ネジが外れたウサギ

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7/23/2025, 1:44:12 AM

卒業して君は地元を出た。

卒業しても私は地元に残った。

君はメイクアップアーティストを目指して冒険に出た

私はニット作家として編み物の教室の講師になった。


「いつかまたあったらお互いの才能を開花しようね」


君が何気無く言ったあのひと言が私には耐え難かった


手先が器用な君はモード誌のメイクを真似して

学園祭で観客を沸かせた。

私より『才能』があったのは相違ない。


私は編み物はできるけど苦手な技法が多かった。

デザインが頭に浮かんでも再現できない。

到底、君のメイクを引き立てる服を編む自信がなかった。


でも、編み物教室の師匠に相談すると

「努力せずに開花させようとするからうまくいかない。

 基礎ができるあなたなら、今からでも間に合う。

 もっと練習して、いろんな作品を作りなさい。

 わからないことがあるのは私も同じ。

 技法は進化するもの。

 あなたが成長した時、きっと彼女と再会できる。
    
 いい化学反応が生まれ、いいルックができるわ」


師匠のそのひと言で私は、不安が自信に変わった。

6/22/2025, 6:16:52 AM

夢を叶えるために上京した君の背中を追って

私も高校を卒業してから地元を出て東京にやってきた

君は進学せず、フリーターになっていた。


意外だった。

夢を叶えるため安全で確実なルートしか選ばないと

決めていた君が夢を叶えるために

人とは違う道を選ぶことが。


君は言った。

「誰かが敷いてくれたレールを辿るだけなら、

 失敗はないだろう。

 だけど、そればっかりが正解じゃないんだ。

 人が気づかない路地裏にこそ穴場がある。

 俺はその穴場を手探りで探しながら、

 自分だけしか掴めない夢を叶えようと努めてる」


その君の一言が私のコンパスを狂わせた。

そしてまた、君の背中を追っていきたいと思った。

なぜなら、その先に私の知らない私の夢の世界が

あると思ったから。

6/11/2025, 5:38:22 AM

美しい嘘があるならば

そこに少しだけ、悪というスパイスがあるだろう。

完全なる優しい嘘は存在しない。

優しい嘘ほど美しい嘘はない。

他者を傷つけるのが怖くてついた優しい嘘は

自分を守るためのナイフを隠し持っているから。

5/28/2025, 7:53:50 AM

遅めの青春だから、初めての彼氏だった。

だからこそ、君を深く愛し過ぎてしまった。

だからこそ、余計に君を傷つけたしまうこともあった

謝りたい、まだ「好きだよ」って言いたい。

でも、これで最後にするね。

「私に恋を教えてくれた君に、幸あれ」

5/24/2025, 5:33:36 AM

もし君が孤独の風にさらされているなら、

僕が君を甘い羽衣でそっと包み込んであげる。

孤独の風は冷たく、苦く、鋭いから、

甘い羽衣で暖かく、甘く、ほんわかと守るよ。

君には見えなくても、羽衣は孤独をさえぎってくれる

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