夢の中で小学生くらいの天使が
顔を埋めて体を小さく震わせ座ってる。
「どうしたの?」
と声をかけたらゆっくり顔を上げて黒い涙を流してる
その涙を見て僕は
「別れた恋人の最後に見た涙だ」と思い出す。
もしかしたら、
同じような思いをこの子もしてるのかもしれない。
そう思った。
だけど、あの時の彼女の気持ちとこの子の悩みは
同一ではないと思う。
もし、この子があの日の彼女の幼少期だとすれば
推測できるかもしれない。
彼女の子供の頃の話なら、あの頃聞いていた。
「また、お父さんに殴られた?」
とっさに口から出たこの一言が天使の涙を透明にした
そう、なぜなら元彼女も実の父親に殴られていた。
黒い涙が透明になったことは打ち明けられぬ孤独を
分かち合える人を見つけたから。
ふと目が覚めた時、
僕は元彼女との共通の友人にLINEで聞いた。
「サナは、今どうしてるか知ってる?」
その夜。返事がきた。
「あの子は今、婚約者がいるよ」
1/17/2025, 6:08:12 AM