ネジが外れたウサギ

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1/17/2025, 6:08:12 AM

夢の中で小学生くらいの天使が

顔を埋めて体を小さく震わせ座ってる。

「どうしたの?」

と声をかけたらゆっくり顔を上げて黒い涙を流してる

その涙を見て僕は

「別れた恋人の最後に見た涙だ」と思い出す。


もしかしたら、

同じような思いをこの子もしてるのかもしれない。

そう思った。

だけど、あの時の彼女の気持ちとこの子の悩みは

同一ではないと思う。


もし、この子があの日の彼女の幼少期だとすれば

推測できるかもしれない。

彼女の子供の頃の話なら、あの頃聞いていた。


「また、お父さんに殴られた?」

とっさに口から出たこの一言が天使の涙を透明にした

そう、なぜなら元彼女も実の父親に殴られていた。


黒い涙が透明になったことは打ち明けられぬ孤独を

分かち合える人を見つけたから。



ふと目が覚めた時、

僕は元彼女との共通の友人にLINEで聞いた。

「サナは、今どうしてるか知ってる?」

その夜。返事がきた。

「あの子は今、婚約者がいるよ」

1/13/2025, 6:26:37 AM

あの日、目覚まし時計が鳴る直後まで

夢の中で君と話してた。


幸せな時間だったのに君はいきなり真剣な顔で

何か言おうとして口を開いた。

周りの人の話し声でうまく聞き取れなくて

私は聞き返した。

でも、君は横に首を振るだけで背を向けた。

肩を震わせて立ちすくむ君に私は一言言おうとした。

抱きしめようとした。

どうしようかと一瞬迷って声をかけようとしたその時

目覚まし時計は鳴った。


あの迷いがなかったら、私は君に何を言っていたのか

あの夢の続きにもう一度立ち入られるなら

君に言いたい。

「泣かないで」じゃなくて、

「ずっと、そばにいるから」って。

1/11/2025, 3:52:29 AM

「新しい恋をしろよ」

それが君の最後のラインだった。

でも、置いてけぼりの私にはその続きが欲しかった。

「これからは仲のいい友達でいたい」とか

心に恋はなくても、心に友情があれば

そばにいられると思ったのに。

新しい道に進む君を近くで見守っていたくて。


もし、未来を向かうことのできる鍵があるなら

その特別な鍵でどこでもドアみたいな扉を開けて

未来の私に会いたい。


新しい恋を迎えられているのか?

大きな夢を果たせているのか?

逆に堕ちているだけなのか?

それとも、彼とよりを戻せたのか?


そんな未来の私から答えを聞きたい。

未来の鍵はきっと眠りについた夢の中に転がってる。

いつかは正夢と証明するその鍵は、神様の落とし物

1/8/2025, 3:15:10 AM

二刀流のハラスメントを受けて私の心はズタズタになった。

声をあげたくてもあげられない。

それが非正規雇用の身の定めなのか?

私は逃げるように職場を去った。


一度は死を覚悟したものの、

それでは私がアイツらに負けを認めると思った。

だから、一心発起して再就職を目指して職安に通った


しかし同じ事務職の求人を求めても、逆にない。

あれとすれば医療事務の求人。

私には資格を取得するお金がなかった。

両親とも親戚とも今は連絡を取り合っていない。

頼るところがなくて貯金を切り崩して生活している。


いったん就職を諦めてバイトをすることを決めたが

私の技量を発揮できそうなところがない。


追い風はいつまでも続くだろう。

1/4/2025, 3:04:08 AM

初日の出の写真を見せてくれた君の目は輝いている。

病気で入院している私に

君は少しでも元気づけようとしてくれてる。

「退院したら一緒に見ようね」

そのひと言が嬉しいはずなのに

ズーンと生理痛のように痛かった。

手術をすれば治るって主治医の先生は言うけれど

手術をしたらデートに行けるって君は、はしゃぐけど

もしかしたらを予想して怖くなる。


でも、君はこう言った。

「失敗すると不安になると事故は起きるかもだから

俺はあの先生を信じてる。

愛想がなくて嫌なとこもあるけど、

ベストな手術をしてくれるって信じてる。

ミユのラッキーカラーはサーモンピンクだから

このマニキュアを塗って手術に臨んで?

初日の出みたいに綺麗だし」

って私と君は笑い合った。


そして、私より器用な君が塗ってくれたマニキュアを

私は窓の外の水色の空に飾った。


「私に初日の出が現れた記念日は

ハル自身の特別な夢が叶う記念日でもあるように

祈っているからね!」


そう言って私は君とハグをした。

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