幼なじみのあの子は自閉症で、言葉をうまく話せない
でも、彼女がいつも歌う週替わりの歌がある。
ほとんどが今流行りの曲だ。
言葉にするのが苦手だから歌詞はなく、
いつも「ラララ」でメロディを奏でる。
だから、メロディに真剣に耳を傾けないと曲名が思い出せない。
ところが、彼女の歌っているメロディから連想した曲は
歌詞を検索するとその曲たちには共通点がある。
メロディが個性的かつ歌詞に心の描写が存在すること
もしかしたら、彼女の頭の中には
いつも「言葉にならない想い」が存在しているだろう
あの日、周りにある桜はどれも葉桜だった。
ちらほらと桜の花びらが風で舞ってくる。
彼氏と別れたばかりの私に花びらが慰めてくれている
恋の盛りを忘れて花がらになった私には
風が運ぶ新たな「希望」が新しい恋の始まりだった。
君と交わしたあの約束は、今でも忘れられない。
だって、初めての「宝物のような親友」だったから。
君が転校してきて私から話しかけた。
お互いに米津玄師の絵が好きでよく真似して描いてた
でも、絵心があるのは君の方で
私はどちらかと言うと詞のほうだった。
学校ではいつも一緒だった。
二人の仲が深まるにつれ、君は告げた。
「いつかあなたの文章と絵を合作して本を出したいね」
それがあの時の約束だったと覚えてる?
その後、いじめという戦争の兵隊になって
私を裏切り、私を攻撃することを選んだ。
あんなに楽しかった日々は、海がさらった砂浜の中だ
それでも私はあの時の約束を忘れられない。
初めての「親友」だと思える人が君だったから。
初めて君が抱いてくれたあの日。
痛かったけど、心地よさを初めて知った。
君の「大丈夫?」という優しい言葉が
君と一つになれたことが「愛される」ことかと知った
それまで私は「愛される」ことを知らずに生きてきた
家族とか友達とか「普通」に親しくしてきたけど、
そこに「満たされる愛」は見出せずにいた。
でも、君と出会って初めて「愛しい」という言葉を習った。
硬い雪に覆われてカチカチに凍った心臓が
少しずつ愛という陽だまりで溶かされ再び動き出した
あの日の温もりはそれ程までに春を呼んだ。
夢の中で私の背中についていた白い翼。
その白い羽根を眠りから覚めた私は手に握っている。
おまじないの言葉とかそんなの知らないけど、
夢の中の私は現実の私のこれからだと思う。
きっと、この羽根は冒険の旅に出かける翼となるから