かたいなか

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10/20/2023, 1:47:21 AM

「個人的に、『すれ違い』つったら、某3DSゲーム機の某すれ違い機能が第一印象なんよ」
発売日、2011年だったのな。某所在住物書きは感嘆のため息を吐き、携帯ゲーム機の電源を入れた。
昔々のドット絵ゲームの移植版、とっくにサービス終了したソーシャルゲーム、猫ゲーにパズルゲー。
思えば懐かしい思い出が、プレイの可不可問わず、保管されている。

「改造クエストとか懐かしいわ」
当時やり込んでいた狩りゲーは、「すれ違い」によって、本来取得し得ないデータが紛れたり、いちいち手動で消したり。
懐かしい。ただ懐かしい。物書きは昔々に思いを馳せて、再度ため息を吐いた。
「戻りてぇなぁ。皆でマルチで狩りしたあの頃……」

――――――

唐突にお肉食べたくなって、某最大バリュだかトップ価値だかのスーパーに、値下げの鶏肉探しに行ったら、店内で職場の先輩とすれ違った。
向こうは私に気付いてなかったみたいで、挨拶も何もなく、お菓子コーナーに消えてっちゃった。

いっつも低糖質・低塩分メニューばっかり作ってる先輩が、普通のお菓子を見に来るなんて、珍しい。
お肉コーナーの巡回もそこそこに、半額豚バラブロックをカゴに入れて先輩のとこに行ってみると、
右手で口元を隠して、左手に持った袋をじっと見て、額に少しシワ寄せる先輩が、何か長考してた。

「先輩。せーんぱいっ。何買うの」
「ただの下見だ。お前、どうせ今年も私の部屋に、ハロウィンの菓子をたかりに来る予定だろう」

「去年のアレは面白かったから、私、たまに自分で作って食べてる」
「クラッカーは意外と塩分糖分が詰まっているから、ほどほどにしておけよ」

先輩が手に持ってたのは、ここのオリジナルブランドの、プチクラッカーだった。
「去年、これにホイップクリーム絞っただろう」
先輩が言った。
「さすがに今年、二番煎じは飽きるかなと」
別に、美味しかったから、飽きる飽きない気にしないけどな。私は少しだけ、首を否定に傾けた。

去年のハロウィンの話だ。
職場の先輩が、当日即興クオリティーで、チャチャッと材料買ってチャチャッと作ってくれたのが、プチクラッカーで作ったスイーツだった。

「アレね、七味普通に美味しかった」
「そりゃどうも」
「ワサビ、ツンと来たけど、しょっぱかった」
「食塩入りだったからな。あの、おろしワサビのチューブは」

100円の塩味クラッカーに、甘さ控えめホイップクリームを絞って、
そのホイップの上に低糖質な小さいキューブチョコを置いたら、できあがり。
いわゆるデザートカナッペとか、そういうやつ。
味変に、ホイップに七味振ったり、ジンジャーパウダー振ったり、シナモンもアリっちゃアリだった。
クラッカーの塩っ気と、チョコ&ホイップの甘さ、それからピリっとした七味だのジンジャーだのが、面白く混ざってたのはよく覚えてる。

ちゃんと事前予約を入れていれば、故郷の田舎からイタズラクッキーを取り寄せていたものを。
先輩は当時、ちょっとだけ楽しそうに言ってた。
見た目が完全に炭みたいなクッキーらしい。
なにそれ。

「プチタルトのタルト台に、カボチャだの紫芋だので色付けしたホイップを絞るのも考えたんだが」
「タルト台 is なんで?」
「ディップボウルの代わりだ。クッキーだから、使い終わったら食えばいい。食器を洗う手間が省ける」
「例の炭クッキーをディップするの?」
「……食いたいのか、炭クッキー?」

お前も物好きな食いしん坊だな。
先輩はゆっくり、優しい大きなため息を吐いて、プチクラッカーの袋を棚に戻して私から離れた。
「今年はちゃんと、アルコールも用意しといてよー」
背中向けて鮮魚コーナーの方に歩いてく先輩に声を放ると、
検討だけはしてやる、って意味なのか、単なる別れの挨拶なのか、先輩はプラプラ、右手を振った。

10/19/2023, 5:13:11 AM

「『秋』はねぇ、先月2回遭遇してるのよ。22日付近の『秋恋』と、26日あたりの『秋🍁』と」
3度目の秋ネタである。前回と前々回はどのような物語を書いていただろうと、某所在住物書きは己の過去投稿分を辿った。
「秋」は「秋なのに翌日が猛暑予報」、「秋恋」は恋愛の恋して振って恋してのガチャを書いたらしい。

「他に『秋』は?さすがに『サツマイモ』はお題じゃ出てこないよな?」
秋雨、秋風、秋明菊はそもそも花ネタ動物ネタの少ないこのアプリだから無いか。
物書きは次の「秋」にそなえて、ひとまず可能性の高そうな単語を並べた。

――――――

10月も残り2週間を切った都内某所、某職場。
昼休憩の休憩室で、同部署内の先輩後輩コンビが、
片や弁当箱を広げ、片やスープジャーを開けて、アイスコーヒーを飲みながら談笑している。
「秋だよね?」
「その質問は今日の気温についてか?」
BGMは他者の雑踏と、誰が観ているとも分からぬニュース番組の音声。
隣の隣部署の主査が舌を火傷したらしい。男性の大きな悲鳴が、休憩室に驚きと苦笑を届けた。

後輩のスマホによれば、今日の最高気温は25℃。
夏日である。じき、11月である。
例年の「秋」はどのような暑さ涼しさであったか。
飲み物は?服装は?もうオータムコートを羽織っていただろうか?

「なんか、季節感分かんなくなっちゃった」
後輩が弁当のミートボールをフォークでさした。
「今、10月後半だから、秋だよね。今日は晴れてるから、秋晴れ、だよね。
……秋晴れの日に夏日って何だろうって」

「安心しろ。あと1ヶ月2ヶ月もすれば、ちゃんと冬になってこの暖かさが恋しくなる」
まぁ、向こうのゴマスリさんは、もう色々「寒さ」が厳しいようだが。
チラリ別のテーブルを見遣って呟く先輩は、スープジャーのリゾット風オートミールをひとすくい。
「ちゃんと、恋しくなるかなぁ……」
先輩の視線の先を確認した後輩は、すぐ意味を理解して、数度頷いた。
上司へのゴマスリが得意科目の後増利係長が、ひとりポツンと、コンビニ弁当を突っついていたのだ。

先々週、自分の仕事を部下に丸投げしまくって、その成果だけ横取りしていたのがトップにバレた。
直々に厳重な口頭注意を受けたことが、多くの人の知るところとなり、
結果、肩身が狭くなって、今やぼっち飯である。
別に「かわいそう」とも感じないのは、この先輩後輩コンビが、仕事丸投げと横取りの、そもそもの被害
者であったから。
後輩からすれば、ざまーみろ以外の何物でもない。
気温はさておき、まさしく澄み渡る秋晴れの心地であった。

「なんか急にゴマみそ担々麺食べたくなってきた」
「確かに急だな。私に作れと?」
「いっぱいゴマ入れて。ゴマスリして」
「低糖質パスタと糸こんで良ければ」
「担々パスタは新鮮初遭遇……」

ところで後増利係長の更迭は云々、そういう話は届いていない云々。
話題は夏日の秋晴れから、後日の夕食昼食、それから既に秋風北風で凍えていそうな上司へ。
今週の仕事も、残り1〜2日。日曜は最低11℃の予想だ。

10/18/2023, 4:22:24 AM

「5月9日あたりのお題が『忘れられない、いつまでも。』だったな」
前回は香炉の香りをネタにして、「忘れそうになった頃、また特定の場所から香ってくるので、いつまでも忘れられない」って構成にしたが、普通に今回のお題にコピペしても全然バレなそうだわな。
某所在住物書きは己の過去投稿分を辿り、一度ニヤリ閃いた。「ズルができる」。
問題は、地道に根気よく5ヶ月分辿ればそのズルがバレること。

「ガキの頃、某シマウマ社の香るボールペンが流行して、その香りはなんか、忘れずに覚えてるわ……」
記憶ネタの第2ラウンド。今回は何が書けるだろう。物書きはふと思い立ち、机の引き出しを開けた。

――――――

昔々のおはなしです。まだ年号が平成だった頃、2010年のおはなしです。
春風吹く頃、真面目で優しい田舎者が、雪降る静かな故郷から、東京にやってきました。
今は諸事情あって、名前を藤森といいますが、当時は附子山といいました。
人間嫌いか厭世家の捻くれ者になりそうな名字ですが、気にしません、気にしません。

「すいません。ご丁寧に、道案内までして頂いて」
これからの住まいとなるアパートへの、行き方がサッパリ分からぬ附子山。
たまたま近くに居た都民に助けを求めたところ、「なんなら一緒に行ってやる」との返答。
後に、附子山の親友となるこの都民、宇曽野は、ウソつきそうな名字ですが、とても良心的な男でした。

「地下鉄の乗り方は」
興味半分、退屈しのぎ四半分に、親切残り四半分で、ナビを引き受けた宇曽野。
「大丈夫か、それとも、説明した方が?」
宇曽野は婿入りの新婚さん。この日も愛する嫁のため、外回りの用事やら手続きやら、なんなら重い物の買い出しなど、しに行く最中でありました。

「ちかてつ……」
附子山の表情が、不安なバンビに曇ります。
「地下鉄は、迷路だの、迷宮だのと聞きました。私でも、乗れるものでしょうか」
ぷるぷる。あわあわ。バンビな附子山がはぐれて、迷わぬよう、宇曽野が手を引き、地下鉄の駅へ。
初めて無記名電子マネーカードを購入し、初めてカードにチャージして、初めてキャッシュレスで改札を通る附子山は、宇曽野には完全に興味の対象で、なにより嫁への土産話のネタでした。

「これが、都会の改札か……!」
購入したばかりの無記名カードを掲げ、キラリ好奇の瞳で、それを見上げ眺める附子山。
「便利だなぁ。私の故郷の鉄道に導入されるのは、何年後だろう」
この日見た光景が、駅のライトに照らしたカードの光沢が、今回のお題、「忘れたくても忘れられない」に相応しく、善良かつ美麗な記憶として……
残った、ワケではなく。
お題回収はその10分後。附子山が初めて乗った地下鉄車内で発生しました。

満員の車内で財布から目を離した附子山が、ほぼ当然の如くスリに遭いまして。

「おいお前。今スっただろう」
犯行現場をガッツリ見ていた宇曽野が、次の駅で降りようとする犯人の手をギリギリねじり上げ、
「ボケっとしてる田舎者から盗るのはラクだ、と思ったか?ぇえ?」
抵抗し暴れて、逆ギレで殴りかかってくるのも構わず、附子山の目の前で、盛大な窃盗犯確保と暴漢制圧を始めてしまったのです。

「あの、その辺に、してあげても、」
ポカポカポカ、ポコポコポコ。
一度は拘束から離れ、逃走をはかった窃盗犯。
警察か消防署員か、なんなら自衛隊員でもしているのか、まぁ実際は、どれでもないのですが、
それを疑うくらいの手慣れっぷりで、宇曽野はそいつに追いつき組み付き、ねじり倒し、ハイ確保。
バンビな附子山はバンビらしく、ただおよおよオロオロするばかり。

「都会は、悪いことをすると、こうなるのか……」
駅員が駆けつけ、警察が到着する頃には、窃盗犯はもうぐったり。
悪者をやっつけた宇曽野の達成感的笑顔と、悪事がバレてやっつけられた窃盗犯の満身創痍こそ、
今回のお題、「忘れたくても忘れられない」記憶として、なかなか強烈に、残ってしまったのでした。
おしまい、おしまい。

10/17/2023, 3:43:05 AM

「感覚的に、暖色系の光はやわらかい気がするし、季節としては春だと思うんよ」
なんか寒色系は硬い柔らかい関係無さそうだし、夏とか「やわらかい」どころじゃねぇ日差しだし。
某所在住物書きは、カーテンによって陽光の遮断された室内でひとり、スマホの通知画面を眺めていた。

「やわらかい光」だそうである。秋の朝は放射冷却で、やわらかいというより「寒い光」だろう。
初春の、日光反射して輝くフクジュソウは、その光沢は、やわらかい光だろうか。
あるいは暖炉型ファンヒーターの、フェイクながら揺らめく炎のイメージは?
「そういや最近、焚き火っつー焚き火、見ねぇな」
なんか焼き芋食いたくなってきた。物語ネタの連想ゲームが食欲の秋と結合して、物書きは炭火と紙袋と甘い香りを思い浮かべ、己の財布の残高を確認した。

――――――

最近最近の都内某所、某アパートの一室。
カーテンの、丁度閉め切っていなかった数センチが、室内への陽光侵入を手引きして、ベッドで寝息をたてる部屋の主の網膜にイタズラする。
まだ眠っていられる筈だったものを。更にダメ押ししたのは香水の小瓶ひとつ。
枕近くの棚の上で、朝日を反射し、やわらかな光を、

……「香水の小瓶が朝日を反射」?

「いけない」
部屋の主、藤森は毛布を跳ね上げ、飛び起きた。
香水はたしか、直射日光が苦手だ。それの当たらぬ、温度の平坦な場所に移さなければ。
「せっかく貰った物なのに」

藤森は小瓶を優しく持ち、より適切であろう置き場所を探して、
ふと、じっと、再度それを見た。

先々月、8月31日に、職場の後輩から贈られた、リラックス効果のある香水である。
メインに据えられているのはヒノキ科アスナロ属、日本固有種「ヒバ」、すなわちアスナロの優しさ。
2種類程度のスッキリしたフローラルかシトラスが、木の香りに花を添えている。
雪降る田舎出身の藤森にとって、アスナロは懐かしい故郷の公園、森林と遊歩道、すなわち思い出の象徴。

しゅっ、しゅっ。
手の甲に吹き付けた少量は、藤森を昔々に誘った。

東京に来て最初の数年、田舎と都会の違いに揉まれ、擦れて、酷い疲弊を味わった藤森。地下鉄すら乗るのが不慣れであった。
東京で出会った親友の宇曽野に付き添ってもらい、ぷるぷる不安のバンビで乗り方と降り方を教わったのは良い思い出。
藤森の田舎者を見抜き、地下鉄車内で財布をスった野郎は、即座に宇曽野にバレて警察に引き渡された彼は、窃盗発覚と逃走と確保の過程で宇曽野にボッコボコにされていたが、その後、どうしているだろう。

恋をして、その恋人が過度な解釈押し付け厨で、SNSでボロクソにディスられ傷ついて。
スマホも職場も住所も全部変え、このアパートで新しく、「藤森」のスタートをきった。
ヨリを戻そうと追ってきた元恋人。その強い執着に悩まされ、心の古傷が開いて痛む藤森に、「花とか草とかの香りがあれば、落ち着けるかな」と、新しい職場の後輩が8月31日、贈ったのがこの香水であった。

そういえば貰った香水の礼をまだしていない。

「これに、……『これ』に見合う、礼……?」
キラリ、キラリ。
香水の小瓶を傾けて、眺めて。藤森の目は長考に険しく細められ、額にシワが寄る。
「何だろう。何が相応しい?」
小瓶は勿論、何も答えない。
ただ秋の朝日を反射して、やわらかな光を放つばかりである。

10/16/2023, 4:05:30 AM

「するどい、まなざし……?」
今日も今日とて、手ごわいお題がやってきた。
某所在住物書きは相変わらず、途方に暮れて、天井を見上げている。
視線、眼差し関係の題目といえば、「君の目を見つめると」や「安らかな瞳」の4月と、「澄んだ瞳」や「視線の先には」の7月、その他数個、だいたい7〜8個は書いてきた記憶があった。

「アニメだと大抵、デフォで目ぇ閉じてるキャラって、大抵目が開くと『鋭い眼差し』な気はする」
現実のネタだと、あの文豪川端康成が、じっと人を見るその眼差しで、編集者を泣かせたってどこかで見た気がするけど、ガセだっけ、事実だっけ?
物書きは「眼差し」、「視線」、「瞳」をヒントに、残り数時間で組める物語は無かろうかとネットにすがった。

――――――

昔々のおはなしです。年号がまだ平成だった頃、だいたい8〜9年くらい前のおはなしです。
都内某所、某職場に、雪国から上京してきた田舎者がおりまして、
都会と田舎の速度の違い、人と人との距離感の差、それからアレやらコレやらで、色々荒波に揉まれて擦れて、すっかり捻くれてしまっておりました。
人間は、敵か、「まだ」敵ではないか。
素直で優しかった正直者は、少しの親切も疑ってかかるほど、ただれて、ささくれて、ヤマアラシ状態。

名前を附子山といいます。数ヶ月後、諸事情で改姓して、藤森になります。
詳しいことは過去作7月20日付近参照ですが、だいたいこのおはなしを読めば分かるので、気にしない、気にしない。

「附子山さん。ぶしやまさん」
で。そんな少しの親切も疑ってかかるヤマアラシの、顔とスタイルと、なによりヤマアラシに、惚れた者がありました。
名前を加元といいます。元カレ・元カノの、かもと。分かりやすいですね。
「その仕事、手伝うよ」
恋に恋して、自分を飾るジュエリーとして恋人を身につける加元の目に、附子山は美しく見えました。

「必要無い。あなたは、あなたの仕事をやればいい」
附子山は平坦な抑揚と表情で、しかし瞳の奥に鋭利な人間嫌いを忍ばせて、加元を拒否ります。
加元は、この鋭い眼差しが大好きでした。
手負いのオオカミか、それこそ威嚇中のヤマアラシか、ともかく野性的で静かな拒絶は、加元に「この人が欲しい」と思わせました。
決して懐かぬ孤高は、故郷と都会のギャップで疲弊した孤独は、良いピアスかネックレスになるだろう。
加元は確信しておりました。

なにより附子山の静かな目、静かな表情、視線の鋭利さといったら!

「寂しいこと言わないでよ。ほら、貸して」
ぬるり、ぬるり。
加元は己の声と抑揚と仕草で、附子山の心の奥の奥に潜り込みます。
「ふたりでやった方が早いよ。定時で終わらせて、美味しいものでも食べようよ」
ぬるり、ぬるり。
何度威嚇しても優しく在る加元に、附子山は1ミリずつ心を開いて、捻くれ傷ついた心も癒えてきて、

数ヶ月後、加元のピアスになる前に、元々の素直さと優しさを取り戻し、
ゆえに加元から「解釈違い」と、SNSのサブ垢でディスられました。

加元のサブ垢に気付いて、自分に対するボロクソを見てしまった附子山。
おかげで心はズッタズタのボロッボロ。
しまいには、合法的に「藤森」に改姓して、職場もスマホも居住区も全部変えて、加元の前から姿を消してしまいました。

それから8〜9年後、現在の藤森は新しい職場とアパートで、
ヒガンバナのお守りを親友から押し付けられたり、ぼっち鍋で煮たポトフを後輩とシェアしたり、まぁまぁ、そこそこ幸せに暮らしておるのですが、
その辺は今回の「鋭い眼差し」のお題とは無関係なので、気にしない、気にしない。

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