いつも声が小さくて何かに怯えている同級生がいる。
彼女はひとりぼっちで、突然泣いてしまう時もある。
泣けばクラスの男子がからかうし、
それを守ってくれる生徒もいない。
クラスのみんなが
いじめる側と傍観者でいるのが当たり前になっている
私もその傍観者の一人だ。
誰かが助けてあげないと彼女は
どこかに行ってしまうかもしれない。
私は彼女にそっと伝えたい。
「声を上げられないのは弱いからじゃない。
見えない敵と心が戦っているんだ。
恐れることはない。
時間は流れるけど、つかんだ勇気は逃げない。
前へ進もうと踏ん張ってる君が諦めない限り」
あなたと付き合ってた頃、よく二人で未来を語ったね
「同棲とか始めたら、朝食はご飯と味噌汁がいい」
「帰りが遅くなっても二人の時間は大切にしよう」
「もし、ケンカして話さない日が続いたら
また君に仲直りのキッカケをもらうかもしれない。
そうならないようになるべく俺からも謝るよ」
そんな約束したことも忘れて、
大げんかを機に私たちはすんなりと別れた。
未来の記憶というものがあるのなら、
あの時、あなたが語ったあの未来予想図だろう。
実際にはその「記憶」は消されてしまったけど、
私は頭の中の隅に残しておくね。
あなたが忘れてもきっと私は永遠に忘れられないから
あの人が作ったメロディを聴いて、初めて涙が流れた
歌詞ではなく、あの人の奏でる鼻歌が心を震わせた。
あの人の声が、あの人が生む発想が、なぜか響く。
理由はわからないけど、
ただ、懐かしくて、桜が咲く春の気配を感じさせた。
「君を支えるから」
あの人は私にそう言った。
その一言を信じて私は彼に身を委ねていた。
彼に頼り、彼に言われるがまま、私は生きてきた。
だけど、私はうまく彼に踊らされていただけだった。
彼に助けてもらったら、欲しいものを買ってあげる。
彼の心が寂しいから、体を重ねる。
ギブアンドテイクっていう言葉はそこにあると思った
しかし、あの人の優しさは欲を遥かに上回る。
私のお金が底をつく寸前に気づいて
私はあの人と連絡を断つことにした。
あの人がどんな甘い言葉を使ってきても私は無視した
それから半年が経った今は、新たな道を歩んでいる。
誰かに平安を求めるのではなく、
地に足をつけて自分の意思で働いている。
今、私が星に願うのは
「私自身を好いてくれる人に出会わせてください」
そう、あの人みたいに
自分の思うがままに人を操る偽物の恋心ではなく
自分の心に身を任せ人を愛する高貴な恋心を持つ人に
私は出会いたいのです。
僕にはたった一人の親友がいた。
気の置けない心の拠り所になるかけがえのない人。
でも、彼よりも僕はあの女生徒を愛していた。
そして、彼もまたその彼女を愛していた。
漫画になりやすいこの三角関係。
僕は親友を裏切るのを恐れていた。
親友も恋人も手にするなんて虫が良すぎる。
だから、僕は親友に嘘をついた。
「君が好きなあの子のタイプはユーモアのある人だ」
彼は人を楽しませる秀才だ。
それを利用した。
しかし、僕たちのアイドルの本当の好みを知らない。
それが落とし穴だった。
それを知らずに親友は告白すると心に決めてしまった
親友が立ち向かう背中を見て僕のほっぺに涙が伝う。
のちにわかったことだが、
彼女はお笑いのユーモアなど求めてなかった。
本当は音楽のセンスがある人を好んでいた。
親友は楽器を弾くのが苦手で楽譜も読めない。
僕は楽譜は読めるが楽器はあまり得意ではない。
親友は一週間、学校を休んだ。