─一件のLINE─
スマホのバイブ音が鳴り響く部屋。
嫌々上半身を上げ、ぼやけていた目を覚ますため、瞼を強く擦る。
スマホから鳴る音を止め、カーテンを開ける。
そこには昔の自分のように輝く、夕日が見えた。
あの頃はあんなに綺麗な、太陽のような存在だったのかな。
今では真逆の、月のような存在でさ。
明るい太陽や人々の笑い声だけで、自分がとても惨めに感じるよ。
今では笑うことすら出来ない程、つまらない日々を過ごしている。
全ては声が出なくなったあの日のせい。
でも自分のせいでもある。何故なら喉に違和感があっても頑張ってしまったから。
頑張ることはダメではない。しかし無理することもダメである。
何故なら代償があるから。頑張って得た結果の、大きな代償が。
あの日、ライブをした。喉に違和感があったが、結果は成功。
しかしその代償に、声を失くした。辛かった。苦しかった。
でも自分のせいである。後悔してももう遅い。
過去は振り返りたくないが、どうしても歩んできた道を振り返ってしまう。
あの時、この選択をした自分を恨んでいるから。
目を閉じ考えていたら、スマホに一件のLINEが届いていた。
『今日も飲み行かね?いい店見つけてさぁ!』
確かに後悔して、自分を恨んでいるが、その分得た物も少なくはない。
せめてそれを、僕は大切にしていきたい。
たとえ声が出なくても、認めてくれるも仲間が居るから。
─この道の先に─
私のした選択は、あっていたのだろうか。
彼に返した言葉は醜く、自分の愚かさを分からせた。
親友に呼び出される1週間前。別の人に呼び出された。
その相手は間違いなく、
親友がいつも話していた、親友の想い人だった。
驚く私に続けて、彼は言った。
『ずっと前から好きだった。付き合ってください。』
私は何と返せばいいのか分からなかった。
だって彼の手の小指に、糸が結ばれていたから。
私の小指と、彼の小指に繋がる“赤い糸”。
赤い糸の意味は流石に知っている。
【運命の恋の相手】
それは固く、自力でほどくのは不可能。
運命の相手なら断りたくない。
でも受け入れたら、親友を裏切るのと同じ。
私はその時、最悪な判断をした。
『はい。よろしくお願いします。』
なんてことをしたのだろうか。
親友を裏切って、自分のことしか考えなかった。
最悪で最低だ、私。
ごめん、本当にごめん。
そしてこの後に続く、より最悪な展開を私は知らなかった。
親友がどれだけ私を憎んで、恨んでいたかを...。
6月30日の物語の続きです!
何故親友の指に黒い糸が見えたのか...。
次の話をお待ちください。(多分次で終わります。)
あとついにハート1000行きました!ありがとうございます!
今までやってきて良かったです!本当にありがとうございます!
以上、作者より(長くて申し訳ありませんでした)
─窓越しに見えるのは─
山の中にある、病棟の奥。
二階には三角の窓があり、いつも光が入っている。
太陽の光、月の光。どちらも明るすぎて、不気味と感じる程。
そしてその窓越しに見えるのは、いつも笑う彼。
彼はいつも夜中になっては、小さな声で呟く。
『僕は此処でヒーローになったなぁ。懐かしい。』そう言って笑う。
何故かは分からない。何で笑うのかも、何もかも分からない。
きっと彼を他の人が見たら、間違いなく通報するだろう。
まぁ、他の病人が居ればの話だが。
この病棟には、私以外誰も居ない。否、居なくなった。
ある人のせいで、病人も看護師も医者も全て殺された。
私もその人に殺された。そして私は殺される寸前、その人の顔を見た。
月の光に照らされた、いつも窓から見える笑う彼だった。
今考えれば、彼の言うことが分かる気がする。
此処は精神病棟。皆、死にたがりだった。
彼は何処も可笑しくない、誠実な人だった。否、そう見えた。
だからそんな彼に、助けを求めた。
『殺してくれ。』『生きているだけで辛いんだ。』と。
優しい彼は、願いを聞いた。そして、それを実行した。
でも彼は、助けを求められた時には狂っていた。
『誰かに認めて貰いたい、頼られたい』と。
そんな彼がとった行動は、正しかったのだろうか。
─赤い糸─
私には生まれつき、糸が見える。
相手と近付くと現れ、離れると消える。
小指と小指に結ばれている、不思議な糸。
小さい頃は意味が分からなかった。
親にも、友達にも、誰にも見えない。
そのせいで周りから可笑しな目で見られ、いつしかその事を隠すようになった。
バレて嫌われるのが、怖かった。
だから周りとの関係も深めないようにし、その度に糸が見えてないか気にしていた。
しかしいつの間にか、糸は見えなくなった。
安心していた。もう治ったのだと。
だが違った。治っていなかった。
そう気付いたのは、高校二年の頃だった。
私にも、親友と思えるほど仲の良い人ができた。
いつも通り、話しているとき、ふと気がついた。
私と親友の小指に、“黒い糸”が結ばれていたことに。
何で、どうして。
そんな疑問より、色が引っ掛かった。
今まで黒は見たことがなく、青や白ぐらいしか見たことなかった。
でもただバレたくなくて、知らないふりをした。
数ヵ月後。親友が屋上に呼び出してきた。
「どうしたの?」そう聞いても、親友は何も言わなかった。
ただボソボソと『...あん...の...いで。』と繰り返していた。
心配になり、肩を触ろうとした。
しかし彼女は、それを振り払った。そして、こう言った。
『あんたのせいで!私は幸せになれないじゃない!』
三日間書いてなくて申し訳ありません!
しかも久しぶりに書いた文章がとても長く、読みにくいですよね...。
本当に申し訳ありません!これからは出来るだけ書きます!
このお話の続きは、また後日に...。
以上、作者より(本っっっ当にすみませんでした)
─君と最後に会った日─
自由だった君は、何処へ行ってしまったのだろう。
優しくて、頼りになって、相手の気持ちを優先する君。
自分の事は後回しで、他人のためにも命を懸けれる、僕のヒーロー。
親に縛られて、自由を失い、笑う君は居なくなった。
自由な君と最後に会った日は、今でも覚えてる。
いつもとは違う雰囲気で笑って、瞳には光なんてものはなくて、
言葉にも笑い方にも瞳の奥にも、苦しそうな君が居た。
僕は何も出来なくて、もう全てが怖くて、今すぐに逃げ出したくて。
あの頃の僕を恨んでる。何も出来なかった、君を救えなかった僕を。
いつもと違う事なんてすぐに気付いてた。
でも怖くて、知らないふり、見ないふりをした。
あれは君のSOSだって、早く気付いていれば。
君は居なくならなかったのかな。
僕が「逃げ出そう。」って言えれば、君を救えたのかな。
今でも後悔している、君のことを。いつまでも、愛してる。