは無視される日々が始まりました。親から無視をされ始めると兄とも次第に会話が減っていき、私が高校生に上がってからは、とうとう喋ることすらなくなりました。就職してからは一人暮らしをしました。最後に家を出ていく時、両親の表情はどことなく笑みが混じっているように見えました。家を出ていくときですら兄とは会話を交わしませんでした。就職した企業はというと、そこはいわゆるブラック企業というやつでした。長時間労働はプライベートの時間が削られるのでもちろんいやでしたが、一番嫌なのは上司からのパワハラです。毎日毎日罵声を浴びせられ人前で泣いてしまうこともしばしばありました。まさに生き地獄のようなある日、自宅の近場にペットショップができました。ある日、久々に早く帰宅ができたので気晴らしに入ってみることにしました。するとそこは楽園でした。一瞬自分の死を疑ってしまうほど別世界のように幸せが詰まっている空間でした。それからというもの仕事帰りにペットショップに寄るのが日課になっていました。そんなに動物が好きならさっさと飼ってしまえばいいじゃないかなんて思うかも知れないが私の家はアパートでペットの飼育が禁止されています。なので買うわけにはいかないのです。ですがある時私見つけてしまいました。本当に些細なことではあるが奇跡だと思いました。私の誕生日は2月6日なのですが、ペットショップの犬のコーナーにいた純白のその子の誕生日は6月2日だったのです。私の誕生日の数字を反対にしたものがこの子の誕生日だった。そんな些細な奇跡が私の罪の意識を払い除けついにその子を飼う決断を下しました。その子が家に来てからは世界が一変。上司の罵声も、長時間労働も、家族問題でさえも苦にならなくなりました。その子が私の憂鬱を跳ね除けてくれた。そして希望をもたらしてくれた。

今日も遅くなってしまった。あの子がうちに待っているのに。早く帰らないとな。急いで家に帰る。もう1時か。そう言いながらドアの鍵を開ける。異変に気づく。鍵が空いていたのだ。出かける前たしかに鍵は閉めたはずだ。なのに空いているのはおかしい。恐る恐るドアを開ける。ドアが開けば開くほどに私の鼓動は速まった。完全にドアを開けきるとそこには大家の姿が見えた。

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