KICHINTO

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12 冬休み


「聞こえるように言わないと、わからないだろう?」

涙目で見上げる少女に、口の端を吊り上げていじわるく微笑む男が。
覆いかぶさるように少女の上に跨がる男は、耳朶を食み、首筋、鎖骨へと舌を這わる。
やがて、大きく膨らんだ無防備な乳房にたどり着き。その柔さを舌で確かめるように、何度も角度を変え、執拗に愛撫される。
そして男の舌はそのまま頂へと登っていく。柔らかな唇に、強く吸い上げられては、軽く歯を当て……執拗に攻められたそれは赤く熟れ尖った。同時に下腹部がゾクゾクと震えるような熱くなる感覚がわき起こる。

「あー、もう入れて欲しくなった?」

「…………っ!」

くつくつと笑う男に訊かれて、頬を上気させた少女はぎゅっと目を瞑り黙ってうつむいたままだ。

「あー、だめ、だめ。何が欲しいのか、君の可愛いお口から言わないとね」

男の言葉に、少女の頬はさらに赤みが増す。
そして――。



開いた窓から涼しい風が肌を撫でる。
茜色に染まり始めた空の下では、軽やかに土を蹴る音、ボールを打つ音、部活動に励む部員の歓声が聞こえてくる。

「課題、終わりました」

「おい、何日だと思ってんだ。提出の期限はとっくに過ぎてる」

「仕方ないじゃないですか。私の課題は冬休み全てを費やして仕上げた課題です」

「……? 【毎日の性行為で妊娠する確率はどれくらいなのか?自分史】……はあ?」

「あ、すみません。結果はまだ出てないので未完成になりますね」

「…………」

「…………」

「……ボツッ!」

整った綺麗な指でむにっと頬を摘まれて、いじわるな笑みを少女に溢した。

「今日も俺ん家に来いよ」

12/28/2024, 3:32:21 PM