ネジが外れたウサギ

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4/19/2025, 5:25:05 AM

いつだって人生には「スタート」と言える場面がある

何とかデビューをしたとき、人は緊張と共に心が躍る

期待より不安の方が大きいのが、子供の頃の私だった


でも、大人になってから何とかデビューを決めるのは

自分自身なんだ。

だから、今となっては何でも挑戦するようになった。

不安もあるけど、

「輝きたい」という思いでスタートを切る。


試用期間の始まりは新しい物語の始まり。

だから、怖がらずに進もう。

たとえ、もしそれが念願の交際の始まりなら、

温めていこう、恋人との絆を。

4/17/2025, 6:17:26 AM

誰かが私の名前を呼んでいる。

でも、周りは見渡す限り背の高い木が並ぶ森。

人も動物もいなくて静寂の中に風の音が耳に当たる。

その空気が私の名前を呼ぶ声を運んでくる。


ひとりぼっちで寂しいから

いきなり何かに襲われそうで怖いから

早く声の主に会いたい。


そう思って声がする方に向かって走るけど

進んでいるはずなのに周りは同じ景色。

近づいているはずなのに声は遠のく。


「ウサギ、君はもう一人じゃないからね」

そう言ってくれてるのに

私は焦るし、涙が溢れて止まらない。

一人じゃないのに一人だと思わせるこの世界が嫌いだ

早く、会いたい。


涙で滲んだ視界の遠くの方に、

おぼろげに人の形をとらえた。


「あの!あなたは誰ですか?」

必死に叫ぶ私に向かってその人は言う。


「ウサギの求めている絆の相手だよ」

その一言を聞いた瞬間、目の前にその人がいて

私は叫ぶ。

「ごめんなさい!

 あなたの優しさに気づけなかったから」


号泣する私にその人は優しく抱きしめてくれた。


遠くの方から私を呼んでいた声の主は

私の大切な見捨ててはならない人でした。

4/15/2025, 5:58:26 AM

社会の厳しさに対して無知だった子供の頃は、

毎日、目の前のことをやり遂げるのに必死だった。

「成績」という自分の基準を勝手に決めつけるものを

少しでも優良なものにしたいって強く思っていた。

その頃の未来図は(置き換えれば現在だけど)、

自分の好きなものを仕事にしてキラキラ輝いて働ける

そんなガチのキャリアウーマンの私がそこにはいた。


だけど、現実はうまくいかない。

普通の人生のレールから外れるし、

自分の趣味を極めようと努力はしてるけど

仕事にはならない。


未来図は描いてもその通りにはならないことが常。

だけど、今の私が未来図を描くなら

自分の好きなものを誰かに認められて、

一人でも多くの人に「刺さる」ものを世に出せる。

そんな自分を夢見る。


計り知れない巨大な雲だけど、

紫外線のような不安を降り注ぐ悪魔から守る、

誰かの心をフォローする雨になりたい。


今までの経験が私の未来図を変えたのかもしれない。

4/13/2025, 5:52:18 AM

心を壊して独りぼっちになった僕は

薄暗い部屋の中で引きこもっていた。


ブルーライトが目を刺激しているのは分かっていても

画面の向こう側にいる名前の知らないバンドを

ぼーっと見続けることをやめられなかった。


楽器なんて弾いたことないし、

音痴だから歌にも自信ないから、

バンドを組んだことなんてない。

それでも彼らが見ているライブの中の風景は

想像できていると思う。


カッコいいこの日のための衣装を着て

長さはわからないけど、

苦しかった下積み時代を乗り越えて、

懸命に歌い、演奏している。

ライブに来てくれたお客さんは皆、活気付いている。

きっと彼らの目の前の風景は、

何にも変え難い宝物だろう。

でも、心のどこかで想像していたかもしれない、

今よりも小さな漠然とした夢の風景を。


僕は彼らが見ている風景をこの眼で知りたくて、

ライブに行きたいと思った。

金欠というのもあるけど、

それよりも今はまず外の世界へでなければならない。

だからはじめの一歩として

孤立者のための就労支援事業所を探そう。


夢は急がなくても逃げない。

見たい風景は、自分の目でしっかりと見届けよう。

そんなことをこのバンドは曲で教えている気がした。

4/12/2025, 4:37:34 AM

人間を怯え、ちっぽけでしっぽがちぎれてる猫の僕に

少女の君は愛を与えようと、

「ご飯だよ」と言って魚が入った底の浅い器を

そっと差し出してくれた。

だけど、僕はそれを少ししか食べられなかった。

お腹は空いていたけれど、毒は入ってなさそうだけど

そういう理由では片付けられない思いがあった。


ただ、怖かった。

屈託のない笑顔を見せる君が

突然、ナイフでしっぽを切ったあの人のように

悪魔のような本性を現すんじゃないかって。


でも、違った。

屈託のない笑顔を見せていた君は

一年経った今でも裏の顔を見せない。

もしかしたら、数日前の君の涙がそれかもしれない。


本当は君と僕は人間を怯えて生きていて、

明日が怖いと嘆いてる、

ちっぽけな自分という名の着ぐるみを着た生き物かも

もし、そうだとしたら

君へ少しでも恩返しをできるだろうか?

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