遅めの青春だから、初めての彼氏だった。
だからこそ、君を深く愛し過ぎてしまった。
だからこそ、余計に君を傷つけたしまうこともあった
謝りたい、まだ「好きだよ」って言いたい。
でも、これで最後にするね。
「私に恋を教えてくれた君に、幸あれ」
もし君が孤独の風にさらされているなら、
僕が君を甘い羽衣でそっと包み込んであげる。
孤独の風は冷たく、苦く、鋭いから、
甘い羽衣で暖かく、甘く、ほんわかと守るよ。
君には見えなくても、羽衣は孤独をさえぎってくれる
彼の9回目のため息と共にタバコの煙が空に溶ける
「私たち、別れよう?」
そう言うと彼は言葉の代わりにため息をつく
別れたくないのか
それとも振られる事にプライドが傷ついたのか
彼はため息を言葉代わりに使う。
そして、10回目のため息のあと彼はこう言った。
「君は俺に何度もため息をつかせるくらい、
俺にはもったいない女だったよ。
もう少しだけ待ってくれたら…」
彼は言葉に詰まったあと、かすかに聞こえる声で
「シンデレラになれたのに」
と空に言葉を溶かして、私を置いて駅へ向かった。
誰だって『全ての世界』を肉眼で見ることは難しい。
人生の中でどんな道をたどるかは
目の前に来ないと分からないものだ。
『自分はあの大学に入学し、趣味を学ぶ』
そんな夢の世界に入れるのは一握りの砂。
でも、進むべき道はいつか変わる。
「できると思っていたことが実は実力不足」
逆に「できないと確信してたのに実は得意」
そんな風に道は変わっていく。
君が『まだ知らない世界』は、運命の世界だろう。
なぜなら、『まだ』という未然形の言葉があるから。
恐れを知らない野生のライオンのように
大きな試練に立ち向かう様は
『まだ知らない世界』を自分のものとして観れる事。
幼い頃に描いた夢が叶うのは、ほんの一握りだろう。
そして、年齢を重ねていくにつれて
「あの夢は不可能なんだ」と
次第に『現実』の重さがわかってくる。
だけど私は、年齢を重ねたことで『得意なこと』が
別にあるということがわかってきた。
勉強ができない。
運動が苦手。
人との良い関係性を築けない。
そのような悩みの中でも私はただ、ただ生きてきた。
そんな苦しいことばかりが人生ではない。
人から褒められたこと。
誰かに勧められた趣味。
それが突然変異で得意なこと、好きなことになり
やがて「それを活かしたい」と思うようになる。
私の半生はそうだった。
幼い頃は下手でも絵を描くのが好きだった。
だけど、小学生の頃に初めて描いた漫画は絵ではなく
漫画のストーリーのほうを「面白い」と言われた。
それ以来、小説のようなものを書いてネットに載せ
興味を持ってくれる人が増えていった。
それがやがて私の強みになり、生きる励みになった。
だからこそ、幼い頃の夢が叶えられそうになくても
嘆く必要はない。
きっと、誰にでも隠れた能力がある。
それを生かすか殺すか。
その使い方次第で暗かった部屋に
小さな灯りのスイッチを見つけられる。