「あぁ、やってしまった…。」
俺は今、震える拳を抑えながらそう呟く。
こんなことになるならやらなきゃ良かった。後悔してももう遅い。とにかく見つからないようにしないと…ただ事では済まない。玄関のドアをそーっと開けて家に出た。
「どうしよっかな……」
誰も居ない公園のベンチで1人、足をぶらぶらさせる。しばらくは家に帰れない。
俺には妹が1人居る。そいつにそのことがバレたらおしまいだ。
「はぁ〜あ……まじで時を戻してぇ…」
生憎そんな能力なんて持ってないけど。
「…というか妹が家にきた時点でもうおしまいだよな?………」
これって帰った方がいいんじゃね?
「…帰るか。」
“アレ”が見つかる前に。
ガチャッ
キィーと静かに開けたせいで黒板を引っ掻いた音が鳴る。靴を確認してみると、もう妹が帰ってきてしまっていた。
「っ?!不味い…!」
慌てて靴を脱ぎ捨て、リビングに行くと冷蔵庫を開けて突っ立っている妹が居た。
「あっ……な、」
「私の……プリン食べたのお兄ちゃんでしょ」
「………」
しまった。もう遅かったみたいだ。とにかく弁解…
「ぜっっったい許さないから!!」
駄目だった。その言葉を言われたらしばらくは許されない。
「…プリン今度買っていくか。」
#後悔
最初ホラーっぽくしようかなと思ったけどやめたらなんか可笑しくなった…
「ふーん……なるほどね…」
俺は“壁の向こう側”にある紙を見て呟いた。
「あ〜そうそう。皆は知らないよね。」
俺の名前は曖無。…あいむってよむ
前にも出てきた事はある。えーと、なんだっけ…?
『寝転んで空を見上げると雲がながれている。目を閉じると浮かんできた作り話は?』…的な“お題”じゃなかったっけ?
「……メタいって思った?ふふっ俺も思った。」
本当は俺もお話の中の人だったんだけどね。アクシデントがあってなんかこうなったんだよね。
「改めて、今回のお題はおうち時間でやりたいこと。……いや俺ないんだけど。」
こうなったら…主に聞こう。
「……主。おい。出てこい。」
すると何もない空間から紙がひらりと落ちてきた。
「…は?……」
紙をひろうと[曖無へ]と書かれていた。あいつ出てこなかったな…
「……私はおうち時間でピアノを弾いたり音ゲーしたりしてます…って小説書いてないじゃん」
………これ他言う事あるか?
無いな。よし締めよう。
「って事で主はピアノと音ゲーしてるらしい。
俺はたまに出てくるからまぁ覚えといて。んじゃ」
#おうち時間でやりたいこと
おうち時間でやりたいことって出てこなかったので前に出てきたメタい子を出させました。主と曖無は仲悪いです。(せって(((
コホンッ失礼しました。じゃね〜
「あぁ〜つっかれた…」
俺は仰向けに寝転ぶ。花のいい匂いが広がって眠くなってくる。
「……いや、寝ちゃ駄目だ。」
寝そうになって慌てて起きる。
ここは花畑。崖の近くにあるため誰も近づかないのでいつも独占出来る。ここに来るときは悩みがある時。今日は…
「友達が死んじゃった」から来た。
あいつはとても努力家で、1人で溜め込んで、だから…ナイフで…自分を………
「っ……だめだめ。こんな事考えたら…」
しばらくぼーっとしていると、何処からか一羽の蝶が来た。色からして多分モンシロチョウ。モンシロチョウは、はたはたと俺の周りを飛んだあと、花に止まった。
「……綺麗」
俺の側に居るのは勿体無いくらいの美しさだ。
白い羽根は綺麗に整っているし模様も綺麗。花に止まっていると更に美しさが際立つ。
「…お前も悩んでんのか?」
そう言うとモンシロチョウは俺の言葉が分かった様に羽根を動かす。
「……そうか。まぁ頑張れよ。」
すると、モンシロチョウは羽根を一気に動かし崖の方へ飛んでいった。
「あっちょっと、待っ」
慌てて追いかけると、モンシロチョウは崖を飛び出した。勢い余って俺も崖に突っ込んでいく。
(……このまま…友達の元に………いっt)
『だめ!!!』
「っ?!」
崖に飛び出す寸前で止まる。モンシロチョウはもう見当たらない。
『お願い。生きて。俺は薬をやって、死んじゃったんだ。だから自業自得だよ。だから、さ。』
我儘だけど、生きてほしいな。
「ありがとう…」
#モンシロチョウ
「今日の心模様」のキマっちゃって死んだあの子の友達です。モンシロチョウは何だって?自分も分からん☆強いて言うならモンシロチョウの主人公の負の部分?幻覚?的な?…って幻覚見えたら主人公もキマってる事になっちゃう…。
読者のお任せで考察してね☆☆
「わっ…」
曲がり角を曲がった瞬間、誰かとぶつかった。
はっとしてその子を見ると、小柄で可愛らし女子だった。
「ごめん、大丈夫?」
そう言うと何故か彼女は顔を赤くした。
「はい」
俺が手を差し伸べると、彼女は手を掴んだ。
あの日から俺は彼女の事が忘れられなくなった。
彼女の事を知りたいと色々探したが、結局名前も知らないので分かったのはクラスだけだった。
遠目から彼女がこちらをチラチラ見ているのが分かる。俺から話しかけたいのに何故か声が出ない。
なんでだろう?と思っているまま彼女は何処かに行ってしまった。
「〜〜〜だよな!」
「そうだなwww」
また見られている気がする。今度こそ話しかけないと…と思うがやっぱり出来ない。でもせめて名前を…じゃないと寝られない…!
「それで〜…」
「うんうん…あっ」
話していたがバッチリ目が合ってしまった。
手を振ると彼女も手を振り返す。また顔が火照っている気がするが…気の所為かな。
「ねぇねぇ〜今度遊びに行かない?」
クラスの女子からそう言われた。だが2人で…なんて行けない。
「他の人も誘っていいかな?」
「えぇ〜なんで?2人で行こうよ!」
「いやそれは…」
それは無理だ。だって…
廊下でぶつかった、ずっと、いやいつまでも忘れられない彼女の事が好きだから。
小声でその子に言う。
〈ごめん。俺好きな人が居るから。〉
「えっ…誰?」
「ふふっ。ないしょ。」
「っ?!……しょ、しょうがないわね…応援してる。」
「ありがと」
いつか彼女に告白したい。そう心に誓った。
#忘れられない、いつまでも
君と出逢ってから、私は…の男性視点です。
「春人〜?」
俺が声をかけると、彼はこちらを振り向いた。
「なに?」
「もしさ、明日世界がなくなるとしたら何を願う?」
「明日世界が無くなる…?」
「うーん…」と唸り声をあげて、目を瞑る彼。
「……死んだ後は天国にいきたいって願うかな。」
「へぇーなんで?」
「…亡くなった彼女に会いたいから。」
「あっ…」
寂しそうに言う彼を見て、しまったと今更ながらに思う。
「ご、ごめ」
「大丈夫!」
謝ろうとした俺を慌てて遮り笑顔をつくった。
「平気だから。ね?」
「う、うん……」
はぁ…やらかしちゃったな……
「秋華は?」
「俺?…彼女が欲しい。」
「ふっww」
「ちょっ…笑うなよ!」
「ごめんw」
春人は笑いは引いたがまだニコニコとしていた。
「…今日ちょっとコンビニ寄らね?」
「?いいけど」
「笑ったからお前の奢りな!」
「えぇ?無理!お金無い!」
「強制だから!」
「いや駄目だって…!」
俺達は今日も過去の事は忘れて笑い合っている。
#明日世界がなくなるとしたら、何を願おう
春爛漫の子とここではない、どこかでの子です!
名前は、
春爛漫…春人
ここではない…秋華
適当に決めました☆