ちょこみんと

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4/29/2026, 4:41:42 AM

ここから離れた校庭で立って友達と談笑している彼女を

僕はただ、ただ見つめていた。


『憧れ』とでもいうべきか。

僕は彼女の才能にいつも嫉妬する感じている。

『恥ずかしい』とでもいうべきか。

しかし、僕は彼女を遠くから見つめるだけで
「おはよう」すら言えない。


彼女を好きだと肯定しているけど、

彼女と何かしらの関係を持ちたいとは否定する。


関係を持ってしまったら彼女と何か事故が起きた時、

僕は対処できない。


それを恐れて今日も彼女を見つめてる。

だが、今日はそれを破られる日だった。


彼女にバレないように見つめている最中、

刹那に彼女と目が合った上、彼女が口角を上げたのだ。


そして、彼女は友達に手刀を切り、こっちに向かってくる。


(今までのことがバレたのか?)


戸惑い目が泳ぐ僕の前に立って彼女は

さっきよりもわかりやすい笑顔でこう言った。


「あなた、いつも本読んでるよね?

 私も小説が好きなんだ。誰が好きなの?」


僕は突然のことで僕はここから逃げてしまおうと思った。

こんなチャンス一度でもあるかないかわからないのに。


「ぼ、僕は太宰治が好き、です」


二重のキリッとした目を大きく見開き彼女は言った。


「奇遇だね!私も好きだよ、太宰」


それからのことはよく覚えてないけど、

関係を持つことにためらっていた自分を少し悔やんだ。


話を聞くと彼女には年上の彼氏がいた。

それと僕は関係ないかもしれないけど、

意志の弱い自分を心の中で蹴った。



4/26/2026, 5:28:20 AM

UFOが星の散らばる夜空を斜めに横切る。

私はそれが流れ星だと知らなくて、のちに後悔する。


たった一瞬のその光景が、

一生に一度、あるかないかの大勝負の合図だと思って

私はUFOを追いかけようとした。


すると、隣にいた祖母が私の腕を掴んで首を横に振った。


「あれはね、UFOじゃないんよ。

毎日頑張ってるみーちゃんに

一つだけご褒美をあげようと神様がくれた流れ星だよ。

だから、追いかけるんじゃなくて

想いを託すの。

みーちゃんがいつも言ってる『小説家になりたい』に

近づく第一歩を流れ星が実現してくれるかも。

だから、次に見つけたら

みーちゃんの願いを流れ星に託そうね」


「その流れ星は次いつ来るの?」

祖母は逃げも隠れもしないで正直に言った。


「運がいい時に現れるんじゃないかな」

4/18/2026, 4:44:02 AM

桜散る頃には私の心は強くなっているだろうか?


君が旅立ってしまい、ひとりぼっちになったいま、

二人の思い出を強みに変えられるなら、

この満開の桜に祈りを込めよう。

二人の思い出がいっぱい詰まって咲き誇る桜。


彼らが散ってしまうならその花びらを

お守りとして握りしめていこう。


「僕はここにいるよ」

そう言ってくれている気がするから。

4/10/2026, 5:54:35 AM

あの月だけは

誰よりも、ずっと前から私を見守ってくれている。


クラス替えで気の置けない友達が初めてできた日。

初めて恋の味を知って、失恋の苦味を涙で知った日。

親と大げんかして初めて夜の街を放浪した日。


いろんな「初めて」を知ったあの日の夜は君がいたから

喜びを分かち合ったり、

悲しみに砂糖を加えてくれたり、

やるせない想いに寄り添ってくれた。


新月で君がいない日はこの上なく辛かった。

でも、一度経験した事柄は教科書になるから

君がいなくても怖くなかった。


あの月だけは、

誰よりも、ずっと私を見てくれてると自負してる。

4/8/2026, 4:30:26 AM

「もうすぐお別れだね」

沈む夕日を見てきみは潤んだ上目遣いでわたしを見る。

そんなきみにわたしは呪文のように言った。

未来を危惧するのではなくワクワクさせることを。


「今日という日とお別れするだけで、

わたしたちはまた明日会えるよ、きっと。

不安なんて必要ないさ。

必要なのは、明日はわたしと何を話して

何をするか練ることなんだよ。

どちらかの命が崩れるときは突然だけど、

きみには悔いなく生きて欲しいから、

楽しい過去を抱いて眩しい未来に期待をして欲しいな」

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