あの詩に出会うまでは私は自分の殻に閉じこもってた
人が苦手で視線を合わせるだけでも怖かった。
そんな私が殻を破る武器となったのがあの詩だった。
「この世界に悩みのない人はいない
みんな個性という名のコンプレックスを持っている
でもそれをみんなは受容して生きている
だから君も自分を卑下する必要はない
いつかきっと君が前を向いて懸命に歩き出した時
ある人が君に手を差し伸べ共に歩いてくれる
その時をゆっくり待っていよう
意外な時に神様がその人と出会わせてくれる」
私はその詩に出会って初めて
厚い殻を破るための破片を見つけられた。
それから、私は思い切って殻にそれを刺した。
破った今では人と視線を合わせて話すことができる。
他愛のない話で笑い合える。
そして、初めて恋というものに出会い、
愛し愛されることを学んだ。
それを教えてくれたのは大好きなあの人です。
私があの人と親密に話せるようになったのは
私とあの人が自分をさらけ出せるようになったのは
どちらも、あの詩がきっかけだと昨日知りました。
今まで背負ってきた経験の中で
私はたくさんの言葉をもらった。
暖かく優しい言葉、目に見えない愛言葉、
時々触れる冷たい言葉、怒りで飛ぶナイフの様な言葉
それぞれの言葉が、
オレンジ、ピンク、水色、黒の花ならば
それらを一つの花束として私は抱きしめる。
これからもその花を受け取ったらこの花束に添える。
永遠に残るこの花束を私は今日も抱きしめる。
誰かと心を通わせた証として。
別れたあなたに愛を求められ優しくされても
その言葉には
ガラス細工のような弱いアイコトバしか存在しない。
もう、私はあなたに「愛してる」を求めない。
あなたは私に最後のケンカで
「俺の理想を叶えてくれないヤツに興味はない」
と言ったから。それで、別れた。
ワガママなあなたより
今を懸命に尽くす友人らの方がカッコいい。
私に優しくしないで。
つなぎ止めるための氷砂糖のような愛なんて不必要。
会社の上司と駆け落ちした姉の行方を知りたくて
ある日。自分自身が探偵となって
申し訳ないと思いながらも姉の部屋に入ってみた。
何か手掛かりがあるかもしれないと思って
机の引き出しを開けると厚い手紙の束が見つかった。
差出人は男性の名前。たぶん、駆け落ちの相手だろう
消印の古いものから順に見ていくと
姉への恋慕が言葉で強く伝わってくる。
最新の手紙にこう書いてあった。
「君を忘れられないから、せめて最後に旅に出たい。
終わりのない、君の心を自分の胸に抱き続ける旅を」
私は慌てて手紙を元の場所へ戻し、家を出た。
あなたと別れて半年が経った。
この半年間、
私は未練という名の深い森の中をさまよっていた。
このモヤモヤを友達に相談できなくて、
この愛おしさをあなたに届けられなくて、
ただ、ただ泣きじゃくりながら君の名前をつぶやく。
こんな苦しみから解放してくれたのは、
普段はお互いに忙しくて会えない親友のLINE。
彼女はただ自分の書いた五行詩を送って慰めてくれた
その五行詩だけのLINEのメッセージに私は救われた。
『君が初めてくれたプレゼントは物ではなく
「大丈夫?」の優しい言葉だった。
それから二人でツラい過去を埋めるように愛し合った
君と別れた今は、ぽっかりと大きな穴が開いたけど
心を成長させて埋めるね。ありがとう、バイバイ』