頭の悪い高校生

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2/9/2023, 11:23:46 AM

真っ赤な薔薇の花束を持って 、
僕は 彼女との待ち合わせ場所へ向かう 。

この花束を渡したら 、彼女は 一体どんな反応をするだろうか 。
恥ずかしがられるだろうか 、
それとも 、素直に喜んでくれるだろうか 、
今どき花束なんて 、と 思われてしまうかもしれないが 、彼女はそんな性格では無い 。
だからこそ 、僕は あえて 、真っ赤な薔薇の花束を選んだのだ 。

そんな矢先 、プーッ と 。クラクションのような 、大きな不快音が脳に響き渡たった次の瞬間 、
ゴンッ と鈍い音がなったと同時に 、焦りや叫び声を上げる周りの人達の声が 聞こえる 。
僕は 轢かれたと理解するまで 、ほんの少し時間がかかった 。
不思議と痛みもない 。こりゃ重症だな と 、苦笑する余裕は もちろん無かった 。

最後に僕の視界にうつったのは 、
真っ赤に染まっている薔薇の花びらだった 。

Fin .

2/8/2023, 11:39:52 AM

君はいつだってニコニコしてる 。
"スマイル" というより "笑顔" という言葉の方がしっくりくる彼女は 、キラキラしていて 、見ているとなんだか こっちまで微笑ましくなる 。
なんてことはなくて 、
みんな彼女を少し嫌っている 。

「 あいつは狂ってる 」
クラス中 、いや 、学年中がそう口にしている 。
ちなみに 、 僕もそう思う 。
なぜなら 、怒られてる時までも ニコニコしているからだ 。
そのせいで彼女はよく怒られるし 、
友達も比較的少ない 、というより 人と話してるところをあまり見た事がない 。
でも そういう時以外は とても可愛らしくて 、笑顔が素敵な女の子だと 僕は思う 。


そんなある日 、教室で たまたま2人きりになったタイミングがあり 、僕は失礼かななんて思いながらも
「 なんで怒られてる時も笑ってるの? 」
なんて 聞いてしまった 。
いや 、本当は 失礼かな なんて思っていなかったのかもしれない 。
本音を言えば 、そこまで仲良くないし 。なんて 、そんな最低なことを思っていたと思う 。

すると彼女は
「 … 知りたい? 」
なんて 、勿体ぶらせてくる 。
「 まぁ 、教えてくれるなら 」
と 、僕が返すと 彼女はまたニコッと 、
いつもの笑顔を浮かべ 、
「 … 怖いから 。癖で笑っちゃうの 」
と 、彼女はポツンとそれだけ呟いて
「 じゃあね 、また明日 」
なんて 、僕に手を振りながら また笑顔で教室を出ていった 。

教室に一人取り残された僕には 、
その意味が理解できなかった 。
なぜ怖いのに笑うのか 。
もうちょっと聞けばよかったかな 、なんて思ったけど 、僕がそこまで深堀する必要はないだろうと思い 、僕もカバンを持って 教室を出た 。


それから数週間 _ 。
僕は あることに気がついた 。
彼女が怒られてる時の あの少し不気味な笑顔と 、
僕に手を振りながら教室を出ていったあの日の
キラキラした笑顔は 全く別の笑顔なんだということに 。

怖いから笑う 。という意味は 、未だに僕には理解し難いものだけど 、
なんだか少し 、彼女に寄り添いたいと思うようになった 。

Fin .

2/6/2023, 1:44:16 PM

もし時間を巻き戻すことが出来たなら 、
時計の針を戻すことが出来たなら 、
なんて 、非現実的な 妄想を 、
人間ならきっと誰しもがしたことあるであろう 。

時を戻せるなんてこと 、絶対にありえない話なはずなのに 、人間はそういう 非現実的な妄想をすることを好む 。もちろん私も 。


そんな私が 、もしも 時間を操れる能力者だったとして 、時を戻すことが出来るなら 、
約1年ほど前に戻りたい 。
── まだ彼女が この世に存在していたあの頃に 。

彼女は いつからか病気にかかってしまい 、
強い薬がかかせなかった 。
それなのに彼女は 、良くなるどころか悪くなる一方で 、外に出ることも出来なくなってしまった 。
そんな彼女が 、私の前で最後に残した言葉は 、
「 最後にあなたと海に行きたかった 。 」
だったのを 、今でも鮮明に思い出せる 。


私は自分のことで精一杯で 、
彼女に何もしてあげられなかった 。
今でも後悔していることなんて 何千とある 。

だからこそ 、もし時を戻すことができるなら 、
1年前に戻り 、意地でも彼女と二人で 病室を抜け出し 、海に連れて行ってあげたい 。
過去の私が 本当にそうしていたら どうなっていたかなんて 分からないけれど 、
どうせ彼女が この世から居なくなってしまうのだったら 、私は最後に 、
彼女の願いを叶えてあげるべきだったのかもしれない 。

Fin .

2/5/2023, 12:11:23 PM

「 なんで私だけを見てくれないの 、? 」

私が好きな彼は 、浮気性だった 。
正真正銘のクズ男だ 。
自分がいいように利用されてることなんて分かっているのに 、それでも 、離れられない 。
四六時中彼のことばかりで 、今何をしてるのか 、
どこで誰といるのか 。気になってばかり 。

友達には 、" そんなやつやめなよ 。"
なんて 、かれこれ何回言われただろうか 。
そんなの自分がいちばん分かってる 。
どうしても 彼に対して好きな気持ちが残ってしまっている自分を心底恨んだこともある 。
それでも 、諦めきれなかった 。


そんな私も 、とうとう我慢の限界だった 。
3度目の浮気 。
泣きながら 、嗚咽を漏らしながら 、
ここまで彼に怒りの感情を抱いたのはすごく久しぶりの事だった 。
「 ごめん 。 」
彼は私を見るなり 、ごめんと呟くばかり 。
そのごめんも何回聞いたことか 。

「 もうごめんばっかり聞きあきたよ 、… 」
「 … ごめん 」
それでも 、私は心のどこかで 、彼にまた淡い期待を抱いていた 。
今度は私だけを見てくれるかも 。
今度は私を一途に愛してくれるかも 。なんて 、
そんなことあるわけないのに 。
「 … でもやっぱり好きだよ 、」
「 …俺も好きだよ 」
ほら 、またそんなこと言って私を期待させる 。

「 今度は 、浮気しない ? 」
「 しない 。約束するよ 」
あぁ 、またこうやって私は彼に騙され 、
沼っていくんだな 。
どうやら私は 、彼なしじゃ生きられないみたい 。

「 好き 、大好き 」
「 俺もだよ 。愛してる 」
今幸せなら 、いいんだ 。
彼がどんなにクズでも 、
好きという気持ちは溢れ出すばかりなの 。

Fin .

2/3/2023, 1:15:24 PM

「 ねぇ 、 」
「 ん? 」
「 俺と付き合ったこと 、後悔してない? 」
何を不安に思ったのか 、急にそんな疑問を投げてくる彼に少し驚きつつも 、
「 してないよ 」
と 、正直に答える 。

「 なんで? 」
急に質問をしてきたんだ 。俺もこいつにひとつやふたつ質問をし返してもいいだろう 。
そう思い 、俺はなぜそう思ったのかを問う 。

「 同性愛って 、… まだ認められてないから 」
なんて 、俯きながら言う彼はなんだか 少し子供っぽく見えた 。
なんだ、そういうことか 。

確かに 、同性愛と聞くと 非難の声をあげる人は世の中にまだ沢山いる 。
それでも俺は 、こいつが好きだから 。
顔がかっこいいとか 、声が好きとか 、
そんなちっぽけな理由じゃない 。
だからといって 、じゃあどんな理由?と聞かれると少し戸惑ってしまうけど 、俺は彼の全てが好きで 、全てを受けいれるつもりで一緒にいる 。

「 もちろん今はまだ批判的な声が多いけどさ 、
いつかみんなが認めてくれるまで …
気長に待とうぜ 。」
「 1000年先でも 、? 」
「 1000年先って 、w 死んじまうだろ w 」
「 例えだよ例え 、! 」
んー 、そうだなぁ 、と 俺は首をかしげる動作を取りつつも 、本当は 俺の中で 既に答えは出ていた 。
「 来世も来来世も、俺の事迎えにきてくれるんなら考えるよ 、w 」
と意地悪っぽく言うと 、少しムキになる彼 。
「 当たり前じゃん 、 会いに行くよ 」
「 … どこにいても探しにきてくれる? 」
「 うん 」
「 じゃあ 1000年先でも 待つよ 。一緒にな 」
そう 。これが俺の答え 。
何がなんでも 俺は彼と 1000年先まで待つ 。
どんなに非難の声を浴びようとも 。
「 じゃあ 、来世も会おうね 」
「 まだ気がはえーよ 」

Fin .

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