四半世紀の人生を生きてきて
さまざまな経験の味を口にしてきた。
金平糖のように甘やかされるときもあれば
ゴーヤのように苦く豪雨の涙を流すときもある。
私を抱いてくれた人は快楽を求めたり、
自己肯定感を満たしてほしい人がほとんどで
私はそこに快楽を見出せずにいた。
恋愛ソングに表れる、
いつかは出会うかもしれない運命の人は
意外と近くにいるのかもしれない。
私はまだ旅の途中だと思う。
運命の人に出会うことよりも
まだ私には「彼」に見合った心の教養が足りない。
それでも私は歩き続ける。
運命の人に幸せにしてもらうためではなく
運命の人と二人三脚の恋ができるようになるために。
バレンタインのために初めてのお菓子作りに
苦戦してる私の気持ちをまだ君は知らない。
君と話していて少しでも話が盛り上がると
心が躍る私の気持ちをまだ君は知らない。
私が君を好きだという気持ちを知ったら
どうなるかを少し私は想像できる。
だから、お菓子作りをしている今が楽しいけど、怖い
臆病な私には恋なんて無理だと思ってた。
いつも片思いで、
いつも相手には愛しい人がいて敵わなかった。
でも、あの人は私に好意を寄せてくれた。
私もあの人が好きだったから、奇跡を信じた。
しかし、
その奇跡を守れなかった私は、また孤独になった。
交通事故で亡くなってしまった君は一人しかいない。
そのたった一人の君を亡くしても
私の心の中で君は生きています。
私の記憶の中で永遠に生きています。
時々、夢の中に現れる君との新たな思い出が
私の生きるモチベーションになってます。
君が私の記憶から消えた人になるまで愛してる。
夢の中で小学生くらいの天使が
顔を埋めて体を小さく震わせ座ってる。
「どうしたの?」
と声をかけたらゆっくり顔を上げて黒い涙を流してる
その涙を見て僕は
「別れた恋人の最後に見た涙だ」と思い出す。
もしかしたら、
同じような思いをこの子もしてるのかもしれない。
そう思った。
だけど、あの時の彼女の気持ちとこの子の悩みは
同一ではないと思う。
もし、この子があの日の彼女の幼少期だとすれば
推測できるかもしれない。
彼女の子供の頃の話なら、あの頃聞いていた。
「また、お父さんに殴られた?」
とっさに口から出たこの一言が天使の涙を透明にした
そう、なぜなら元彼女も実の父親に殴られていた。
黒い涙が透明になったことは打ち明けられぬ孤独を
分かち合える人を見つけたから。
ふと目が覚めた時、
僕は元彼女との共通の友人にLINEで聞いた。
「サナは、今どうしてるか知ってる?」
その夜。返事がきた。
「あの子は今、婚約者がいるよ」
あの日、目覚まし時計が鳴る直後まで
夢の中で君と話してた。
幸せな時間だったのに君はいきなり真剣な顔で
何か言おうとして口を開いた。
周りの人の話し声でうまく聞き取れなくて
私は聞き返した。
でも、君は横に首を振るだけで背を向けた。
肩を震わせて立ちすくむ君に私は一言言おうとした。
抱きしめようとした。
どうしようかと一瞬迷って声をかけようとしたその時
目覚まし時計は鳴った。
あの迷いがなかったら、私は君に何を言っていたのか
あの夢の続きにもう一度立ち入られるなら
君に言いたい。
「泣かないで」じゃなくて、
「ずっと、そばにいるから」って。