ネジが外れたウサギ

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2/11/2025, 8:04:07 AM

「君を支えるから」

あの人は私にそう言った。

その一言を信じて私は彼に身を委ねていた。

彼に頼り、彼に言われるがまま、私は生きてきた。

だけど、私はうまく彼に踊らされていただけだった。


彼に助けてもらったら、欲しいものを買ってあげる。

彼の心が寂しいから、体を重ねる。

ギブアンドテイクっていう言葉はそこにあると思った


しかし、あの人の優しさは欲を遥かに上回る。

私のお金が底をつく寸前に気づいて

私はあの人と連絡を断つことにした。


あの人がどんな甘い言葉を使ってきても私は無視した


それから半年が経った今は、新たな道を歩んでいる。

誰かに平安を求めるのではなく、

地に足をつけて自分の意思で働いている。


今、私が星に願うのは

「私自身を好いてくれる人に出会わせてください」

そう、あの人みたいに

自分の思うがままに人を操る偽物の恋心ではなく

自分の心に身を任せ人を愛する高貴な恋心を持つ人に

私は出会いたいのです。

2/10/2025, 5:44:40 AM

僕にはたった一人の親友がいた。

気の置けない心の拠り所になるかけがえのない人。

でも、彼よりも僕はあの女生徒を愛していた。

そして、彼もまたその彼女を愛していた。

漫画になりやすいこの三角関係。

僕は親友を裏切るのを恐れていた。

親友も恋人も手にするなんて虫が良すぎる。

だから、僕は親友に嘘をついた。

「君が好きなあの子のタイプはユーモアのある人だ」

彼は人を楽しませる秀才だ。

それを利用した。

しかし、僕たちのアイドルの本当の好みを知らない。

それが落とし穴だった。

それを知らずに親友は告白すると心に決めてしまった

親友が立ち向かう背中を見て僕のほっぺに涙が伝う。


のちにわかったことだが、

彼女はお笑いのユーモアなど求めてなかった。

本当は音楽のセンスがある人を好んでいた。

親友は楽器を弾くのが苦手で楽譜も読めない。

僕は楽譜は読めるが楽器はあまり得意ではない。


親友は一週間、学校を休んだ。

2/9/2025, 8:08:55 AM

何も告げず俺の元を去ってしまった元カノは

今頃、どこで何をしているのだろう。

付き合っていた頃の元カノのLINEのアカウントは

もう存在しない。


アイツは自分の今の気持ちを短歌にして

自分のLINEのステータスメッセージに書いていた。

俺はそれを見るのが楽しみだった。

俺への愛を歌ったものなど片手で数えるくらいだが、

逆にそれが重すぎず気楽に読むことができた。

仕事人間のアイツは職場のさまざまな悩みを

ステータスメッセージに書いていた。

今思えばあれがアイツにとっての俺へのSOSだった


アイツには夢があった。

短歌を仕事にしたいという夢が。

穂村弘に憧れて毎月、ダヴィンチを買って応募して

たった一度だけど

採用された時、真っ先に俺に見せてくれた。

あの頃が今でも懐かしく、そして幸せだった。


アイツが珍しく直接、俺のLINEに短歌を送ってきた時

あれが別れの挨拶だったのだろう。

すぐに返信しても既読は永遠につかなかった。

今でも消せないアイツとのやりとり。


「私だけ暗い倉庫に閉じこもり

      日向をくれた君はサファイア」


遠くに行ってしまった元カノは

愛情を与えるサファイアの俺を置いて

新たな良縁を求めルビーを探しに旅立ってしまった


2/8/2025, 2:18:18 AM

誰にも教えてない秘密がある。

でもそれは、夢かもしれなくて

逆にそれは、誰かとの思い出かもしれない。


もし前者ならば幸せで

もし後者ならば不幸せ。


誰にも教えてない秘密は

誰にも知られたくない秘密だから。

2/7/2025, 6:04:10 AM

パワハラに負けて泣き寝入りしたまま会社を辞めた。

お先真っ暗の未来しか見えない。

泣きはらした私の目は誰にも見せられない。

かと言って、頼れる友達も彼氏もいない。

なぜなら、あの会社で働く仲間が私の全てだったから


親は「辛くなったらいつでも帰っておいで」

と言ってくれたけど、

あの上司に、この試練に負ける気がして帰れない。


疲れ果てたまま膝を抱えてボーっとしていると

闇のような夜の窓から

朝を知らせる一筋の光が入り込む。 


音を立てない静かな夜明けは

「ゆっくり進もう」と私に優しく語りかけてくれた。



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