18 あの夢のつづきを
注意:
近親相姦ものなので苦手な方は閉じてくださいませ。
「んっ……んんぅ……っ! んっ、んっ……!」
静かな部屋に淫らな女の声が響く。
一定の間隔で喘ぐ女の声は粘り気のある水音が弾けるたびに出された。
規則正しく刻む音は次第に激しくなり、甘い吐息と卑猥な淫語は恥ずかしげもなく淫靡な紅い唇から漏れ出す。
「んっ、んっ……! ああ、カズ君のチ○ポ、チ○ポォ……! ユイの中で大きくなってるぅ! カズ君とユイの液……ああ、嬉しい。ぐちゃぐちゃしてて気持ちい。カズの大きいなチ○ポ大しゅき……っ!!」
男の背中にしがみつく女は快楽の波に溺れてうわごとのように繰り返す。
「はは、そんなにいいのかよ。カズ君のチ○ポは……っ! 嬉しいねぇ……!」
嘲笑う男はさらに激しく腰を動かし、ユイの子宮を揺さぶった。
限界が近いのか男に余裕はないようだ。盛りのついた猿のように性欲に忠実だ。理性的なものはない。
「んっ……んんっ! ああ……カズ君! カズ君ッ……! カズ君の赤ちゃんの種が欲しいれす。カズ君の……」
「うるせぇな、今出してやるから。お前の大好きなカズ君の子種をしっかり根付かせろよ!」
「は、はひ! はひぃい! ああ、カズ君の赤ちゃん、赤ちゃん……!」
「…………っ!」
男の腰がユイの膣の奥を強く叩きつけると、ぶるりと大きく身震いして動きが止まる。膣内に広がる熱で欲望を吐き出されたことを感じたユイは恍惚な表情で男の顔を見る。それに応えるようにぶちゅうと下品な唇を重ねてきた男にユイはますますうっとりした。……が。
「…………?」
男を見つめるユイの視界が歪む。
「あ、れ…………?」
そこにはユイの知っている『カズ君』、とは遥かにほど遠い臭い汗を流すでっぷりと腹の出た男がユイの上に覆いかぶさっていた。
「きゃあああああ!!」
「ああ? もうおクスリ切れたんか? あ、俺、童貞卒業できたわ。サンキュー」
「て、てめぇ……! 離れろ!!」
そうこの男はユイと年がかけ離れた異母兄弟の兄であり、三十八歳にして引き籠もりである。
長く風呂に入っていないその顔と髪はべたつき、髪の上にはフケが点々と散らばる。歯列も悪く、びっちりと歯石がこびりついている。
「大好きなカズ君と付き合ってたくせに処女ま○こだったんだろ? 『カズク君に処女を捧げる♡』なんてけしからん話を聞いたら居ても立っても居られなくてな。日頃から蔑ろにされてる大嫌いな兄がお仕置きしてやるべきだと思ったんだ。 大嫌いな奴に犯されてるわりには、ずいぶんと気持ちよさそうによがってたけどな。やっぱりJK妹レ○プさいこーですわ」
「クソ豚野郎が! 死ね!」
「あ? 口が悪いな。調教の必要あり、か。俺は優しいから、お前の大好きなカズ君で夢の続きを見させてやるよ」
言い終わるのと同時に素早く錠剤型の秘薬をユイの膣奥に押し込んだ。
「てめ! ふざけんじゃねぇ! ぶっ殺してやる!!」
「その減らず口を叩き直してやるよ!」
秘薬を盛られた数十秒後には、ユイの下半身は熱く蕩け始めた。膣の深いところでドクンドクンと甘い感覚に強く脈打つ。それは男の熱く滾った陰茎を求めるものだった。
「……あぁ、んっ!んっ……! ああああああ……!」
「おいおい、さっきの威勢はどこにいったんだよ」
嘲笑する男はそのままユイに調教の続きを開始する。
ユイは性の快楽に抗うことはできず兄に犯され続けた。
「……ああ……カズくん、気持ちいいれすすう」
17 星のかけら
魔女の塔で眠る白き乙女。
白い額と薔薇色の頬を縁取る艶やかな金色の髪。髪と同じ金色の睫毛は長くて美しい。
瓦礫の山のように積み上げられた分厚い魔導書たちに囲まれるようにして中央の寝台に横たわる乙女はすやすやと寝息をたてている。
「こんなに散らかして……」
あたりを見渡して溜息を一つこぼす声は、声変りする前の少年のような甘く優しい声。だが冷静な口調はどこか大人びていて少年の声とは差異を感じる。妙な色気を感じるのだ。
「師匠、何時だと思ってるんですか。いい加減に起きてください。お夕食、持ってきましたよ」
そう声をかける少年の手には盆に乗せられたバゲットと鴨のパテ、子ヤギのシチューが美味しそうに湯気を
たてていた。
微動だにしない師匠と呼ばれた乙女に若干の苛立ちを隠せない少年。
「……ふう」
そこら辺にある山積みになった分厚い本の上に盆を置き、乙女の眠る寝台に腰掛けた。
少年の細い指が乙女の薔薇色の頬をそっと優しく撫でる。そのまま下へと移動し顎をくいっと持ちあげて唇に触れ。
ふっくらとした赤いリンゴの唇を愛おしそうに親指で何度もなぞる。
「…………」
少年らしさは影を潜め、そこには剣呑な眼差しを向けた一人の男が。
「なんて、無防備でしょう」
小さく呟くと男は乙女に強く唇を押し付けた。
頭を手で押さえ、もう片方の手は体を押し付けるようにして、乙女の上に跨がった。
「……ん、んんーーっ」
息ができない!と乙女は目を覚ましたと同時に、この状況を理解したらしく顔を逸らそうとするが、それを許さず、がっちり頭を押さえつけられる。男の力に抗うことができず、拘束された体も息も苦しい。思わず口で呼吸を整えようとすれば、それを待ち望んでたかのように舌を入れ絡ませてくる。
お互いの唾液が混ざりあい、水気を帯びたいやらしい音と甘い吐息だけが部屋に響く。
「師匠、勃ってしまいました。責任取ってくだ……」
ゴン!と男の頭頂部から鈍い音がした。どうやら乙女に思いっきり拳で殴られたようだ。
「痛っ!」
「痛っ! じゃないよ。この盛りザルが。師匠を襲うなんて一万光年早いね」
ゴン!ゴン!と追加で鉄槌を落とされて少年の頭はたんこぶが三つ。
「……楽しんでたくせに」
ぽそりと少年が呟けば、
「なんか言ったか?」
じろりと師匠に鋭く睨まれれば。
何事もなかったようににっこり微笑む少年。
「……お夕食冷めちゃいましたね、温めなおしてきます」
これは何個かあるうちの一つのお話(かけら)。
まだまだ続きそう……?
16 幸せとは
昨日の日常は今日も続くとは限らない。
今日の日常が明日も訪れるとは限らない。
だが、それを当然のようにやってくると疑わない最も下等な生物。
――――人間。
平凡な一日が如何に奇跡だったことに気付くのは、死の間際だろうか。
「ははははは……」
月も星もない闇に包まれた夜の森。
剣呑な笑みを浮かべ佇むのは端正な顔立ちをした青年。己の面にべったりと付いた赤黒い液体をちろりと舌を出して舐め取れば。
「どこから解体していこうか?」
足下に置かれたキャンドルは黄色い焔が灯されて、刃の分厚い斧や、引っかき削るように切断する鋸(のこぎり)、先端が鋭く尖ったアイスピックなど物騒な物を照らす。
「……うぅ、うっ……たい、痛い……っ」
青年が「う〜ん」と間延びした声で道具を選んでいると、呻く男の声が漏れる。
「あ、まだ生きてた? 運がいいなぁ」
目がくりぬかれ、腹は深く切り裂かれた中年の男は失血が激しい。だが激しい痛みに襲われて尚も、気を失うことができずもがき苦しむ。
「図太い生命力に褒めてあげるよ」
冷ややかに見下ろす青年は、口の片端を吊りあげてニヤリと笑う。
青年の白い手は男の大きく開いた腹の中を弄り、目的のモノを摑みあげるとボタボタと重い音を立て、一面血に染めた。
「生きたまま食べられる感想、教えてくれない?」
そう言うと青年は摑みあげた腸(はらわた)をそのまま齧り付いた。唇から滴る血をそのまま地面に落として血溜まりを増やしていく。咀嚼すればするほど恍惚な表情を隠せない。
「人間が人間を食べるのは、愛の行為なんだって。知ってた?」
明日も今日と同じ日が来ることを疑わない他人の日常を喰べること――――最高に良い。
13 みかん
「食べるか?」
ほら、と同時に投げられたそれを俺はあたふたと捕らえた。
きゅっとしまりの良いつるつるとした感触のそれは紅が濃いミカンだ。
「……急に投げるのやめてください、師匠」
ふてぶてしい俺の態度に、フン!と鼻で笑うこの方は千年以上を生きる、聖獣の魔女アリヴィス様。孤児だった俺を五十二年ほど世話をする育ての親のようであり、師弟関係でもある。
先生と俺は、人間ではない。
「俺、師匠が選ぶミカンは苦手です。いつも甘酸っぱいじゃないですか。やっぱり糖度の高いミカ……」
「はっ! 子供だねぇ」
言葉を遮られたのと子供扱いにむすっとむくれ顔になった俺に、ニヤリと意地悪く微笑めば、
「敷かれたレールに乗り続ければその子は将来安泰だろう。だけど、それに逆らい別のレールに飛びこんで冒険する子もいる。そういう子は失敗作のレッテルを貼られるんだ。でもそれは本当に失敗作なのか?ってね」
「……わかりません」
「貸しな」
そう言って俺の手からミカンを取った。
そして、優しく包み込むようにミカンを揉んだ。
「ほら、食べてみな」
「…………! 甘くなった、ような気がしないでもない、です」
「そこは『甘い!』だろう」
ぷっと吹き出す師匠は、愛おしそうに熟れたミカンを見つめて、
「この子はどちらにでもなれる、優秀じゃないか。経験を積んだ子はやっぱりストーリーが違うわ〜」
「…………」
酸っぱさが減ったミカンは確かに甘味が増していた。
もとから糖度が高いミカンなら、この引き立つ甘味というものに気付くことはなかっただろう。
酸っぱいから、より甘味が引き立つのだと思う。
失敗作も悪くないなと、ひとりごちる。
12 冬休み
「聞こえるように言わないと、わからないだろう?」
涙目で見上げる少女に、口の端を吊り上げていじわるく微笑む男が。
覆いかぶさるように少女の上に跨がる男は、耳朶を食み、首筋、鎖骨へと舌を這わる。
やがて、大きく膨らんだ無防備な乳房にたどり着き。その柔さを舌で確かめるように、何度も角度を変え、執拗に愛撫される。
そして男の舌はそのまま頂へと登っていく。柔らかな唇に、強く吸い上げられては、軽く歯を当て……執拗に攻められたそれは赤く熟れ尖った。同時に下腹部がゾクゾクと震えるような熱くなる感覚がわき起こる。
「あー、もう入れて欲しくなった?」
「…………っ!」
くつくつと笑う男に訊かれて、頬を上気させた少女はぎゅっと目を瞑り黙ってうつむいたままだ。
「あー、だめ、だめ。何が欲しいのか、君の可愛いお口から言わないとね」
男の言葉に、少女の頬はさらに赤みが増す。
そして――。
開いた窓から涼しい風が肌を撫でる。
茜色に染まり始めた空の下では、軽やかに土を蹴る音、ボールを打つ音、部活動に励む部員の歓声が聞こえてくる。
「課題、終わりました」
「おい、何日だと思ってんだ。提出の期限はとっくに過ぎてる」
「仕方ないじゃないですか。私の課題は冬休み全てを費やして仕上げた課題です」
「……? 【毎日の性行為で妊娠する確率はどれくらいなのか?自分史】……はあ?」
「あ、すみません。結果はまだ出てないので未完成になりますね」
「…………」
「…………」
「……ボツッ!」
整った綺麗な指でむにっと頬を摘まれて、いじわるな笑みを少女に溢した。
「今日も俺ん家に来いよ」